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気がつけばデジタルネイティブ
会社員でよかったことといえば、パソコンスキルをがっつり身につけられたことだろうか。
私がパソコンと初めて出会ったのは新卒で入った会社で、電話回線を使って得意先から伝票が送られてきたときだ。システム室のプリンターから伝票が次々とプリントアウトされるのを不思議な目で見ていた。そのプリンターにつながっているパソコンの画面は黒かった。DOS画面というやつか。そして、モデムという言葉を初めて知った。
そ
おじいさん、ありがとう。
土曜日のお昼前、在宅仕事の息抜きに、ふらりと散歩に出かけときのこと。自宅近くで、携帯電話を手にしたおじいさんから突然声をかけられた。
「代わりに電話に出てもらえませんか?」
えっ、どういうこと!? 突然のことで事情がのみ込めなかったが、切羽詰まったおじいさんの様子を見て、私は思わず電話を手に取った。
「もしもし、お電話代わりました。通りすがりの者ですが――」
電話のむこうの相手は一瞬びっくり
古い映画に魅せられて
「『旅情』っていう映画知ってる? あの映画を観てからずっと、いつかヴェネチアに行ってみたいと思ってた」
「知ってるよ」。母に向かって私は答えた。キャサリン・ヘプバーン主演のロマンス映画の名作。ヴェネチアの運河に落っこちたりするキャサリンのコミカルな演技が楽しくて、恋愛映画はあまり見ない私も、この映画はお気に入りだ。
しかし母は娘の返答なんてもうそっちのけだ。映画で見た水の都が、いま現実の風景と
サンドイッチのお弁当
中高年なんて言われる年になると若さが恋しくなることもあるけれど、多くの人にとって、思春期は長く暗いトンネルだったのではないだろうか。
思春期の私は、数年に一度は激しい体調不良に襲われ、ぶっ倒れて家族を心配させた。体に力が入らなくなりゲーゲー吐いて、病院に向かうタクシーの中でも吐き気が止まらなくて運転手さんに嫌な顔をされ、病院の待合室でも座っていることができなくて、ベンチにぐったり横たわっていた。
1983年12月1日 -ドムドムバーガー-
1983年12月1日(木)曇
もう1年最後の月、12月。もうすぐ2回生になるなんて信じられない。月日のたつのは早い。
今日は3限が空きだったので、『デビルマン』の1・2巻を読んでいた。4限が終わった後、帰りは友だちと一緒にドムドムでハンバーガーを食べた。