MAGUDARA

芸術の都フランス&パリ。聖地サント・ボームの洞窟ならぬ都会の片隅からマグダラが…

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芸術の都フランス&パリ。聖地サント・ボームの洞窟ならぬ都会の片隅からマグダラがお届けする文学や芸術など。 読んで頂けたら嬉しいです。(一言でもコメント頂けると励みになります!) ※アメーバブログ https://profile.ameba.jp/ameba/vingt-sann/

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  • 小さな♡読書会

    Amebaブログのコメント欄を中心に、一冊の本について深堀りしていきます。メンバーは少人数ですが、有志の皆さまの参加も歓迎です。

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固定された記事

私はここに眠っていない。作品が全て「空の空なるかな」M・デュラスの世界

愛人/ラマン(河出文庫) 清水 徹訳 フュールステン広場にてフュールステン広場。それは広場と呼ぶには可愛らしすぎる小さな空間だった。中央の舞台のように一段高くなった…

MAGUDARA
1年前
60

(回答編)師とは誰か?あなたにとっての師とは?皆さんに答えていただきました。

前々回の第5回読書会のテーマである 「師とは誰なのか?」 これについて様々な意見が出揃いました。 また引き続き皆さんに一つ質問させて頂きました。 「あなたにとって…

MAGUDARA
3週間前
14

【第6回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

今回は「読んだのに理解しにくかった所&疑問点」より 「ヒヤシンスと花薔薇の挿話について」 こちらの考察です。 一冊をじっくりと深堀していくスタイル。 コメント欄…

MAGUDARA
1か月前
21

【第5回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

「師とは誰なのか?」今回はいよいよその謎に迫れるか―。 その前に、質問4「理解しにくかった疑問点」の 前回からの続きです。 一冊をじっくりと深堀していくスタイル。…

MAGUDARA
2か月前
14

なぜ「ノヴァ―リス」なのか、或いは読書の醍醐味について。

ノヴァーリスと検索し普通まず表示されるのは バラ図鑑、そして青味を帯びたピンク色の薔薇の写真。 しかし、詩人ノヴァーリスを知っている人や 名前の由来が未完の小説…

MAGUDARA
5か月前
31

【第4回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

読書の秋本番でいよいよ佳境に入りました~ 【第4回読書会】今回は質問④の 「読んだのに理解しにくい所、疑問点」 さて、始める前に一つお断りしておきたいことが……。…

MAGUDARA
5か月前
21

【第3回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

気が付けば爽やかな風を頬に感じる10月 <読書の秋>にふさわしい季節がやってきました。 さて、第2回読書会から少し間が空きましたが 🔔そろそろ【第3回読書会】の開催で…

MAGUDARA
7か月前
19

【第2回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

おかげさまで第1回目の読書会は大好評! ここ最近でかなりのアクセス数を頂きました。 一冊をじっくりと深堀していくスタイル。興味を持たれた方は今から読んでも十分間…

MAGUDARA
9か月前
23

【第1回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

皆さまお待たせしました。 【小さな♡読書会】のオープニングです!! どんなふうになるかはまだ未知数ですが、よろしくお願いします。 (メンバーの御紹介) 🍋リモーネさ…

MAGUDARA
9か月前
33

【小さな♡読書会】始めました

「読書会」 本好きな方にとっては気になるワードですよね。 あなたは今迄にどこかへ参加したことありますか? ネットという扉の向うには 玉石混淆の「読書会」なるもの…

MAGUDARA
10か月前
32

もう一度だけ「お母さん」貴女に逢えたら聞きたかったこと……『本心』平野啓一郎

初めに 今やAIの進歩も日々目覚ましく、ChatGPTなる人口知能まで登場し、気が付けば私たちの日常の生活空間にもちゃっかりと何食わぬ顔でそろっと忍び込んでいたりする。 …

MAGUDARA
1年前
23

『パラケルススの薔薇』青+薔薇色が主調のボルヘスの恐るべき幻想短篇小説集

    『パラケルススの薔薇』ボルヘス☆鼓 直 訳  バベルの図書館 編纂/序文/J・L・ボルヘス (国書刊行会) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆…

MAGUDARA
1年前
39

二重の喜びを味わって。イシスの女神に感謝「ノヴァーリス/サイスの弟子たち」

ありがとうございます!! 実はこの読書感想文は、誕生日に何か記念に残るようにと思って書いたものなので、二重の意味でうれしいです。 よろしければ、コチラでもそのあたり…

MAGUDARA
1年前
20

ノヴァーリスの「サイスの弟子たち」哲学的なあまりに哲学的なー小説

●初めに なぜ出会わなかったのだろう。 いや今までの自分だったら、もし出会ったとしても素通りしていたはずだ。この本の持つ謎めいた魅力というものが理解できずに、手…

MAGUDARA
1年前
68

ペストとはなにものか。今、改めて『ペスト』を読む意味とは?

ペスト(新潮文庫) 宮崎嶺雄/訳 1.ペストと現代のパンデミック この小説が書かれたのは1947年、日本で初めて翻訳されたのは1950年だから今から70年前である。現在も相変わ…

MAGUDARA
1年前
24

文学について★自分へのインタビュー

―まずは好きな文学のジャンルからお聞きしますが。 基本的には小説ですが、エッセイやノンフィクションなど興味ある作家のものなら特にジャンルにこだわりません。 ―小…

MAGUDARA
1年前
50
私はここに眠っていない。作品が全て「空の空なるかな」M・デュラスの世界

私はここに眠っていない。作品が全て「空の空なるかな」M・デュラスの世界

愛人/ラマン(河出文庫)
清水 徹訳

フュールステン広場にてフュールステン広場。それは広場と呼ぶには可愛らしすぎる小さな空間だった。中央の舞台のように一段高くなった場所は、天井や屋根こそないがロトンドと呼ぶに相応しい円形の空間になっていて、夏の光を浴びた緑の木立ちに四方から見守られるようにして1基の古い街灯が佇んでいた。
おそらくここを訪れた誰もをほっとさせるに充分な都会のオアシスと言うべき場所

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(回答編)師とは誰か?あなたにとっての師とは?皆さんに答えていただきました。

(回答編)師とは誰か?あなたにとっての師とは?皆さんに答えていただきました。

前々回の第5回読書会のテーマである

「師とは誰なのか?」

これについて様々な意見が出揃いました。

また引き続き皆さんに一つ質問させて頂きました。
「あなたにとって「師」と呼べる人はいますか?
よければ具体的にその人物を教えて下さい。
また出来ましたら何故そうなのか一言も」

それに対しいろいろと率直な回答をお寄せ頂いたので
今回はそれを紹介させて頂きます。

(第6回読書会にて有志代表の🐥

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【第6回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

【第6回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

今回は「読んだのに理解しにくかった所&疑問点」より

「ヒヤシンスと花薔薇の挿話について」

こちらの考察です。

一冊をじっくりと深堀していくスタイル。

コメント欄に感想や質問など書き込んで頂けば、

次回本文に取り上げさせて頂くことも。

どなたでも奮ってコメント欄にてご参加下さい !

また、初めてこの記事を読まれる方や
この本の内容については私の読書感想文をどうぞ!!

  ノヴァーリス

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【第5回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

【第5回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

「師とは誰なのか?」今回はいよいよその謎に迫れるか―。
その前に、質問4「理解しにくかった疑問点」の
前回からの続きです。

一冊をじっくりと深堀していくスタイル。
コメント欄に感想や質問など書き込んで頂けば、
次回本文に取り上げさせて頂くことも。
メンバーであるなしに関わらず奮ってコメント欄にてご参加下さい。

また、初めてこの記事を読まれる方や
この本の内容などについては
私の読書感想文をどう

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なぜ「ノヴァ―リス」なのか、或いは読書の醍醐味について。

なぜ「ノヴァ―リス」なのか、或いは読書の醍醐味について。

ノヴァーリスと検索し普通まず表示されるのは

バラ図鑑、そして青味を帯びたピンク色の薔薇の写真。

しかし、詩人ノヴァーリスを知っている人や

名前の由来が未完の小説「青い花」からきていると

知っている人は案外少ないかもしれない。

Novalis は「新しい地を耕す者」を意味するラテン語。

ドイツ・ ロマン派という文学運動を興した中心人物で、

ここに詩人、思想家ノヴァーリスが 誕生したので

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【第4回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

【第4回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

読書の秋本番でいよいよ佳境に入りました~

【第4回読書会】今回は質問④の
「読んだのに理解しにくい所、疑問点」

さて、始める前に一つお断りしておきたいことが……。
今迄に、また今回のためにメンバーの皆様から質問を寄せて頂いたものをあれやこれやと意見を出し合ってすっきりできればと思っていましたが
とても一回では終わりそうにないことに気付きました。

というわけで何度かに分けてやろうと思います。

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【第3回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

【第3回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

気が付けば爽やかな風を頬に感じる10月
<読書の秋>にふさわしい季節がやってきました。
さて、第2回読書会から少し間が空きましたが

🔔そろそろ【第3回読書会】の開催です。

この本の内容について知りたい方は私の読書感想文をどうぞ!!
ノヴァーリスの「サイスの弟子たち」哲学的なあまりに哲学的なー小説|MAGUDARA|note

🍋リモーネさん、🌸sakuragaさん、私✞MAGUDARAの

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【第2回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

【第2回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

おかげさまで第1回目の読書会は大好評!
ここ最近でかなりのアクセス数を頂きました。

一冊をじっくりと深堀していくスタイル。興味を持たれた方は今から読んでも十分間に合いますのでぜひ!!コメント欄に感想や質問など書き込んで頂けば、次回本文に取りあげたり読書会の幅が広がるように思います。メンバーであるなしに関わらず奮ってコメント欄にてご参加下さい。

メンバーの御紹介です

―それではさっそく続きを始

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【第1回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

【第1回読書会】『サイスの弟子たち』ノヴァーリス著

皆さまお待たせしました。

【小さな♡読書会】のオープニングです!!

どんなふうになるかはまだ未知数ですが、よろしくお願いします。

(メンバーの御紹介)

🍋リモーネさん、🌸sakuragaさん、私✞MAGUDARAの3人です。
(今後のやり取りはお名前の前にある絵文字で表しますのでご了承下さい)

―オープニングの課題図書はこちら―

こちらの岩波文庫版の中から小説『サイスの弟子』を取り

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【小さな♡読書会】始めました

【小さな♡読書会】始めました

「読書会」
本好きな方にとっては気になるワードですよね。

あなたは今迄にどこかへ参加したことありますか?

ネットという扉の向うには

玉石混淆の「読書会」なるものがたくさん……

コロナ禍が落ち着きつつある今

画面を通してのやりとりではなく

現実に対面して行われる読書会も

増えていくのではないかとも。

自分も昔に参加した読書会は

情報誌の<読者のページ>の募集欄で

集まったわずか4

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もう一度だけ「お母さん」貴女に逢えたら聞きたかったこと……『本心』平野啓一郎

もう一度だけ「お母さん」貴女に逢えたら聞きたかったこと……『本心』平野啓一郎

初めに

今やAIの進歩も日々目覚ましく、ChatGPTなる人口知能まで登場し、気が付けば私たちの日常の生活空間にもちゃっかりと何食わぬ顔でそろっと忍び込んでいたりする。
ファミレスで配膳ロボットがもう当たり前のように仕事をこなす姿を見てつい微笑ましくなってしまうのは、それが愛嬌あるネコ型だからだろうか。アニメキャラクターのような親しみやすい表情で挨拶もする。別に猫の顔でなくても人間の顔でもいいと

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『パラケルススの薔薇』青+薔薇色が主調のボルヘスの恐るべき幻想短篇小説集

『パラケルススの薔薇』青+薔薇色が主調のボルヘスの恐るべき幻想短篇小説集

    『パラケルススの薔薇』ボルヘス☆鼓 直 訳
 バベルの図書館 編纂/序文/J・L・ボルヘス (国書刊行会)

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

     
        ― は  じ  め  に ― 

何といっても最初に触れずにいられないのは、本の装丁だろう。
御覧の通りの迫力、且つ華麗なイラストの表紙が観る者を釘付けにする。
本の大きさも変形

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二重の喜びを味わって。イシスの女神に感謝「ノヴァーリス/サイスの弟子たち」

二重の喜びを味わって。イシスの女神に感謝「ノヴァーリス/サイスの弟子たち」

ありがとうございます!!
実はこの読書感想文は、誕生日に何か記念に残るようにと思って書いたものなので、二重の意味でうれしいです。
よろしければ、コチラでもそのあたりのことについて書いていますので、ご覧ください。
「PARISから遠く離れていても…」

ノヴァーリスの「サイスの弟子たち」哲学的なあまりに哲学的なー小説

ノヴァーリスの「サイスの弟子たち」哲学的なあまりに哲学的なー小説

●初めに

なぜ出会わなかったのだろう。
いや今までの自分だったら、もし出会ったとしても素通りしていたはずだ。この本の持つ謎めいた魅力というものが理解できずに、手に取って数行眺めただけで放り出してしまったかもしれない。
子供時代は自然と戯れることがあんなに上手だったのに、哀しいかな大人になると、その頃の純粋な驚きとか喜びの感情をどこかに置き去りにしてきてしまう。そんなことを思い出すきっかけを与えて

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ペストとはなにものか。今、改めて『ペスト』を読む意味とは?

ペストとはなにものか。今、改めて『ペスト』を読む意味とは?

ペスト(新潮文庫)
宮崎嶺雄/訳

1.ペストと現代のパンデミック

この小説が書かれたのは1947年、日本で初めて翻訳されたのは1950年だから今から70年前である。現在も相変わらずパンデミックが続く状況下で、何かしら意味あるものを引き出せないかという思いがあり手に取った。
読後感としては「良質な一本のエンターテイメントの人間ドラマ=群像劇を観た感じ」とまず言っておこう。読みやすく事実だけを簡潔

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文学について★自分へのインタビュー

文学について★自分へのインタビュー

―まずは好きな文学のジャンルからお聞きしますが。
基本的には小説ですが、エッセイやノンフィクションなど興味ある作家のものなら特にジャンルにこだわりません。

―小説でいうと例えばどのような種類のものですか?
純文学と一般に言われるものでしょうか。国内外を問わず。

―それでは好きな作家を教えて下さい。
日本文学なら安部公房、村上春樹、三島由紀夫、高橋たか子、河野多恵子、森有正。海外文学だとP・ボウ

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