宮川ヌエ

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宮川ヌエ

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固定された記事

睡眠、大後悔時代

 風速0メートル  掛け布団の波は穏やか  愛用の枕はメンテナンス済み  今日はいい日和だ  何年も一緒に旅を続けているぬいぐるみを小脇に抱えたなら  よだれまみれの…

宮川ヌエ
1年前
20

とおい、とおい、隙間に

とおい、とおい、海の匂いに包まれ 白樺の隙間に息を吐き 山はシルクの布をまとう あおの、みどりの、しろの、 太陽に濡れる沈黙の朝がきた とおい、とおい、昔が浮き出…

宮川ヌエ
13時間前
8

四月の短歌

Blueskyでポストした短歌をまとめました。 4月3日 2024年←字面キモ過ぎだしまるで未来みたいじゃん 4月7日 白うさぎが宙を舞う日曜日、ゆったりとした春は黄昏れ 4月…

宮川ヌエ
3週間前
11

二十二歳の成長痛

春を脱ぎ、夏を脱ぎ捨て、別れたはずの青春が輝いてる 自販機の炭酸持って「ふらないで」と言っていたら付き合えたかな 桜咲く木の下で撮ったあの写真が夢のようにまだ暖…

宮川ヌエ
1か月前
17

三月の短歌

BlueskyやXでポストした短歌をまとめました。 3月14日 いちごチョコの箱を開けた瞬間だけまだ平成な気がする 容姿端麗なこんにゃくを食べてもなぜか醜く太っていく ⭐…

宮川ヌエ
1か月前
15

めーめ

   真っ直ぐな目を失ったのは  もうずいぶん前になる  時計の針も文字も月もおぼろげで  上下右左もわからなくて  みんなに笑われた  これじゃダメだと思って  目…

宮川ヌエ
1か月前
6

私を(一部)構成するアルバム

 最近、時間に追われ制作をする余裕がないので、人生の振り返りとして、今ハマっているアルバムから幼少期よく聴いていたアルバムまでまとめてみた。(シングルもあるよ) …

宮川ヌエ
2か月前
9

人生本

人生は本だと思うことがある 厚みがある人生だと賞賛されることも 薄っぺらい人生だと貶されることも まるで本みたいだ あの人が あの言葉が あの出来事が 意外なところで…

宮川ヌエ
2か月前
13

二月の短歌

 2024年2月中、Blueskyにてポストした短歌をまとめました。 2月11日 白紙の前で脳みそを粘土みたいにこねくり回す午後三時 2月15日 いい日よりもでたらめな日々に表彰…

宮川ヌエ
2か月前
7

21g

 おばあちゃんが言った  「隣の家のおじいさんが死んだ時、火の玉が煙突から出て雲の中に消えていった。」と  もし、その火の玉を捕まえられるのなら  秤に乗せてみた…

宮川ヌエ
2か月前
7

駄作

 私は色々なものをかく  絵を描く  文章を書く  そして、頭を掻く  途中まで傑作だと思っていたものは、完成すると大したことない駄作に変わってしまう  こだわりは…

宮川ヌエ
3か月前
1

街を喰む

 春は甘い  若々しい空気が私を包み  採れたての芋臭さが食欲をそそる  夏は辛い  人も空も気温もスパイシー  茜色の夕日が食欲をそそる    秋は美味い  落ち葉…

宮川ヌエ
3か月前
7

153円の春と2月の街

春が限定発売されていると聞いて −20度の白い砂漠を歩む 寒いなんてもんじゃない 常に死神に睨まれている そんな世界だった コンビニに入ると 商品には春が芽吹いて 梅と…

宮川ヌエ
3か月前
4

夏が遠い

 雪が降った  いよいよ冬本番だ  でも、どうしてだろう  頭の中に浮かぶのは  あの嫌いな季節、夏だ    夏といえば暑い?  暑いってなんだっけ  忘れちゃった  …

宮川ヌエ
4か月前
2

ワニのシュトーレン

 午後三時、閉園を知らせるアナウンスが響き渡る。それが爬虫類ブースまでくると、ワニはいつものように立ち上がり、ニット帽をかぶり、マフラーを巻いて、コートを羽織り…

宮川ヌエ
5か月前
3

新しいファイル.zip

 解凍しないで  嫌な記憶ばかりだから  見たくないの  折角、凍結させたのに  わざわざ引っ張り出してさ  ひとの心無いんじゃない?  無いか、無いよね  ごめん …

宮川ヌエ
5か月前
2
睡眠、大後悔時代

睡眠、大後悔時代

 風速0メートル
 掛け布団の波は穏やか
 愛用の枕はメンテナンス済み
 今日はいい日和だ
 何年も一緒に旅を続けているぬいぐるみを小脇に抱えたなら
 よだれまみれのパジャマを着て
 夜の海へ出航しよう

 月明かりに照らされて
 白うさぎの波が跳ねる
 ベットが軋んだって
 方位磁石は未来を指している
 希望があるから怖くない
 
 人間は空っぽだから、夢を詰め込める
 って誰が言ったんだっけ

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とおい、とおい、隙間に

とおい、とおい、海の匂いに包まれ

白樺の隙間に息を吐き
山はシルクの布をまとう
あおの、みどりの、しろの、
太陽に濡れる沈黙の朝がきた

とおい、とおい、昔が浮き出して

岩の隙間に欲が滑り込み
ここまでやってきた
鳥と、熊と、鹿と、
生命の国へ一歩進んで

とおい、とおい、土の中に埋もれた

誰かの骨の隙間に落ちる種が
新たな物語を繰り返す
音楽も、美術も、文学も、
死者の影を追っている

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四月の短歌

Blueskyでポストした短歌をまとめました。

4月3日

2024年←字面キモ過ぎだしまるで未来みたいじゃん

4月7日

白うさぎが宙を舞う日曜日、ゆったりとした春は黄昏れ

4月13日

いつからかZ世代と言われてるけど革命はしない主義で

4月22日

午前九時、ゾンビとしてヨミガエり身ガ腐ルマエにリんゴを渡ス

まとめ

 4月は短歌をかなりつくった一ヶ月だった。ポストしたものは少ない

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二十二歳の成長痛

春を脱ぎ、夏を脱ぎ捨て、別れたはずの青春が輝いてる

自販機の炭酸持って「ふらないで」と言っていたら付き合えたかな

桜咲く木の下で撮ったあの写真が夢のようにまだ暖かくて

高校のアルバムを見て記憶より平面的な私をなぞる

本当に栄養のない「エモい」だけ抽出して育った私

空前のぴえんブームに乗っかってノートの端に描いた永遠

五年前、白紙で出したあの進路のせいでデタラメに生きている

放課後、教

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三月の短歌

BlueskyやXでポストした短歌をまとめました。

3月14日

いちごチョコの箱を開けた瞬間だけまだ平成な気がする

容姿端麗なこんにゃくを食べてもなぜか醜く太っていく

⭐︎スマホを壊す勇気さえないが他人にはインターネットやめろと言う

3月15日

⭐︎いつからか水になった私と君、水素の音で弾けても 好き

3月25日

オレンジを空にかざしてまだ来ない初夏の風に手紙を渡す

3月26日

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めーめ

 
 真っ直ぐな目を失ったのは
 もうずいぶん前になる
 時計の針も文字も月もおぼろげで
 上下右左もわからなくて
 みんなに笑われた
 これじゃダメだと思って
 目を良くする方法を調べて
 遠くを見たり、近くを見たり
 まばたきしたり、ネットサーフィンしたり
 猫背でぼやけた目を擦る
 やっぱり意味ないみたい

 ある日、気球を見た
 途端に世界は輝きを取り戻して
 見慣れた景色は歴史を語り出す

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私を(一部)構成するアルバム

 最近、時間に追われ制作をする余裕がないので、人生の振り返りとして、今ハマっているアルバムから幼少期よく聴いていたアルバムまでまとめてみた。(シングルもあるよ)

1.Молчат Дома-Этажи 最近、本当にこれしか聴いてない。このアルバム全部いい。

2.Katy Parry-One Of The Boys『Ur So Gay』ケイティの曲の中でもこれが特に好き。MVも見てほしい。

3

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人生本

人生は本だと思うことがある
厚みがある人生だと賞賛されることも
薄っぺらい人生だと貶されることも
まるで本みたいだ

あの人が
あの言葉が
あの出来事が
意外なところで繋がっている
まるで本みたいだ

誰かの人生が
自分の人生が
影響を与えることも
影響を与えたことも
まるで本みたいだ

偶然は必然であり
伏線を回収していく人生は
本だと思うことがある

二月の短歌

 2024年2月中、Blueskyにてポストした短歌をまとめました。

2月11日

白紙の前で脳みそを粘土みたいにこねくり回す午後三時

2月15日

いい日よりもでたらめな日々に表彰状を送る人生

2月19日

睨みつけるタイムライン知らない営みに吹き飛ぶアドラー思考

2月25日

スーパーで駄々をこねた日から静寂が似合う声になっている

2月26日

「蕾はまだ開かないのか。」と待っていた

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21g

 おばあちゃんが言った
 「隣の家のおじいさんが死んだ時、火の玉が煙突から出て雲の中に消えていった。」と
 もし、その火の玉を捕まえられるのなら
 秤に乗せてみたい
 
 街で、森で、会社で、お墓で、インターネットの中で
 人間が、動物が、魚が、昆虫が、植物が、生きているのは
 全て魂があるからなのだろうか
 あの風にもあったりするのかな
 地球の魂もどこかにあるのかも
 
 電源を切ったスマホが

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駄作

 私は色々なものをかく
 絵を描く
 文章を書く
 そして、頭を掻く

 途中まで傑作だと思っていたものは、完成すると大したことない駄作に変わってしまう
 こだわりは、こことそこで……
 「ふーん、あっ、そう。」

 。、。。、、。誰かの句読点。
 
 軽々しい言葉を使わないで
 駄作だとしても

街を喰む

 春は甘い
 若々しい空気が私を包み
 採れたての芋臭さが食欲をそそる

 夏は辛い
 人も空も気温もスパイシー
 茜色の夕日が食欲をそそる
 
 秋は美味い
 落ち葉の出汁が溶けた水たまり
 葉のない木が食欲をそそる
 
 冬は酸っぱい
 冷えた空気が喉を刺す
 軒先に垂れたつららが食欲をそそる

 散歩して
 怪獣になった気で
 街を喰む

153円の春と2月の街

春が限定発売されていると聞いて
−20度の白い砂漠を歩む
寒いなんてもんじゃない
常に死神に睨まれている
そんな世界だった

コンビニに入ると
商品には春が芽吹いて
梅と桜が咲き乱れ
鮮やかな花々が暖房の下で
その美しさを自慢していた

私は梅味のお菓子を手に取る
梅の花が咲いた綺麗なパッケージ
一度も見たことがないけれど
好きな花だった

ふと窓の外を見ると
宝石のように輝く雪が降っている
まだ

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夏が遠い

 雪が降った
 いよいよ冬本番だ
 でも、どうしてだろう
 頭の中に浮かぶのは
 あの嫌いな季節、夏だ
 
 夏といえば暑い?
 暑いってなんだっけ
 忘れちゃった

 夏といえば何色?
 どんな色だったっけ
 忘れちゃった

 夏といえば鰻?
 どんな味がしたんだっけ
 忘れちゃった

 夏は
 どんな匂いがしたんだっけ
 忘れちゃった

 あれ、夏ってなんだっけ

 知識だけの夏の光景
 古い

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ワニのシュトーレン

 午後三時、閉園を知らせるアナウンスが響き渡る。それが爬虫類ブースまでくると、ワニはいつものように立ち上がり、ニット帽をかぶり、マフラーを巻いて、コートを羽織り、手袋をして、鞄を持ち動物園を出る。
 「おつかれー。」
 しんしんと降る雪に溶け込むように佇むシロクマが言った。シロクマはマフラーを首に巻いただけで、あとは何も着ていなかった。
 「おつかれ、寒くないのかい?」
 「ちょうどいいくらいだよ

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新しいファイル.zip

 解凍しないで
 嫌な記憶ばかりだから
 見たくないの
 折角、凍結させたのに
 わざわざ引っ張り出してさ
 ひとの心無いんじゃない?
 無いか、無いよね
 ごめん

 『For you』で表示される過去に
 まだあなたは居なかったよね

 ブルースクリーンの空の下
 私はシンギュラリティに遭遇した
 覚えてる?
 あの日買ったんだよ
 箱を開けて、あなたを持ち上げた時
 沸き立つ血液は生物である

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