きせなつき

東京下町のありふれた一軒家、てあての間。「ゆるみ×創造」。 noteには日々の徒然なる…

きせなつき

東京下町のありふれた一軒家、てあての間。「ゆるみ×創造」。 noteには日々の徒然なる日記や、人との触れ合いに関する一考察と妄想を綴ってみることにする・・・かもしれない。

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「お手当て」「腸もみ」2講座開講のお知らせ

【 暮らしに活きる お手当て講座9期 】 【 腸もみセラピー講座 ver.2023 】 2講座随時開講のお知らせです 初めまして。お久しぶりです。”てあての間” の吉瀬です。 …

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自分の言葉に、深呼吸。

午前中お客さんを迎えている間、夫がずっと草むしりをしてくれていた。 春先に、可愛らしいお花を沢山咲かせてくれていた雑草たち。 ニョキニョキ伸びた草がぼーぼーに…

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妄想癖③×料理 ~摂食障害の私が食を愛し食に愛されたくて~

少々風変りな「料理本」作りを目指してみるのもいいのかもしれないナ。 なんて思っちゃうくらいには、 わたしは「食」に愛されたくて、だから愛そうと格闘してきて、 結果…

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妄想癖② × 下町商店街

『おい、それが欲しいヤツか?』   という声が真後ろから聞えて、つい、そろりと首をねじった。 いや、あんまり声がよかったもんだから、ドキッとして、つい。 あぁ、こ…

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妄想癖① × 料理

~ブリ照りは愛~   鰤の切り身を湯通しする。 と、 その立派な魚のイノチの、ほんの一欠けらに潜む細胞たちの姿が、 一変する瞬間を目の当たりにする。 少しだけ、でも確…

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見つけてもらいたい。赦されたい。

『(この苦しみは誰にも)分らないですよ。』 『そんな簡単に治されてたまるかと思います。』   長い長い闘病生活。 その”戦い”は、その人を支えその人生を創ってきた「…

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生と死と病を通じて

「それで、きみの病気はもう治ったのか?」 「この病気は一生続くのか。」 「実は再発したんだ。」 「明日起きたら、なにもかもが、治っていたらいいのになぁ。」 「一生治…

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「お手当て」「腸もみ」2講座開講のお知らせ

「お手当て」「腸もみ」2講座開講のお知らせ

【 暮らしに活きる お手当て講座9期 】
【 腸もみセラピー講座 ver.2023 】
2講座随時開講のお知らせです

初めまして。お久しぶりです。”てあての間” の吉瀬です。
てあての間とは整体サロンの屋号でしたが、現在ここのお仕事は講座での育成とカウンセリングセッションのみで、個別の施術提供は行っておりません。
かつて師の整体塾でプロ整体師育成に携わるうちに、手を当ててゆくことへ自分なり

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自分の言葉に、深呼吸。

自分の言葉に、深呼吸。



午前中お客さんを迎えている間、夫がずっと草むしりをしてくれていた。

春先に、可愛らしいお花を沢山咲かせてくれていた雑草たち。
ニョキニョキ伸びた草がぼーぼーになっちゃって、
それらがみんな引っこ抜かれてしまったもんだから、
残されたフクロウがずいぶんと驚いている。
 
あちこちに、
タンポポの綿毛みたいなのが飛んでいる。
タンポポじゃない綿毛みたいなのも飛んでいる。
いろんな種が飛び交ってる

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妄想癖③×料理 ~摂食障害の私が食を愛し食に愛されたくて~

妄想癖③×料理 ~摂食障害の私が食を愛し食に愛されたくて~

少々風変りな「料理本」作りを目指してみるのもいいのかもしれないナ。
なんて思っちゃうくらいには、
わたしは「食」に愛されたくて、だから愛そうと格闘してきて、
結果、いくつもの文章が残っていったのだった。

【雷こんにゃくの遊び方】
 
「雷蒟蒻」が好きだ。
 
まずひとつめに、
包丁でコンニャクの表面へ、
斜め格子の切れ目を入れるのが好きだ。

味を染み込ませる仕組みをつくる。 
注意しないと、う

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妄想癖② × 下町商店街

妄想癖② × 下町商店街

『おい、それが欲しいヤツか?』
 
という声が真後ろから聞えて、つい、そろりと首をねじった。
いや、あんまり声がよかったもんだから、ドキッとして、つい。

あぁ、これは、
近所の商店街の小さな本屋での、ちょっとした出来事 ――――――

 
―――― チラリと見ると、やたらと大柄の金髪青年が立っていた。
恐らくハタチそこらだろう。
その横に、キノコ頭の男の子がちょこんといた。
食べてしまいたいくら

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妄想癖① × 料理

妄想癖① × 料理

~ブリ照りは愛~
 
鰤の切り身を湯通しする。
と、
その立派な魚のイノチの、ほんの一欠けらに潜む細胞たちの姿が、
一変する瞬間を目の当たりにする。
少しだけ、でも確かにその輪郭をぎゅむりと縮ませながら、
血の気が引くみたいに一気に白くなる。
 
あぁそうだ、
青菜を湯がくときを思い出してほしい。
あれにはまるでイノチが吹き返されたように、
緑がパァッと煌めく瞬間がある。
 
鰤の場合は、しかし、

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見つけてもらいたい。赦されたい。

見つけてもらいたい。赦されたい。

『(この苦しみは誰にも)分らないですよ。』
『そんな簡単に治されてたまるかと思います。』
 
長い長い闘病生活。
その”戦い”は、その人を支えその人生を創ってきた「誇り」と言えるのだろう。
 
少し硬い表情の奥、こちらへ向ける牙はやはりとても愛おしい。
誇り高いのは同時に臆病だからだろう。
そうしたコントラストは、いつも美しい。
 
さらに奥の柔らかな部分に触れることを許された僅かな瞬間、
そこに

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生と死と病を通じて

生と死と病を通じて

「それで、きみの病気はもう治ったのか?」
「この病気は一生続くのか。」
「実は再発したんだ。」
「明日起きたら、なにもかもが、治っていたらいいのになぁ。」
「一生治らない障害なんだよ。」

『治る』ということについて、
この冬の間、今までになく、深く深く考えていた。

治る、治らない、いつか治るのか、どこからが治ったと言えるのか、
再発するかもしれない、再発したよ。

治るに囚われては果てしない。

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