曠野すぐり

左党・パン党・振り飛車党。 既刊(紙) だいだい色の箱(中央線の小説) 東上線各駅短編…

曠野すぐり

左党・パン党・振り飛車党。 既刊(紙) だいだい色の箱(中央線の小説) 東上線各駅短編集(東上線の小説) (電子書籍)北関東から競馬がなくなる日 廃業の日 fussa‘n‘roll 東京駅11,12,13番線 将棋ペンクラブの裏の幹事。 フォローはお気軽にどうぞ。

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    かつて東京駅にあった12・13番線ホーム。 そのホームの、夕方から夜にかけての普遍的なさまを書いていきます。

記事一覧

あしかがフラワーパーク(4)

 お城の辺りが、入り口から最も遠い場所になっている感じです。もっとも暗い中なので、よく分かりません。    そして次のイルミネーションへと、向かいます。  木の1…

曠野すぐり
2か月前
6

あしかがフラワーパーク(3)

 銀河鉄道のイルミネーションは、  虹に変わります。  みんなが、足を止めて、小道は人であふれかえります。一方通行ではなく、反対側からも人が来るので、かなりの渋…

曠野すぐり
2か月前
3

あしかがフラワーパーク(2)

 東武線の足利市駅から急いでJRの足利駅に向かい、なんとか両毛線に乗れました。乗り遅れれば、次は40分後です。  両毛線の足利駅から、あしかがフラワーパーク駅ま…

曠野すぐり
2か月前
5

あしかがフラワーパーク(1)

 昨年はコロナがおさまり、たくさんの祭りが復活しました。お祭りは夏から初秋が盛んですが、その時期からはみ出して、晩秋までイベントが詰まっていました。    そして…

曠野すぐり
2か月前
4

歴史ある秋祭りの復活「秋川歌舞伎」編(6)

 定刻より5分から10分くらい遅れて、舞台が始まりました。    幕は開かず、袖に人が出てきます。まずは、「口上」でしょうか。  立ち上がって聴く人もいます。10…

曠野すぐり
3か月前
9

すずなり

 昨年12月のこと。いい青空の中、ちょっと立ち止まったところに、和やかな眺めが。  東京は乾燥が続いて、ちょっと食べるにはむずかしそうな柿ですが、ほのぼのとさせ…

曠野すぐり
3か月前
10

季節を告げる柴犬

 神保町にある、「東京古書会館」。古書店が在庫を搬入搬出し、古本市が行われる、7階建ての建物。    ほとんどの人は、上階に上がるときにエレベーターを利用する。し…

曠野すぐり
3か月前
13

洋館カフェ(4)

 メニューを見て、オーダーします。    と、簡単に書きましたが、結構悩んで注文しました。いろいろと頼みたいものが多く、考え込んでしまったからです。  もっとも、…

曠野すぐり
3か月前
17

洋館カフェ(3)

 一般的な喫茶店は、靴のまま入店します。しかしこちらは、玄関で靴を脱ぎます。    個人宅に入っていくような気分。でも、玄関の左にはケーキのショーケース。店と個人…

曠野すぐり
3か月前
10

洋館カフェ(2)

   門をくぐって敷地に入ると、  かわいい窯がありました。    そこから、緑に囲まれた小道をくねくねと歩きます。  広い敷地で、オブジェが立っています。  喫…

曠野すぐり
4か月前
22

洋館カフェ(1)

 中央線でコーヒーや喫茶店を連想する駅は、たくさんあります。    むしろ、連想しない駅を挙げた方が、早いくらいです。豊田、西八王子、東小金井あたりでしょうか。他…

曠野すぐり
5か月前
17

歴史ある秋祭りの復活「秋川歌舞伎」編(5)

 宮入が無事に済んで、人々の目は、宮司さんたちからちょうど反対側の舞台に移ります。    そこでは毎年、奉納歌舞伎が演じられます。  こちらが、舞台。  社務所の…

曠野すぐり
5か月前
7

歴史ある秋祭りの復活「秋川歌舞伎」編(4)

 お神輿は階段を1段ずつ上がるので、進んでいるか、よく分かりません。ただ、気が付くと、神輿に乗って掛け声を出していた人の背中を見ていたのが、横顔を見られるように…

曠野すぐり
5か月前
7

歴史ある秋祭りの復活「秋川歌舞伎」編(3)

 お神輿が階段を上がっていく様子が、この祭りの大きな見どころです。  掛け声を発する人が、「さぁみんな!」といった感じで呼びかけ、  提灯を指揮棒のように、「そ…

曠野すぐり
5か月前
3

姿見の池(3)

 曇天のちょっと肌寒い日だったので、西国分寺でゆっくり休むことに。    選んだのは、カフェ「FLAっと」さん。西国分寺から国分寺方面に歩いてすぐのお店です。   …

曠野すぐり
5か月前
6

姿見の池(2)

 姿見の池の周辺は緑地帯になっています。    かなりのアップダウンがあり、樹々も生い茂っているので、周囲の人工物が見えなくなります。中央線の沿線では、最も自然に…

曠野すぐり
5か月前
4
あしかがフラワーパーク(4)

あしかがフラワーパーク(4)

 お城の辺りが、入り口から最も遠い場所になっている感じです。もっとも暗い中なので、よく分かりません。
 
 そして次のイルミネーションへと、向かいます。

 木の1本1本にも、電飾が輝いています。ただ、アトラクションのイルミネーションを惹きたてるためか、木々の電飾は白一色。

 藤の花で有名なフラワーパーク。イルミネーションでも藤の花です。

 藤棚では、白っぽさを基調としたものの、多少、色にバリ

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あしかがフラワーパーク(3)

あしかがフラワーパーク(3)

 銀河鉄道のイルミネーションは、

 虹に変わります。

 みんなが、足を止めて、小道は人であふれかえります。一方通行ではなく、反対側からも人が来るので、かなりの渋滞。
 
 フラワーパークの敷地は、とても広いです。ただ、この日は日曜で、入場者数も多いのです。
 駅から入場門に向かうとき、観光バスが続々入ってきていました。
 

 小道は続きますが、大型イルミネーションから離れると人が流れます。

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あしかがフラワーパーク(2)

あしかがフラワーパーク(2)

 東武線の足利市駅から急いでJRの足利駅に向かい、なんとか両毛線に乗れました。乗り遅れれば、次は40分後です。

 両毛線の足利駅から、あしかがフラワーパーク駅までは1駅。同じような駅名で近そうに感じますが、駅間の距離は6,2キロ。歩ける距離ではありません。中央線なら東京からほぼ四ツ谷までの距離。
 
 足利駅を出た両毛線は速くもなく遅くもないスピードで、タタンタタンと一定のリズムで、数分後にあし

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あしかがフラワーパーク(1)

あしかがフラワーパーク(1)

 昨年はコロナがおさまり、たくさんの祭りが復活しました。お祭りは夏から初秋が盛んですが、その時期からはみ出して、晩秋までイベントが詰まっていました。
 
 そして寒さが厳しくなるとイベントも下火となる……、かと思えば、この冬は各地でイルミネーションが盛んでした。都心など、隣接した区域で競うようにやっているところも。
 
 都心も行きましたが、せっかくなら遠方のイルミネーションへ行ってみようというこ

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歴史ある秋祭りの復活「秋川歌舞伎」編(6)

歴史ある秋祭りの復活「秋川歌舞伎」編(6)

 定刻より5分から10分くらい遅れて、舞台が始まりました。
 
 幕は開かず、袖に人が出てきます。まずは、「口上」でしょうか。

 立ち上がって聴く人もいます。100年以上の歴史を持つ、郷土民芸。毎年この祭りのラストを飾っています。客席には年配の人も多く、これを観ることを、「ショウガを買う」ことと共に、慣習としているのではないでしょうか。もっと言えば「1年の区切り」として、無事を感謝して翌年を祈願

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すずなり

すずなり

 昨年12月のこと。いい青空の中、ちょっと立ち止まったところに、和やかな眺めが。

 東京は乾燥が続いて、ちょっと食べるにはむずかしそうな柿ですが、ほのぼのとさせる眺めです。

 パッと見、柿が生っているのはこの木だけです。あとは、葉の落ちた枝が伸びる木ばかり。

 でも、せっかくなので、見まわします。

 すると、なにか生っているような感じが……。

 黒っぽい、丸いものが。色からして、柿ではあ

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季節を告げる柴犬

季節を告げる柴犬

 神保町にある、「東京古書会館」。古書店が在庫を搬入搬出し、古本市が行われる、7階建ての建物。
 
 ほとんどの人は、上階に上がるときにエレベーターを利用する。しかしぼくは階段。ここの2階の踊り場にいる柴犬に会うのが楽しみだからだ。
 
 柴犬といっても、古本溢れかえるビルなので、生きているそれではない。カレンダーの中の柴犬だ。

 こんな感じ。2ヶ月ごとのカレンダーだからか、季節に合わせたショッ

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洋館カフェ(4)

洋館カフェ(4)

 メニューを見て、オーダーします。
 
 と、簡単に書きましたが、結構悩んで注文しました。いろいろと頼みたいものが多く、考え込んでしまったからです。
 もっとも、旅行で訪れたお店ではなく、自宅からすぐ行ける距離なので、また来ていろいろ頼めばいいだけのことなのですが。

 まずは、コーヒー。単色で淡色。いい色のカップです。コーヒーの美味しさが、より引きたちます。
 
 雨でちょっと肌寒く、温かいコー

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洋館カフェ(3)

洋館カフェ(3)

 一般的な喫茶店は、靴のまま入店します。しかしこちらは、玄関で靴を脱ぎます。
 
 個人宅に入っていくような気分。でも、玄関の左にはケーキのショーケース。店と個人宅の、中間といった感じです。
 
 2階もあり、今は席が空いているとのことで、そちらを選択します。2階であれば、窓から庭を、より広く眺められます。
 
 スリッパで階段を上がり、振り向いて、

 写します。ミステリーの舞台のよう。

 昼

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洋館カフェ(2)

洋館カフェ(2)

 

 門をくぐって敷地に入ると、

 かわいい窯がありました。
 
 そこから、緑に囲まれた小道をくねくねと歩きます。

 広い敷地で、オブジェが立っています。

 喫茶店の入り口に、近づいていきます。この日は小雨模様でしたが、天気のいい日は外でも寛げるようです。

 そして入り口に。

 入っていきます。しかし残念ながら満席。にぎやかな声が、中から聞こえてきます。

 ちょっとの間、入り口前の

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洋館カフェ(1)

洋館カフェ(1)

 中央線でコーヒーや喫茶店を連想する駅は、たくさんあります。
 
 むしろ、連想しない駅を挙げた方が、早いくらいです。豊田、西八王子、東小金井あたりでしょうか。他はすべて、連想すると言っていいかと思います。
 
 それでも、特に強く喫茶店のイメージを持っている駅が、高円寺、吉祥寺、国立といったところ。
 
 その中の一つ、国立の、ちょっと変わった喫茶店に行きました。
 
 駅からのアクセスは、それ

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歴史ある秋祭りの復活「秋川歌舞伎」編(5)

歴史ある秋祭りの復活「秋川歌舞伎」編(5)

 宮入が無事に済んで、人々の目は、宮司さんたちからちょうど反対側の舞台に移ります。
 
 そこでは毎年、奉納歌舞伎が演じられます。

 こちらが、舞台。

 社務所の横です。
 
 社務所には多くの人が出入りしていますが、宮入が終わったからか、なんとなくのんびりムードです。
 顔見知り同士で、談笑しています。
 
 こちらは知り合いもなく、社務所入り口の前のベンチに座りました。舞台の前のベンチはい

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歴史ある秋祭りの復活「秋川歌舞伎」編(4)

歴史ある秋祭りの復活「秋川歌舞伎」編(4)

 お神輿は階段を1段ずつ上がるので、進んでいるか、よく分かりません。ただ、気が付くと、神輿に乗って掛け声を出していた人の背中を見ていたのが、横顔を見られるようになり、神輿の後部まで見えてきます。じりじりとですが、確実に登っていっているのです。

 階段登りのスタートは、ここでした。気の遠くなるような道のりです。

 それが、今は目の前を通りすぎています。
 
 担ぎ手の疲れもないようで、登っていく

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歴史ある秋祭りの復活「秋川歌舞伎」編(3)

歴史ある秋祭りの復活「秋川歌舞伎」編(3)

 お神輿が階段を上がっていく様子が、この祭りの大きな見どころです。

 掛け声を発する人が、「さぁみんな!」といった感じで呼びかけ、

 提灯を指揮棒のように、「そぉれ!!」と呼吸を合わせます。

 グッとのめり込み、

「それっ」と上へ、

 引き上げます。

「よし、やった!」と、担ぎ手を労い、

 「さぁ、もう一段!」と鼓舞します。
 
 この繰り返しで、一段、また一段と、上がっていきます。

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姿見の池(3)

姿見の池(3)

 曇天のちょっと肌寒い日だったので、西国分寺でゆっくり休むことに。
 
 選んだのは、カフェ「FLAっと」さん。西国分寺から国分寺方面に歩いてすぐのお店です。
 
 人気のお店で、ほぼ席が埋まっていました。

 ランチは、ワンプレート。やさしい味です。
 まわりのお客さんも、こちらのランチを頼んでいました。

 そして、コーヒーとケーキ。

 華やかです!
 
 以前は、このようなお店などありませ

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姿見の池(2)

姿見の池(2)

 姿見の池の周辺は緑地帯になっています。
 
 かなりのアップダウンがあり、樹々も生い茂っているので、周囲の人工物が見えなくなります。中央線の沿線では、最も自然に包まれた地帯だと思います。

 クルミがたくさん落ちていて、拾いました。
 
 姿見の池には、水が流れ込んでいます。その流れ込みは、住宅地を通っていると思えない、きれいなもの。

 府中街道のすぐそばなのに、澄んでいます。
 
 西国分寺

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