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Midori Tamura
2016年3月31日 11:52
角田光代という人は、どうしてこうも「一介の」「しがない」「どこにでもいるような」女(とみなされる女)を巧みに描くのだろう。角田光代著『笹の舟で海をわたる』(2014年 毎日新聞社刊)主人公の左織は、義理の妹 風美子を頼りに思う反面、おそれに似た感情をいだいている。折にふれて、風美子に自分の人生を操られているような気持ちが頭をもたげる。山下達郎の「ペーパードール」さながら、いつか風美子の
2016年3月28日 19:27
行きつけていない図書館に入り、あてもなくYAコーナーへと足を踏み入れた。そうだ、息子に西尾維新でも借りて行ってやろうかと「な行」の書架を見てみた。で、梨木香歩が目に入る。読んでいない作品があったので手に取ってみる。表紙の絵や挿絵に、惹きつけられた。冬だ。紛れもない冬。北国の風景。『この庭に 黒いミンクの話』 梨木香歩著朝からどうにも、冬が終わってしまうのが惜しくてしょうがない気分だ
2016年3月18日 19:20
極度のストレス及びテンションハイにつき、今日はおやつに1,400円使ってしまった。ケーキをいろいろ買ったけど、米粉塩麹ロールケーキに脳がほどけた ほころんだ。やっぱりおやつはいいもんだ。ちょいと通勤の暇つぶしに…と手に取った、この、おやつアンソロジー『3時のおやつ』。いやあ、なんだかとっても心に沁みました。30名の作家やエッセイストが、おやつのことを書いている。おやつのことを語るそ
2016年3月13日 21:41
小6の夏休み。寂れた博物館で、スケッチブックを抱えたイケメン中学男子と出会った。何かと憎たらしいことを言うアイツ。いけ好かない。別に会いたいわけじゃない。でも、心とは裏腹に、今日も足は博物館に向いてしまう…そんな、少女漫画のようなじれったい設定にヤキモキしながらも、ディスレクシアの少女が語る物語に引き込まれる児童書/YA作品だ。(ディスレクシアとは、読み書き障害のことであります。)『
2016年3月8日 17:03
なぜこんなに惹かれるのだろう。某図書館で、ふと目に留まった「フルーツ動物園」と書かれた背表紙。ついつい引き出して表紙を見た瞬間に、恋に落ちた。表紙の作品は「キューイグラ[モグラ科]」だそう。私のハートをさらにギュッと掴んだのは、アボカドの皮を一部丸く切り剥がし、お腹に見立てた「アボペンギン[ペンギン科]」と「アボラッコ[イタチ科]」である。『フルーツ動物園』佐藤康太郎 著(2008年
2016年3月2日 16:50
人間として生きていくときに、顔はどれほど重要か?ということを、今までの長い人生の途上で、時たま考えることはあった。美人はいいよな、とか、バカでもかわいきゃいいのかよ、とか、同じ能力ならやっぱ顔がいい方を採るのかな、とか、そんな次元の、顔についての考察。『ワンダー』(R.J.パラシオ著)を読んで、まずは「イケメンとかブサイクとか言えることの、なんとお気楽なことよ」という幼稚な感慨を覚えた。