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老いと介護 する側 される側

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来年があるかどうかわからない

来年があるかどうかわからない

介護士さんの研修会で、おじいちゃんが介護事例と紹介されることになり、
介護士さんから、コロナ中彼がホームに入っている間気になっていたことはなにかという質問が来た。

どうでしたか、とキョーコさんに水を向けると、
「本当に感謝しかないよね、足向けて寝られない」
という答えが返ってきた。その通り。彼の安全を確保し、毎月写真入りの
報告を送ってくださっているホームには、本当に感謝しかない。
けれど。

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終活断捨離のお手伝い

終活断捨離のお手伝い

撮り鉄おじいちゃんの終活断捨離。
おじいちゃんは、長年住んだ自宅を引き払いホームに移るときに
大断捨離をした……と聞いている。
私は立ち会っていないから、実際のところは知らないけれど、
かなりいろいろなものを捨てたという。

だから、ホームのおじいちゃんの持ち物は、
かなりスッキリしている。
と思う。
引き出しなんか、何にも入っていなかったりするくらいだから。
大好きな鉄道関係のものは、本棚一つに

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語学力は100才近くても伸びるのだ

語学力は100才近くても伸びるのだ

月曜日におじいちゃん1のホームに顔をだした。
おじいちゃんはイギリス人。
戦後かなり早い時期に民間人として日本にやってきて
早……何年になるんでしょう?1950年に来たとしても、74年。
ただ、生涯独身で、英語学の教授だったこともあり、
そんなに、日本語がしゃべれなくても生き延びていける環境にはあった。
とはいえ、戦争中はコードブレーカー的なお仕事をしていたようにも
聞いているから、読み書きは得意

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体調を保つために  前向きに 

体調を保つために  前向きに 

昨日は、午前中、おじいちゃん2のところに顔を出した。
96になったおじいちゃんは、少しずつ体力が落ちている。
まだ、歩けるようになるにはちょっと時間がかかりそうだ、
とおじいちゃん。
ちょっと体調が整わなくて、歩けなくなってしまったけれど、
リハビリを続ければまた歩けるようになる。
おじいちゃんの口調からは、そんな気持ちが伝わってきた。
リハビリをしてくださった方のお話を聞いていると、
状況はもう

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幸せな人生の終わりって……

幸せな人生の終わりって……

おしどり夫妻で知られたジェフさんとお連れ合い。
彼女が余命宣告を受けるような病気だと知ったのは、
たぶん、2年位前。
Zoomに並んで姿を現した時、お連れ合いは、
酸素吸入をしながら、ジェフさんの隣で微笑んでいた。
それから1年ほどして、お連れ合いのお葬式があった。
オンラインでも流すから、妻の旅立ちをみんなで見送ってほしい
という連絡があり、私もオンラインでお葬式に参列した。
ジェフさんの、凜と

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私個人のお墓がほしい

私個人のお墓がほしい

お盆に草むしりに行った。
もとへ。
お盆にお墓参りに行った。
といっても、母がお墓の中にいるという感覚がないから、
実際には草をむしってお花を変え、墓石を磨くという作業に行く
というのが正直な私の中の感じなのだけれど。

旧姓が加藤なので、実家のお墓の正面には
加藤家と書いてある。
それだけ。
母の名前は脇にあるんだっけ?と脇を見たら
いつ建立という墓石を作った日と、父の名前が書いてあった。

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僕がこの世に存在した形跡を残したい〜お墓問題その後

僕がこの世に存在した形跡を残したい〜お墓問題その後

おじいちゃんのところに、いってきた。
お墓どうしようか、と。青山墓地にはお墓がなくて、小平だって、
というと、最初の一言が
「小平なんてイヤだ!」
だった。

誰もそんな所には来てくれないだろう? 
どこにあるのかさえわからないような所に。
埋葬された後、誰も来てくれないような所は絶対に嫌だ!
とおじいちゃん。

だったらさぁ、品川のカトリック教会の共同墓地にする?
そうしたら、駅から5分ぐらいだ

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ありがとうが言えない症候群

ありがとうが言えない症候群

おじいちゃんの97回目の誕生日。
実際の誕生日の数日前に、彼の元学生達が集まって誕生会を開いてくれた。

せっかく外出もできるようになったので、外でパーティーを
というのが当初の企画だったけれど、体力に自信がないという。
コロナで面会も外出もできない日々が続いたので、
おじいちゃんの外出意欲はかなり減退。
結局説得仕切れず、みなさんが施設に集まってくださっての
お祝いとなった。

施設と連携しての

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なるべく捨てない 片づけメモ 親のもの2

なるべく捨てない 片づけメモ 親のもの2

え〜〜〜〜〜〜〜
郵便番号って3桁だったの!?!?!?!?!
娘が大声をあげている。
そうよ。知らなかったの、と母。
いつから?
という娘に
5年くらい前じゃない?
いや……お母さん、もっと前でしょ、いくらなんでも。
といっても、
あら、そうお?
のノリの母。

これ、先日の、食器分け合い会(?)の一コマです。
娘を呼び出し、キッチンの天袋に死蔵されていた食器類を出し
娘が今すぐ使えそうなもの、私

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なるべく捨てない 片づけメモ 親のもの3 JFSAで布物回収

なるべく捨てない 片づけメモ 親のもの3 JFSAで布物回収

諸事情あって10日ぶりに実家へ。
着くなり母から、JFSAの紙を渡される。
力が弱くなって、ほとんど買い物を持てない母は、
食べるものをほぼ全て生協に頼っているのだけれど、
その生協で、JFSAの古着回収があるというのだ。

JFSAは日本ファイバーリサイクル連帯協議会の略。ビニール袋にリサイクルに出したい衣類などを入れると、生協の商品を届けてくれたついでに持っていってくれるのだそうだ。

母は、

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なるべく捨てない片づけ:最後は全部ゴミ

なるべく捨てない片づけ:最後は全部ゴミ

涼しくなってきたので、婦人会の残務処理の続きを。
服飾の専門家の友人が来て、山のようにある端布を見てくれた。
意外と凝った布も多く、うまく使えば使えそう……なものがいろいろ。

例えば

これは手書きの着物の布地。反物というほどはないのだけれど、
バッグとかは作れるよね、という。
はげばパンツとかスカートにもなるのかな……。

掘り出した絽の羽織は、若者が着ればそのままでもおしゃれ。
でも、袖の裏

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家事シェアの究極の目的は? 介護と家事シェア

家事シェアの究極の目的は? 介護と家事シェア

このところ、家事シェアの講座をするときによく話すことの一つが、
家事が全くできない夫に介護されるのは不安じゃないですか?
という話。

なんてひどいこと言うの?
という人もいるかもしれないけど、
最後妻が夫を世話して看取るという
幻想を抱いている人が、講座なんぞをやっていると
割とおられるような……

でも、確率としては半々でしょう。
どっちが先に倒れるかなんて。
でもって、先に倒れるのが妻だった

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親も大事だけど自分も大事

親も大事だけど自分も大事

久しぶりにあった知り合いと立ち話。
90代のご両親の介護に追われて仕事を辞めたのだそうだ。

また、一人……。
両親の介護に追われて仕事をあきらめた人が、
まわりに6人。彼女は7人目だ。
私のようにフリーで老後が危うい人ばかりではないけれど
中にはどっこいに不安定な人もいて……
親亡き後の経済的なこともだけれど、
一日中親とずっと家にいて、介護に追われるのは、
精神的にも肉体的に不健康だ、と思う。

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一人暮らしでも寂しくない理由

一人暮らしでも寂しくない理由

昨日はユカリさんと待ち合わせて、
95になったおじいちゃんその2の施設に顔をだした。
ユカリさんは、月に1回くらいの割合で
彼の所に爪を切りに行ってくださっていることを、行きの電車で知る。
自分で爪を切っていることに気づいて、
時間のあるときに行ってくださっているのだそうだ。ありがたや。

昨日は、お天気も良かったので、
着いてすぐに、「ちょっと散歩する?」と
おじいちゃん2に声をかけてみた。

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