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短編小説 まとめ

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短編小説のまとめです。
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夜明けの色と香り #色のある風景

夜明けの色と香り #色のある風景

三羽烏さんの企画に参加させて頂きます

🌒🌔🌗
「はあ……疲れた…」

ズボンのポケットから電子煙草を取り出し口へと運ぶ。

息を吸うと電子煙草の味がして、少し不味いな〜なんて思いながら、深い紺色をした夜空に、夜空の紺色と電子煙草の白い息が混ざり合って灰色の煙に変わる。

俺は、都会の街の端っこで『深夜の喫茶店』を営業している。

営業時間は夜の8時から翌日の朝4時まで

祖母の家にあった沢

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永久欠番の恋 2390文字#青ブラ文学部

永久欠番の恋 2390文字#青ブラ文学部

女性は恋を上書きして、
男性はファイル別の保管をする。

よく、男女の恋愛においての記憶の仕方を、上の様に例える。

俺に限って言えば、その通りだな…なんて思う。

⚓⚓⚓
「はぁ〜、まだ先は長いな…」

俺はクルーズ船の船員をしている。

俺の乗るクルーズ船は半年で始発地から目的地へ行き帰ってくるクルーズ船で、その半年は休みなく働き、残りの半年は、ほぼ休暇になる。

だから、まあ、大変だけど、楽

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ただ、扉が開くのを待っている1185文字#青ブラ文学部

ただ、扉が開くのを待っている1185文字#青ブラ文学部

僕は、いつも待っている。
静かに……
そっと……
ずっと………。

◈◈◈
彼女の邪魔にはなりたくない。

それに、彼女の事を一人で思う時間も嫌いではない自分が居る。
けれど、いつも待ってばかり居る僕の姿は、友人である政時(まさとき)の目に少し余るようだ。

「いつまでこんな半端な関係でいるつもりだ?」

「中途半端って?……彼女との関係の事?」

「他に何があるってんだよ!」

「…………ないね

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ポップに!彼女の願い#青ブラ文学部

ポップに!彼女の願い#青ブラ文学部

彼女はよく食べる。
本当によく食べる。

バクバク、パクパク、ゴックン。

見ているこちらがお腹いっぱいになったり、清々しく思う食べっぷり。

……けれど、彼女のスタイルは、そんな大食いとは比例しない程のスタイルだ。

痩せの大食いさん、とか、そういう話ではなく、本当に細いのだ。

今にも倒れてしまいそだが、当の本人はなんのその。

食べたいだけ食べて、飲みたいだけ飲む。『これが、私のすることなの

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可か不可かでもない、ただの言葉 #青ブラ文学部

可か不可かでもない、ただの言葉 #青ブラ文学部

今から大雨が降ってくれないだろうか。

今から大雨が降れば、試合は一旦中止か、中止になって、やり直しになる。

やり直しになるって言っても、試合は継続されているから、スコアは今日の今のままのスコアで、試合が再開される訳だけれど……。

それでも、雨を願わずにはいられなかった。

………けれど結局、祈りの雨は届かなくて、空はピーカン…。

ピンチだ。

非常にピンチだ。

ノーアウト、ランナー1、3

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引き寄せろ、流れ!742文字 #シロクマ文芸部

引き寄せろ、流れ!742文字 #シロクマ文芸部

変わる時は、一瞬だ。

今までこちらに吹いていた向かい風が、ある一つのプレーによって追い風に変わったり、今まで吹いていた追い風が、相手の好プレーで一気に向かい風に変わったり…。

流れ、という目に見えないものでありながら、確かに存在し、その後の勝敗を左右する…。

俺達は、そんな流れを掴もうともがき、
流れを流さないように抗う。

肌で感じる流れだから、囚われ、従順になる。

⚾⚾⚾
「流れ変わっ

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手放した恋心 1307文字#青ブラ文学部

手放した恋心 1307文字#青ブラ文学部

桜を撮った写真を現像して、何年も部屋に飾っておいていた。

そしたら太陽の光で写真は日焼けをし、綺麗で鮮やかなピンク色をしていた桜の写真は、『セピア色の桜』になった。

私は、その写真を飾ってあった写真立てを手に取り、スーッと表面を撫でる。

「………もう、そんなに経ったの……」

私が手に持っている写真立ての中のセピア色の桜には、ある人が写っている。

私の初恋で、初めての失恋した人。

この写

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一陣の風、声なき涙1027文字 青ブラ文学部

一陣の風、声なき涙1027文字 青ブラ文学部

一陣の風のように、やるせなさは襲ってくる……。

合戦で傷付き、この合戦場で人生を終えた、名もなき人々の墓標の傍で……。

◈◈◈
ザラッ、カシャン、ザラッ、ザラッ、

服も顔も汚れきってボロボロな姿になった。切られた所から流れた血も、返り血も、血というもの全てがない混ぜになっている。

合戦が終わり、静かになったこの場所で、俺は自らの手を使い、ここで命を終えた人の墓標を作っている。

「……春政

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始まりの言葉1370文字#シロクマ文芸部

始まりの言葉1370文字#シロクマ文芸部

始まりは、君だった。

⚾⚾⚾
「灰崎(はいざき)〜!ランニング終わったか〜?」

野球部キャプテンの大貴(だいき)が尋ねる。

「うん。終わった〜」

「俺、監督に呼ばれてるからさ、先に少し休憩して、その後バッティング練習に混ぜてもらってて〜!!」

「わかった」

俺は灰崎拓海(はいざき たくみ)
この高校の野球部で、投手をしている。
元々は野球部がなかったからこの高校を選んだものの、入学した

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あの日、触れた手のひら#青ブラ文学部

あの日、触れた手のひら#青ブラ文学部

『手のひらの恋』というほど大袈裟なものではないけれど、俺はバッテリーを組んでいる灰崎(はいざき)の手に始めて触れた時の事を、今でもたまに思い出す。

◈◈◈
「大ー!灰崎がマウンドで待ってんぞー!」

「はーいっ!すぐ行く!」

俺は大崎大貴(おおさき だいき)高校の部活では、野球部に所属している。
ここの野球部は俺達の代から復部された野球で今は2年目。
ポジションはキャッチャーで一年生の頃から主

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記憶に残るは香りだけ#青ブラ文学部

記憶に残るは香りだけ#青ブラ文学部

誰も知らない。
暗々裏に、今も昔も出来ている。

最後はきっと呆気なくて、破滅が待っている事はわかっているけれど、やめられないし別れられない。

不倫している訳じゃない。
だけど、両想いでもない。

私はただ、彼の好きな人が彼に振り向いてくれるまでの繋(つなぎ)で、私と彼の間に恋愛関係なんてない。

『好き』っていう感情は、彼には全くない。…………私には、あるけれど………。

私と彼は、高校の同級

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我が儘わたし。395文字

我が儘わたし。395文字

脳裏に焼き付いて離れないから

私にはきっと貴方は大切でかけがえのない人だったんだと思う。

でも、そんな私が別れを切り出したんだから、その時の私は、貴方は私にとって必要ない人と認識したんだと思う。

だから、貴方と別れた。

❧❧❧❧❧❧❧❧❧❧❧❧❧❧❧❧❧❧❧❧❧

彼は可愛い人だったと思う。どう可愛かったの?って聞かれると困ってしまうけれど、私にはとても可愛い人だった。

けれど、そんな彼

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片思いの上司 (恋愛短編)

片思いの上司 (恋愛短編)

胸の鼓動を感じる。トキメいている。
……こんな風に男が思うのは可笑しい事なのだろうか?
でも、俺はトキメいている。

会社の上司でもある女性に。

「榊原ー、会議で使う資料出来た?」

「は、はいっ!出来ました!」

「それじゃあ、会議室行くよっ」

俺の名前は榊原 充(さかきばら みつる)上司の名前は田中 美麗(たなか みれい)さん。
俺は、美麗さんに恋をしている。

__________✤✤✤

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さよなら、最低。(短編小説)520文字

さよなら、最低。(短編小説)520文字

子供のように泣けたら、私はきっと狡い女になるような気がする。
そんな女に、私はまだなりたくない。
なりたくないから、私は本音を押し殺し、彼に別れを告げたのだ。

彼に別れを告げ私は、抜け殻になったように帰宅した。部屋着になることなく私はソファに座り、横になる。

「はーあ、辛い日だなー今日………」

テレビもつけず静寂が響く部屋の中で、私の声だけが響いている。私の別れを告げた彼氏は、私には勿体無い

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