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おもしろい話

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さいり

『私ってどんな人?』
ある日の夕方、彼女は突然僕にそう投げ掛けた。
自分のことは自分が1番わかっているように思えても、結局のところ個々の評価なんてのは自分以外の誰かがするもんであり、自信に転ぶか劣等感に転ぶかはそれと自己評価の差し引きにより叩き出される。
だから自分がどういう人間かを確認する際、その相手の一人に僕を選んだ彼女の選択はとても正しかったと言える。
なぜならば、僕は彼女の兄だから。
この

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鉄工所がピザ窯を開発したら木のグリルができたワケ

鉄工所がピザ窯を開発したら木のグリルができたワケ

2019年の秋、家業の鉄工所で商品開発を任されていた私はとても困っていた。

地域のイベントでピザを食べてきた当時の上司にピザ窯の開発を命じられたからだ。写真を見て2秒で思った。

「もうあるやん」

と。

いいものを作れば売れるという幻想 家業の乗富鉄工所は創業70年を超える水門メーカー。売上の7割近くを水門やポンプなどの公共事業で賄うBtoGの会社です。インフラメーカーとして売上面では安定し

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食品加工技術としての酵素について語ろう

 こんにちは、旧研究人材のイツキです。

 日頃からXやnoteで分析技術とか商品レビューとかいろいろ語っておりますが、では私の専門の技術領域は何かというと、酵素処理に関する技術になります。これは、社内外に胸を張って言えるレベルでの話。

 というのも、私は19歳の時に酵素に夢を抱き、入る研究室も決めたうえで大学を志し、酵素処理技術で商品を生み出すためにメーカーで就職を決めていたのです。手段から何

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アメリカの西海岸で『バゲージ以上のものをロスト』したので、再発に備えて最高のPCケースを用意した話

アメリカの西海岸で『バゲージ以上のものをロスト』したので、再発に備えて最高のPCケースを用意した話

旅はいろんなことを教えてくれる。

ドイツでは、ユースホステルに辿り着けずに公園のベンチで寝ても、意外と死ぬことはないことを知った。
シンガポールでは、まちはゴミひとつ落ちてないのにごみの分別はしていないことを知ったり。
ミクロネシアでは、自生する芋と危機感のない魚が取り放題なため人口の半分が働かないと聞いたときには、永住をするべきか悩んだ。

でも、他のどんな経験よりも、アメリカでの経験は私に大

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僕の自作ツールが大学のサーバーをダウンさせてしまった日の話

僕の自作ツールが大学のサーバーをダウンさせてしまった日の話

2021年10月25日、この日は僕がただの大学生から、大学のサーバーをダウンさせた"犯人"へと変わった日です。

小説みたいな書き出しをしてみましたが、これは嘘みたいな本当の話で、ふと思い出して懐かしくなったので回想録として note に残すことにしました。

出来事の概要2年前の2021年10月、何が起きたかを簡単に書くと以下の通りです。

時系列を追って、この note で出来事の全容を書きた

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高校生が文化祭でe-sportsの大会を開催した話。 【スプラ3・スマブラ】【ケチ】

高校生が文化祭でe-sportsの大会を開催した話。 【スプラ3・スマブラ】【ケチ】

こんにちは。高校2年生をやっています。
 
秋は文化祭シーズンですね。

eスポーツの大会を1から本格的に開催しました。
noteを書こう書こうとは思っていたものの、文化祭が終わってもう一月経とうとしてるのになかなか筆が進みませんでした💦

校内から22人が選手として参加し、一般のお客さん(9割本校中学生)も来客されて、大変な盛り上がりを見せました。このイベントを開催するにあたって、

機材の配

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ダメなUIを作るコツ

ダメなUIを作るコツ

先日、「イカれたUIを作ろうの会」というオンラインイベントを開催しました。多くの皆さまにご参加いただき、誠にありがとうございました。
また、当イベントでは期待以上に自由で多様なUIがお披露目され、おおいに血湧き肉躍りました。主催者としてうれしい限りです。

ちなみに社内でも「ダメなUIを作ろうの会」と銘打って勉強会を実施しました。こちらもクローズドな空間ならではの盛り上がりを見せました。

背景そ

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アペリティーボはただの食前酒ではなく、イタリア人の人生の全て

アペリティーボはただの食前酒ではなく、イタリア人の人生の全て

イタリアに行かれた人は間違いなく、夕方からはAperitivo (アペリティーボ)という魔法のような言葉を聞いたことがあると思う。その流れで、現地でイタリア人のようにアペリティーボして、人生の最高な思い出になったと言えるだろう。イタリア人にとって大事な食文化の一つで、簡単に日本語に訳せない。

日本でよく聞く「食前酒」は間違っていないが、この深い食文化は一つの言葉で済ますことができない。シチュエー

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Z世代とは何者なのか?

Z世代とは何者なのか?

未来の消費の中心になるZ世代。Z世代の特徴についてまことしやかに語られるが果たしてそれは本当なのか。そんな疑問をZ世代の企画屋として事業をされている今瀧さんに教えてもらう機会がありましたので、これまでの自分なりの解釈も含め私なりに気づいたポイントをまとめてみました。

Z世代は何者なのか?は愚問かもしれない最初から題名を否定する事になりますがw
●●世代の特徴を括ることが自体が難しいと日頃から考え

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水で料理は変わるか〜豆腐編〜

水で料理は変わるか〜豆腐編〜

水で料理は変わるかを検証するシリーズ。

水と料理の関係を考察するのは今にはじまったことではなく、雑誌のバックナンバーを漁っていると専門料理1996年の11月号の特集「水について考える」に検証「水は料理の味を変えるのか」という記事を見つけました。なかで水のテイスティングや出汁の検証を行っているので、気になったのは「豆腐を水につけて味の変化を調べる」というもの。

興味深いのは水につけることで豆腐の

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料理ヘタクソ人間の思考 完全解説

料理ヘタクソ人間の思考 完全解説

みなさんこんにちは。本日は肉じゃがを作っていきたいと思います。

まずは、玉ねぎを切っていくんですけれどもね。

・・・・・・・・

AIが描いたアルプスを背景に本音を言ってしまい申し訳ありません

料理の面倒くささって、食材を切るところに集約されていませんか?

だって切るのって手をいろんな角度にしなくちゃいけないし、硬いものは力を込めないといけないし、そもそも刃物って尖ってて危ないし・・・

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なんで話がこんなにスケール大きくなったんだ。と不思議な私

なんで話がこんなにスケール大きくなったんだ。と不思議な私

札幌から小樽という場所へ行くの

さっぽろ雪まつりをたっぷり楽しんだ私は欲張りモンスターなので小樽へ行きます。

小樽という場所に到着しました。
札幌から電車で30分ぐらいだった気もするしもっとかかったかもしれないけど近かった。

小樽のことは何も調べていなかったのでどこに行ったらいいのかわからないんですが、きっと連れて行ってくれるでしょう。

大勢の観光客の皆様が。

札幌から小樽へ行く外国人観

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オムライスの調理を化学的に分解してみた

オムライスの調理を化学的に分解してみた

そもそもタイトルの通りなのですがこの記事はオムライスの調理工程を化学的に分解していくものです。
料理をする人は多いと思いますが化学的にどんな現象が起こって味に変化をもたらすかを書いている記事やレシピはあまり見たことがありません(そういうのあったら教えてほしい)。
なので書いてみたくなったのが動機です。

ちなみに自分は大学で勉強したとかそういうのはない野良の化学知識ですので読んでくれた人の中で詳し

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ピアノの先生

ピアノの先生

私と同じくらいの年頃で「結構ちゃんとピアノを習っていたの」という人に会うと、その人は大体こう言う。

「そのピアノの先生っていうのがもう…鬼のように恐ろしくってさあ!」

私の想像の世界の『ピアノの先生』というのは、ボウタイブラウスのリボンをキュッとちょうちょ結びにして、柔らかなシフォンかちょっとすましたヘリンボーンのロングスカート、髪はくるりと上品に巻いて、優しい午後の日差しの注ぐ教室の中、レー

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