栁澤靖明

著書 学校財務がよくわかる本、学校事務職員の基礎知識、学校徴収金は絶対に減らせます。、…

栁澤靖明

著書 学校財務がよくわかる本、学校事務職員の基礎知識、学校徴収金は絶対に減らせます。、隠れ教育費、本当の学校事務の話をしよう他 ■http://amazon.co.jp/-/e/B07XLT8VD6 --- □http://researchmap.jp/yanagisawa.y/

記事一覧

ちょっと長めの図書紹介㉑

本書のキャッチコピーは、 「いじめの『わからない』を突き止める!」 一見すると 「わからない」(?)  なにが、わからない……? ──ようにも思えてくるコピーである…

栁澤靖明
1か月前
6

ちょっと長めの図書紹介⑳

「膨大なフィードバックをもとに、  〈教育格差〉と現代教育の諸側面との  関わりを解説した、  現場のための教育社会学テキスト」 ──出版社ウェブサイトより引用 さ…

栁澤靖明
1か月前
7

ちょっと長めの図書紹介⑲

Dog-ear(ドッグ-イア)30ヵ所── 約300ページの本で30回も端を折り曲げた。 読書のしかたはいろいろある。 〈ただ読む〉を含めて、 ノートにメモをとるひと、 本に書き…

栁澤靖明
4か月前
14

ちょっと長めの図書紹介⑱

「ゆっくりでいいんだよ」──。 お言葉に甘えていたら 発売日から1年以上も経過してしまった。 書斎の積読スペースに手を伸ばすと 「ゆっくりでいいんだよ」 「あせらなく…

栁澤靖明
5か月前
7

ちょっと長めの図書紹介⑰

2023年7月19日(水)── 第169回(同年上半期)の芥川賞が 市川沙央『ハンチバック』に授与された。 その記者会見で市川氏は、 「読みたい本を読めないのは、  かなり権…

栁澤靖明
9か月前
7

ちょっと長めの図書紹介⑯

めがね旦那さまとの出会いはTwitter── あ、いまでは「X」か。 もちろん一方的な出会いである。 当時の固定ツイート、 「X」では固定……なんていうんだろう? そんなこと…

栁澤靖明
9か月前
8

ちょっと長めの図書紹介⑮

増田真由美さま 第20回学事出版「教育文化賞優秀賞」受賞 おめでとうございます。 受賞論文 「子どもの学びを広げる事業  マネジメントモデルの構築」(pp.10-26) その…

栁澤靖明
9か月前
7

ちょっと長めの図書紹介⑭

本書の著者は、 「学校づくりのヒント」(スマートスクール) ──子どもたちとの “あったかい”関係のつくり方──を連載中 わたしも ──ヤナギサワ事務主査と考える 学…

栁澤靖明
10か月前
8

ちょっと長めの図書紹介⑬

#臨時的任用 #非常勤 #会計年度任用 #再任用 #任期付採用 #期限付任用 ──どれも いま存在する教員の任用形態である。 「教員不足」その「クライシス」とは、 たんに教員…

栁澤靖明
11か月前
7

ちょっと長めの図書紹介⑫

「ウェルビーイング追求時代における  教師の仕事」──という サブタイトルを新たに付加し、 生まれ変わった四訂版である。 教育制度や経営を中心に扱った 教職課程(教…

栁澤靖明
1年前
7

ちょっと長めの図書紹介⑪

「片づけの学校」──のように 片づけを学ぶ本はそれなりにあるが、 「学校の片づけ」を学ぶ本は多くない。 検索してみたところ ヒットしたのは本書のほかに、 「職員室」…

栁澤靖明
1年前
7

ちょっと長めの図書紹介⑩

2022(令和04)年12月、 「生徒指導提要」が改訂された。 12年ぶり──ということも話題を集めたが、 それに加えて 「デジタルテキスト」という形式も 新鮮である。 全面改…

栁澤靖明
1年前
7

ちょっと長めの図書紹介⑨

15年前の2007(平成19)年、 長男が誕生し、わたしは育児休業を取得した。 それから4年後、次男のときも同様に── 当時は、男性の育児休業取得率が 1%にも満たない時代…

栁澤靖明
1年前
9

ちょっと長めの図書紹介⑧

わたしは「不登校」とは 無縁といえる子ども時代を過ごした。 皆勤賞にも何度か該当し、表彰された。 学校が好きだったわけではないが、 特に嫌いだったというわけでもなく…

栁澤靖明
1年前
11

ちょっと長めの図書紹介⑦

表紙をめくり数ページ開くと 「坂本秀夫」が目に飛び込んできた(p.ⅵ)。 校則研究といえば、 名著『「校則」の研究』(1986年)が浮かぶ。 また、それと合わせて、 個人…

栁澤靖明
1年前
6

ちょっと長めの図書紹介⑥

──2001(平成13)年6月事件は起きた。 附属池田小で発生した無差別殺傷事件である。 事件の概要は説明不要だろう。 この事件をきっかけに、 学校安全に求められる「レベ…

栁澤靖明
1年前
8
ちょっと長めの図書紹介㉑

ちょっと長めの図書紹介㉑

本書のキャッチコピーは、
「いじめの『わからない』を突き止める!」
一見すると
「わからない」(?)
 なにが、わからない……?
──ようにも思えてくるコピーである。

教育現場の内で働いているひとなら
その意味もなんとなく理解できると思うが、
保護者や地域住民など
外から教育現場を
みているようなひとたちには
このコピーがどのように映るだろうか。
一般的にいう「いじめ」という言葉
それが示す意味

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ちょっと長めの図書紹介⑳

ちょっと長めの図書紹介⑳

「膨大なフィードバックをもとに、
 〈教育格差〉と現代教育の諸側面との
 関わりを解説した、
 現場のための教育社会学テキスト」
──出版社ウェブサイトより引用

さて、
本書について何を語ればよいか……
悩むこともない
それは至極当然に「はじめに」であろう。

「格差に焦点を置く教科書」(p.ⅱ)
その価値はもちろん第1章以下にある。
しかし、
全15章で構成された本文はもちろん、
コラムとして

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ちょっと長めの図書紹介⑲

ちょっと長めの図書紹介⑲

Dog-ear(ドッグ-イア)30ヵ所──
約300ページの本で30回も端を折り曲げた。

読書のしかたはいろいろある。
〈ただ読む〉を含めて、
ノートにメモをとるひと、
本に書き込みを入れたり、線を引いたりする。
付箋を貼るひともいるだろう。
わたしもいろいろな方法を試し、
落ち着いたのが〈ドッグ-イア〉である。

付箋だと
キレイに貼りたくなったり、
作業が多かったりする(トル-ハガス-ハル)

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ちょっと長めの図書紹介⑱

ちょっと長めの図書紹介⑱

「ゆっくりでいいんだよ」──。
お言葉に甘えていたら
発売日から1年以上も経過してしまった。
書斎の積読スペースに手を伸ばすと
「ゆっくりでいいんだよ」
「あせらなくていいんだよ」──と
言われているようで、
甘えっぱなしの日々、いや月々であった。
……そんな反省の意味も込めて
レビューしてみる。

本書のテーマは、
不登校と子どもの権利で貫徹されている。
理論本ではなく実践本であることから
体験

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ちょっと長めの図書紹介⑰

ちょっと長めの図書紹介⑰

2023年7月19日(水)──
第169回(同年上半期)の芥川賞が
市川沙央『ハンチバック』に授与された。

その記者会見で市川氏は、
「読みたい本を読めないのは、
 かなり権利侵害だと思います。
 障害者対応をもっと真剣に早く
 進めていただきたいと思います」と、
読書バリアフリーへの環境整備を訴えた。
https://hochi.news/articles/20230720-OHT1T511

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ちょっと長めの図書紹介⑯

ちょっと長めの図書紹介⑯

めがね旦那さまとの出会いはTwitter──
あ、いまでは「X」か。
もちろん一方的な出会いである。
当時の固定ツイート、
「X」では固定……なんていうんだろう?
そんなことはどうでもいい。

「学校の本質は工場」(2019年03月26日)
この文章を読んで動揺した──だが、
言い得て妙、とも思った記憶がある。

以下、当時のツイートを引用しよう。
(「X」ではツイート=ポストと呼ぶらしい)
──

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ちょっと長めの図書紹介⑮

ちょっと長めの図書紹介⑮

増田真由美さま
第20回学事出版「教育文化賞優秀賞」受賞
おめでとうございます。

受賞論文
「子どもの学びを広げる事業
 マネジメントモデルの構築」(pp.10-26)
その全文が本書には収録され、
それに加えて増田さまの貴重な実践
「財務マネジメントと
 地域協働による学校図書館
 リニューアルの実践」(pp.26-41)
も掲載されている(第1章)。

増田さまは、
公立小学校の事務職員であ

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ちょっと長めの図書紹介⑭

ちょっと長めの図書紹介⑭

本書の著者は、
「学校づくりのヒント」(スマートスクール)
──子どもたちとの
“あったかい”関係のつくり方──を連載中
わたしも
──ヤナギサワ事務主査と考える
学校とお金の話──を連載中の【スマ友】
https://www.smartschool.jp/contents/school-build-hint/index.php?sear

さらに著書も
『隠れ学級崩壊』と拙著『隠れ教育費』とい

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ちょっと長めの図書紹介⑬

ちょっと長めの図書紹介⑬

#臨時的任用 #非常勤 #会計年度任用 #再任用 #任期付採用 #期限付任用
──どれも
いま存在する教員の任用形態である。

「教員不足」その「クライシス」とは、
たんに教員が足りないという
〈危機〉だけではなく、
正規採用以外の教員が増えてきているという
〈危機〉も含まれている。
この現象には、
正規教員の代替(休業等)としての非正規と
政策(定数崩し等)による非正規化がある。
さらに、
非正

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ちょっと長めの図書紹介⑫

ちょっと長めの図書紹介⑫

「ウェルビーイング追求時代における
 教師の仕事」──という
サブタイトルを新たに付加し、
生まれ変わった四訂版である。

教育制度や経営を中心に扱った
教職課程(教育行政論)のテキストとして
2015(平成27)年に初版
2017(平成29)年に新訂版、
2020(令和02)年に三訂版と続き、
2023(令和05)年3月に四訂版が刊行された。

各章立ては、
教育基本法の条文と
リンクしているた

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ちょっと長めの図書紹介⑪

ちょっと長めの図書紹介⑪

「片づけの学校」──のように
片づけを学ぶ本はそれなりにあるが、
「学校の片づけ」を学ぶ本は多くない。
検索してみたところ
ヒットしたのは本書のほかに、
「職員室」と「保健室」の片づけ、
それに関係する本が1冊ずつだけだった。
(「お金の学校」本は多いが、
 「学校のお金」本は少ない現象と同様)

本書では
「片づけ」について
不要なモノを取り除き(整理)
乱れているモノを整え(整頓)
使うモノを

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ちょっと長めの図書紹介⑩

ちょっと長めの図書紹介⑩

2022(令和04)年12月、
「生徒指導提要」が改訂された。
12年ぶり──ということも話題を集めたが、
それに加えて
「デジタルテキスト」という形式も
新鮮である。
全面改訂から2ヵ月少々で
「第1.0.1 版」(2/23)がリリースされた。
今後もタイムリーな改訂が期待できるだろう。

本稿は、
「生徒指導提要」の紹介ではあるが、
「生徒指導提要」自体の紹介ではない。
学事出版から発刊された

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ちょっと長めの図書紹介⑨

ちょっと長めの図書紹介⑨

15年前の2007(平成19)年、
長男が誕生し、わたしは育児休業を取得した。
それから4年後、次男のときも同様に──

当時は、男性の育児休業取得率が
1%にも満たない時代であり、
休業の申請や代員の配置、引継ぎ手続きなど
「前代未聞」扱いを受けた厳しい時代だった。
現在、やっと取得率が二桁に届いた。
さらに、休暇・休業制度も大幅に改善され、
さまざまな環境に対応した取得が
可能となっている。

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ちょっと長めの図書紹介⑧

ちょっと長めの図書紹介⑧

わたしは「不登校」とは
無縁といえる子ども時代を過ごした。
皆勤賞にも何度か該当し、表彰された。
学校が好きだったわけではないが、
特に嫌いだったというわけでもなく、
ただ学校に行くことだけでも
それがひとつの価値だった時代を生きていた。

「大丈夫? 登校。」と疑うこともなかった。
別にそれはそれでもよかったし、
後悔することでも、もちろんない。
そんな子ども時代を過ごした人間による
『大丈夫!

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ちょっと長めの図書紹介⑦

ちょっと長めの図書紹介⑦

表紙をめくり数ページ開くと
「坂本秀夫」が目に飛び込んできた(p.ⅵ)。

校則研究といえば、
名著『「校則」の研究』(1986年)が浮かぶ。
また、それと合わせて、
個人的に懐かしい同氏の著書を思い出した。
『生徒会の話』(1994年)である。

2006年に中学校へ異動し、
当時から興味関心があった〈子どもの権利〉、
特に〈意見表面権〉の実現に関して
生徒会とのかかわりを楽しみにしていたのだ。

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ちょっと長めの図書紹介⑥

ちょっと長めの図書紹介⑥

──2001(平成13)年6月事件は起きた。
附属池田小で発生した無差別殺傷事件である。
事件の概要は説明不要だろう。
この事件をきっかけに、
学校安全に求められる「レベルのステージ」は
上がったと著者は考察している(p.02)

たしかに……当時の記憶をたどると、
「警察官立寄所」というような
プレートが学校に貼られたり、
「防犯ブザー」の携帯が騒がれたりした時期は
この頃からだったかもしれない

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