マガジンのカバー画像

時事のあれこれ。

26
運営しているクリエイター

記事一覧

「もはや●●後ではない」と「30年サイクル」

「もはや●●後ではない」と「30年サイクル」

2024年2月22日、日経平均株価が34年ぶりに最高値を更新しました。翌朝の日経新聞の1面では、『もはや「バブル後」ではない』をタイトルに、「日本人の行動が変わる契機」とこの局面を表現した記事が掲載されました。

このタイトルは、もちろん1956年の経済白書のメッセージの「もはや戦後ではない」を意識させようとしているでしょう。1956年の少し前から始まった日本の急速な経済成長は、バブルがはじけるま

もっとみる
なぜ上場企業はIRをすべきなのか?

なぜ上場企業はIRをすべきなのか?

なぜ資本金を出していない株主にもIRにも責務を負うのか?

 2023年は上場企業のMBOなどによる非上場化のニュースが相次ぎました。その裏には上場の意義を突き詰めて考えたプロセスがあったのでしょう。
 上場維持コストは東証上場費用や株主総会などにかかる直接的な費用のほか、IR (インベスター・リレーションズ) にかける経営陣の時間という重要な間接コストも含まれます。企業の経営者の中にはIRに時間

もっとみる
IRの専門家とサステナビリティ経営の専門家の実務知識を公開! 9/28無料ウェビナー

IRの専門家とサステナビリティ経営の専門家の実務知識を公開! 9/28無料ウェビナー

これからの会社員の新常識 ESGとパーパス

9月1日に出版しました『ESG投資で激変!2030年会社員の未来』は、ESGはふつうの会社員にも関係あることを知ってもらいたいと思って書きました。

社内でESG経営を推し進める人にとっても、認知を広げるために必要なことです。マーケティングでいえば、AIDA(Attention 認知、Interest 関心, D 欲求、A 行動)のInterest、関

もっとみる
スタートアップ経営者がこの本を読むべき3つの理由

スタートアップ経営者がこの本を読むべき3つの理由

 

上場準備、人材採用、資金調達 スタートアップ経営者が考えるべきこの3大テーマについても、新著『ESG投資で激変!2030年会社員の未来』は大きく関係しています。

上場準備の大前提、株式市場の原則をレクチャー
 ESG投資は新しいルールのようですが、もともとある株式会社のルールの上に成り立っています。上場の前に必ず理解しておきたいことです。
 「上場する意味は何か」「外部株主とはどんな存在か

もっとみる
ふつうの会社員に『ESG投資で激変!会社員の未来』をオススメする理由

ふつうの会社員に『ESG投資で激変!会社員の未来』をオススメする理由

ESGへのよくある疑問に答える一冊

ESG投資はもはや上場企業には避けて通れないことです。そうは言っても、ESGって自分には関係ないと思っていたり、ESGで利益が減るのに投資と一緒に語られることに違和感を覚えていたりする会社員はまだまだ多いのではないでしょうか。

この本は、そんなふつうの会社員に手に取ってほしい本です。ESG推進やIRに携わる人たちだけが一生懸命になっても、なかなか会社は、世の

もっとみる
表紙デザイン決定&予約開始!『ESG投資で激変!2030年会社員の未来』9月発売

表紙デザイン決定&予約開始!『ESG投資で激変!2030年会社員の未来』9月発売

 3年ぶりの新著発売!タイトルは『ESG投資で激変!2030年会社員の未来』です!日経BP社から9月1日発売です!予約も開始しています。(注:5日発売日、早ければ1日入荷と書いていたのを訂正)

表紙デザインコンテスト@SNS

 今回、印象の異なる2つの表紙デザイン案が作成され、編集部の提案もあり、SNSで投票を行いました。爽やかできりっとしたブルー系(左)と、暖かみのあるイラスト入りのオレンジ

もっとみる
すごいCFOたち

すごいCFOたち

こんにちは。CFO(チーフ・ファイナンシャル・オフィサー)の役割って何でしょうか?
一橋大の特任教授の伊藤先生は、日本企業の多くのCFOは「スーパー経理部長」だと言います。どういう意味かというと、過去の数字である決算書を作ってる経理の経験しかない人が多く、資本コストを踏まえたキャピタル・アロケーションなどの財務戦略的なことをやっていないからだそうです。

今まではそれで足りたのでしょうが、銀行によ

もっとみる
市場混乱期こそ確かめよう~IRの心得と原点(Sessaウエビナー抜粋)

市場混乱期こそ確かめよう~IRの心得と原点(Sessaウエビナー抜粋)

 株式市場は、いま、非常に不安定です。一時期のパニックからは少々落ち着いてはいるものの、引き続き不透明です。こんなとき、企業は、そしてIRはどうしたらいいでしょうか?
 4月8日のSessaパートナーズのウエビナーで話した内容を一部公開します。

1.市場の3つの混乱要因 いま、市場を混乱させている要因は、上記の三つです。①地政学リスク ②金利上昇・物価上昇・円安 ③バリュエーションの修正です。こ

もっとみる
トラのように働いてみよう

トラのように働いてみよう

 新年あけましておめでとうございます。今年は寅年です。寅にちなんで昨年読んだ本を一冊紹介したいと思います。
 書籍名は『「組織のネコ」という働き方 「組織のイヌ」に違和感がある人のための、成果を出し続けるヒント』です。著者は楽天大学学長の仲山進也さんです。(なのでリンクは楽天ブックスです)

ネコとトラの要素しかなかった

 本の表紙に掲載されている図(下)を見ると、パフォーマンスが高い/ふつうと

もっとみる
東証の「対処すべき課題」

東証の「対処すべき課題」

 東証のえらい人からお声がかかり、「東証の『対処すべき課題』や期待のメッセージを書いてくれませんか?」とご依頼がありました。
 来春に予定している市場区分変更でもよいし、テーマは何でも良いとのことでした。プライム市場とスタンダード市場については、他に書く人は大勢いると思ったので、グロース市場にターゲットを絞り、こんなメッセージを寄せてみました。よろしければご覧ください!

日本取引所グループの統

もっとみる
聴くのはむずいよ ~『LISTEN』『他者と働く』を読んで

聴くのはむずいよ ~『LISTEN』『他者と働く』を読んで

 現代人の悩みの大半って人間関係ですよね。企業内の問題も突き詰めると社内コミュニケーションだったりする。ということで売れているらしいこの2冊を読んでみました。

1冊目『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』あなたは人の話を聴いていない

 原題は ”You’re not listening.” そう、聴けていない自分を自覚して読み始めました。たとえば、”「次に何を言おう」と考えてい

もっとみる
プライム市場に行く意味(続き)

プライム市場に行く意味(続き)

 さて、前回(上記)はプライム市場に行く意味は①流動性(一日あたり売買高)と②多様な投資家へのアクセスだと書きました。その中で出ていそうな疑問について書いていきます。

1.高い売買高の主因~TOPIXはどうなる?
TOPIXは東証1部上場の全企業を対象とし、各銘柄の浮動株数に基づく時価総額を用いて算出します。このTOPIXに連動する運用額が巨大なので、TOPIXに入らない二部や新興市場の企業は

もっとみる
プライム市場に行く意味は2つあります

プライム市場に行く意味は2つあります

 上場企業にお勤めの皆さん、7月に東証から市場区分選択に関するお知らせが来ましたね。現在東証一部に上場している企業がプライムに「残れる」かどうかが、話題になっています。ですが、プライム市場を選択する意味、ちゃんと考えていますか?ステータスのことしか考えていないのであれば、それはちょっと残念です。
 東証は、今回の市場区分変更にあたり、今の一部・二部のように上下の階層を作るのではなく、プライム・スタ

もっとみる
マザーズから東証一部(プライム)に、スッと上がれる会社、時間がかかる会社

マザーズから東証一部(プライム)に、スッと上がれる会社、時間がかかる会社

 日本の株式市場では、毎年約100社が新たに上場し、その大半が東証マザーズです。上場直後は、株価も跳ね上がりメディアの注目も高いですが、その後2年も経つと株価も注目も停滞してしまうことがあります。一方で着実に市場からの評価を高め、東証一部への指定替えが早期に行われる会社もあります。その差はなんでしょう。
 市場区分変更を踏まえ基準が厳しくなった今でも通じる点を考察します。

① 業績向上 ひとつは

もっとみる