佐光紀子

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    家事シェアの講座でお話していることや、日頃感じていることなどをこちらにまとめています。

最近の記事

女郎屋追記 昔の家のおもしろさ

先日泊まった元女郎屋だったおうち。 とにかく意匠をうまく残した改装がほどこされていて、 よい仕上がりだった。 長野にある金具屋さんという元は湯治場だった温泉旅館は、 宮大工が仕事の閑散期に建てたという、 宮大工の遊び心満載の建物だけれど、 この女郎屋さんにも、二ヤっとしてしまうような大工さんの 遊び心が。 柱のカーブの先がふにゃんと曲がっている。 でもって、それに併せて天袋の扉もカーブしているという……。 自然を活かすというのかなんというのか。 なんと楽しい!と感心してし

    • 来年があるかどうかわからない

      介護士さんの研修会で、おじいちゃんが介護事例と紹介されることになり、 介護士さんから、コロナ中彼がホームに入っている間気になっていたことはなにかという質問が来た。 どうでしたか、とキョーコさんに水を向けると、 「本当に感謝しかないよね、足向けて寝られない」 という答えが返ってきた。その通り。彼の安全を確保し、毎月写真入りの 報告を送ってくださっているホームには、本当に感謝しかない。 けれど。 それは恐らく、期待されている答えとは違うのかなと、考え直して こんな答えを書いて出

      • 窓のない古民家 一体誰が住んでいたのか

        この3日間、めったに泊まれないような家に泊めていただいた。 いわゆる、古民家をリフォームした家。 広い土間がある、昔の商家の姿をかなり残した家。 素晴らしい仕上がりだった。 自転車なんかもおけちゃうくらい、玄関は広い。 そして、当時のガラスがとにかくうまく残されている! あ〜 こういう改装やりたいなぁ。こういうところに住みたいなぁ! と思う仕上がり具合。 おうちは、海から10分もしない所に立っていて、海風が気持ちがいい。 そう思って玄関の引き戸を開けて中に入ると……

        • 終活断捨離のお手伝い

          撮り鉄おじいちゃんの終活断捨離。 おじいちゃんは、長年住んだ自宅を引き払いホームに移るときに 大断捨離をした……と聞いている。 私は立ち会っていないから、実際のところは知らないけれど、 かなりいろいろなものを捨てたという。 だから、ホームのおじいちゃんの持ち物は、 かなりスッキリしている。 と思う。 引き出しなんか、何にも入っていなかったりするくらいだから。 大好きな鉄道関係のものは、本棚一つにきれいに収まっている。 けど。 見方を変えると、それは厳選して持って来たものた

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        記事

          日本人とは深い話ができない?

          少し前に、サンチャゴ巡礼に行くという人の話を聞く機会があった。 知り合いがやっているサロンの常連さんで、 すでに6回サンチャゴ巡礼に行っている人がいて、 その人の話を聞いて「僕も」と言い出した人がいる。 その人の話を聞くサロン。 初めてのサンチャゴ巡礼、どんな準備をしてどんな旅を想定しているのか 実際に歩くとどんなの感じなのか、私の興味津々で参加した。 私のもう一つの興味は、普段「僕(私)は無宗教で」という人が圧倒的に 多い日本人にとって、 巡礼とかお遍路さんってなんなんだ

          日本人とは深い話ができない?

          語学力は100才近くても伸びるのだ

          月曜日におじいちゃん1のホームに顔をだした。 おじいちゃんはイギリス人。 戦後かなり早い時期に民間人として日本にやってきて 早……何年になるんでしょう?1950年に来たとしても、74年。 ただ、生涯独身で、英語学の教授だったこともあり、 そんなに、日本語がしゃべれなくても生き延びていける環境にはあった。 とはいえ、戦争中はコードブレーカー的なお仕事をしていたようにも 聞いているから、読み書きは得意。 ただ、緊張したりすると日本語はわからなくなったり、 出てこなくなったりする。

          語学力は100才近くても伸びるのだ

          体調を保つために  前向きに 

          昨日は、午前中、おじいちゃん2のところに顔を出した。 96になったおじいちゃんは、少しずつ体力が落ちている。 まだ、歩けるようになるにはちょっと時間がかかりそうだ、 とおじいちゃん。 ちょっと体調が整わなくて、歩けなくなってしまったけれど、 リハビリを続ければまた歩けるようになる。 おじいちゃんの口調からは、そんな気持ちが伝わってきた。 リハビリをしてくださった方のお話を聞いていると、 状況はもうちょっと厳しそうだったけれど。 でも、おじいちゃんの前向きな気持ちは、 おじいち

          体調を保つために  前向きに 

          生んでくれてありがとう

          久しぶりに日本に留学中の友人の息子君とお昼を食べた。 同じく留学生の友人と、真冬の東北を回った話。 でも、メインはわんこそばwwwwww 普通のざるそばだと8枚分か9枚分食ったよ、と言う。 さすがに朝ご飯抜きでのぞみました、という元気な大学生。 ゲラゲラ笑いながらいろいろな話をしていたら、ふっと この間あんまり暇だったから、友達誘って、 生まれた町にいってみたんだ と言い出した。 そうなの? うん。 どうだった? 何にもないところだった。 ほんとに、何にもない、田舎

          生んでくれてありがとう

          幸せな人生の終わりって……

          おしどり夫妻で知られたジェフさんとお連れ合い。 彼女が余命宣告を受けるような病気だと知ったのは、 たぶん、2年位前。 Zoomに並んで姿を現した時、お連れ合いは、 酸素吸入をしながら、ジェフさんの隣で微笑んでいた。 それから1年ほどして、お連れ合いのお葬式があった。 オンラインでも流すから、妻の旅立ちをみんなで見送ってほしい という連絡があり、私もオンラインでお葬式に参列した。 ジェフさんの、凜としたお姿が印象的だった。 それから1年。 先日、彼と親しいビルさんとそのお連れ

          幸せな人生の終わりって……

          苦手克服 新しい人生の始まりw

          覚え書き程度に。 でも、昨年の私にとっての最大の出来事。 なにしろ、私は「鳥肉食べません歴」50年を超える。 絶対に箸をつけないので、付き合いの長い友人達は 私は鳥肉を食べないものだ、という前提で話がすすむ。 ナンデ食べられないかというと、幼稚園の脇にかしわやさんがあったのだ。 かしわやさんって鳥肉専門店。 登園時に断末魔の声を聞き、くたっとしたご遺体を横目に幼稚園に向かい 帰りに、それが刻まれたものを買って帰って、夕飯にそれが出る。 たぶん、そんな生活が何ヶ月か続いたと

          苦手克服 新しい人生の始まりw

          自宅で死にたい

          友人のお連れ合いがステージ4の診断を受けて数ヶ月になる。 最後の最後までできる限りの治療を続けたいというのが友人夫婦の希望 なのだけれど、先日ホスピスの入室を打診されたのだそう。 納得がいかない。 友人はそういった。医者は私達を見捨てるのか、と。 気持ちはわかる。 坂を転げるように病状が悪化していくお連れ合いを見るのは どんなにつらいことか。 よく頑張っている。 何もできずに、折れないでねと祈るばかり。 ホスピスの話が出てきたところで、 お連れ合いが、それなら家に帰りたい

          自宅で死にたい

          養子という選択

          友人夫妻が日本に留学中の息子君を訪ねてやってきた。 ほぼ初めての日本。 2週間のステイは日本に来て半年の息子君が組んだらしい。 「いいのよ、どこでも。この子と一緒にいられれば♥️」とママ。 「ね?」と同意を求められた息子君は、照れたような困ったような顔。 初めての日本だから、もちろん、京都にも大阪にも行く。 大阪は知り合いもいるから、3泊する……というので、 じゃぁ、1日くらい神戸に行ってくれば? というと、 この子もそういうのよ、神戸って何があるところ? と友人。 Kob

          養子という選択

          ミシンにまつわる素朴な疑問 誰か教えて〜

          ど〜もミシンの調子が悪い。 糸調子をいじっても、引き連れてきれいに縫えない。 ので。 一度やってみるとよいとミシン屋さんで勧められた オーバーホールなるものを依頼してみた。 ら。 電話がかかってきて、 オーバーホールをすると、買った以上のお金を払うことになる という。 もう、いくらだったのかも覚えていないんだけど、 オーバーホールの値段が2万弱だったことを考えると、 きっと、1万チョットのものを買ったんだな、私。 こんなにはまるとも思っていなかったので、 ちょっと縫えれば

          ミシンにまつわる素朴な疑問 誰か教えて〜

          特技は空元気

          友人のヒキチさんが主催するみんなの大学校 障がいのある方や疾患等で支援が必要な方のためのウエブ上を基本とした「学びの場」です。18歳以上の方で障害者手帳をお持ちの方もそうでない方も「学びたい」お気持ちのある方が入学対象です。 というところ。 ここで、ナチュクリ講座を二ヶ月連続やらせてもらった。 今回は、始める前に、それぞれ簡単に自己紹介。 日本で自己紹介っていうと、大体所属と名前を言っておしまい なことが多いような気がするけれど、今回は、名前と特技! かなり多かったのが特

          特技は空元気

          私個人のお墓がほしい その後

          前にこんなことを書いた。 家制度の権化みたいなお墓をイヤだと、はっきり意識し始めてから、 個人で、しかも、草むしりだの墓守だののない、 言ってしまえば骨壺を収める場所をどうしたらいいか を漠然と考えていたのだけれど。 つい最近の友人のポストで目からうろこが…… ちなみに、彼女からはこんなメッセージをもらった。 こんにちは!ようやく秋がやってきました…が今日は寒いくらいですね。 先月末、母の散骨をようやく実現できました。大満足です! 大満足です! ってすごくない? 散骨

          私個人のお墓がほしい その後

          癌治療をしないという選択

          花咲癌だって エリちゃんからそんなメッセージが来たのは、 母の膵臓癌がわかる前後。 3年半ほど前だったと思う。 母は膵臓癌のステージ2。彼女は乳がんのステージ4だったのだろう。 母は89。エリちゃんは45か6だったのではないだろうか。 この二人の共通点は、いわゆる癌治療の全面拒否というところ。 目的も、方法も全くちがうけれど、 文字通り命をかけて、治療を拒否した二人。 前にも書いたけれど、私はスピリチュアルな療法や 民間療法が好きではない。 いやむしろ、エリちゃんのWebに

          癌治療をしないという選択