青島周一

個人投資家/メディカルライター/日商簿記検定1級/ビジネス会計検定1級/薬剤師/NPO…

青島周一

個人投資家/メディカルライター/日商簿記検定1級/ビジネス会計検定1級/薬剤師/NPO法人アヘッドマップ共同代表 【公式ウェブサイト:https://syuichiao.wixsite.com/website

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 このメンバーシップでは、登録販売者の実務にとって有用と思われるトピックスを取り上げ、科学的な根拠に基づいた対応の論理(ロジック)をニュースレターとして配信します。特に、エビデンス(臨床医学論文)と呼ばれるような科学的根拠を重視し、客観的な事実に基づく情報構築を目指します。  筆者は薬剤師として、ドラックストアで市販薬販売に従事したこともあります。しかし、既に実務を離れて数年が経過し、現在の現場を知らないと指摘されればそれまでです。とはいえ、薬の効果について、「どんな『語り』が可能か」、その論理をお示しすることはできると思っています。  このニュースレターが、登録販売者の皆様の実務にお役立ていただければ、これほど嬉しいことはありません。また、市販薬を扱う薬剤師にとっても有用な情報となるよう、質の高いコンテンツを目指します。さらには、市販薬の購入を検討している一般市民の方にとっても、有用な情報源となりますことを切に願っています。

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    この連載では、主にメディカルライターや医療系ウェブコンテンツの編集者の方を対象に、医療・健康情報を扱ったコンテンツ作成のノウハウをご紹介します。文章の書き方に関する基本的なテクニックや推敲時のポイント、見やすい図表の作り方に加え、医学に関する専門情報の取り扱い方法、学術論文(エビデンス)の検索や引用の仕方など、医療・健康情報に特化したコンテンツ作成のポイントを、まとめていきます。

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【ビジネス教養としての簿記・会計】企業はなぜ儲かるのかを考える-回収余剰をめぐる労働者と投資家の関係性

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青島周一
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青島周一
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夏バテに効果的なOTC医薬品はある?現象を緩和するとはどういうことか……

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 ドラックストアにOTC医薬品を買い求めに来るお客さんとは、いったいどんな人でしょうか。日常生活において、何らかの支障をきたしている健康問題を解決しようと考えてい…

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 紫外線が最も強くなる時期と言えば、7~8月を思い浮かべる方も多いでしょう。統計上は6月~8月にかけて紫外線量がピークになります。ただし、4月後半から5月にかけ…

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青島周一
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個別株では戦場の選び方、つまりポジショニングが大事だよという話

以下、雑感です💦  アステラス製薬の株価が継続的に下落していることから、配当利回りが5%近くまで上がっています。悲観は買いだとか何とか言って、アステラス製薬の株…

青島周一
2週間前
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【ビジネス教養としての簿記・会計】企業はなぜ儲かるのかを考える-回収余剰をめぐる労働者と投資家の関係性

【ビジネス教養としての簿記・会計】企業はなぜ儲かるのかを考える-回収余剰をめぐる労働者と投資家の関係性

 会社組織(以下、企業)のような経済主体の活動を、貨幣額を用いて記録するプロセスを簿記、記録された貨幣額を利害関係者に報告するためのシステムを会計と呼びます。
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【コラム】ラジオ体操をしても生活の質は改善しない?-クラスターランダム化比較試験とは何ぞや?

【コラム】ラジオ体操をしても生活の質は改善しない?-クラスターランダム化比較試験とは何ぞや?

 先日のオンライン抄読会で、フレイル(虚弱)高齢者に対するラジオ体操の有効性を検証したランダム化比較試験の論文を取り上げました(Osuka Y, et al.2024; PMID: 38403689.)。

 この研究では、フレイル予備群またはフレイルと評価された日本人高齢者226人が対象となりました。被験者は、ラジオ体操および栄養支援プログラムを実施する介入群と、栄養支援プログラムのみを実施

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生きることは健康リスクそのものであるということ。

生きることは健康リスクそのものであるということ。

※地域医療ジャーナル2020年09月号 vol.6(9)より転載です。情報の鮮度にご注意ください。

健康診断は、疾患の予防、早期発見を目的とした予防的な医療の中でも、身近な医療の一つでしょう。労働安全衛生法では、事業主に対して、労働者に対する健康診断の実施を義務付けており、会社勤めの人にとっては、“健康診断は1年に1回は受けておくもの” というイメージが一般的かもしれません。

 とはいえ、健康

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医療者の利益相反-製薬企業からの利益供与とその影響―

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 「弁当くらいで処方は変わりません」 ある医療従事者向けウェブサイトに、そんなタイトルの記事が掲載されていた。[1] 同記事によると、学会で製薬企業が弁当などを無料で提供して行っている「ランチョンセミナー」の必要性について、7割の医師が「あった方が良い」と回答していた。

 調査の対象となったのは同ウェブサイトに登録している2567人の医師である。ランチョンセミナーがあった方が良いと回答した理由と

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不健康管理社会、あるいは“シビュラメデュケーション”

不健康管理社会、あるいは“シビュラメデュケーション”

 先日、とある研修会でシネメデュケーションという言葉を知る機会がありました。シネメデュケーションとは映画の「Cinema」、医療の「medical」、教育の「education」を掛け合わせた造語で、1994年にAlexanderが提唱したそうです。[1] 

 シネメデュケーションは映画作品に描かれた世界を通して、人の身体的、精神的健康とそれに関わる医学・医療のさまざまな行き詰まりや未解決課題を

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論文の記載に印象操作!? 臨床医学論文のスピンに惑わされない4つのポイント

論文の記載に印象操作!? 臨床医学論文のスピンに惑わされない4つのポイント

 質の高い医療情報の一つに論文情報があります。臨床医学に関する論文は総じてエビデンスなどと呼ばれますが、その中でも情報の妥当性に優れているのがランダム化比較試験の結果をまとめた論文です。

 ランダム化比較試験において、薬の有効性や安全性を評価するために用いられる指標を評価項目(アウトカム)と呼びます。

 たとえば、高血圧治療薬であれば、血圧の値のみならず、脳卒中の発症率や死亡率、あるいは副作用

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医療・健康問題の意思決定における限定合理性について

医療・健康問題の意思決定における限定合理性について

 意思決定をする際に僕たちが参照している情報は、合理的に判断するために必要な全ての情報ではありません。

 例えば、“ある健康食品が体に良い”というテレビ番組を見て、その健康食品を買い求めようという意思決定を想像してみてください。その意思決定において参照されている情報は、テレビ番組の内容がほとんどであり、健康食品に関する様々な情報を集め、その有効性や安全性について、徹底的に吟味した結果ではありませ

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高齢者薬物療法における倫理的な問題

高齢者薬物療法における倫理的な問題

 高齢者における多剤併用、いわゆるポリファーマシーをめぐる問題が注目される中で、潜在的に有害事象リスクの高い薬剤、あるいは医学的に無益な薬剤を、いつ、どのように減らしていくかという議論が活発になされているように思います。

 もちろん、こうした問題に関心が集まっているのは日本だけではありません。世界的に見ても、薬剤処方数は年々増加しており[1][2][3]PubMedに収載されている「Polyph

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”フレーミング効果”と”ナッジ”をめぐる倫理的問題

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 医療機関を受診する前に、インターネットを利用して健康関連情報を収集する人は少なくありません【1】~【3】。医療機関を受診するかどうかの判断のみならず、検診や予防接種を受けるかどうか、あるいは市販薬やサプリメントの購入などにおいても、医療・健康情報が僕たちの行動に何らかの影響を与えていることは否定しがたい事実です。

 インターネットやマスメディアから発信される情報内容の(科学的な)妥当性や信憑性

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クスリのリスク〜その分類、認識、評価〜

クスリのリスク〜その分類、認識、評価〜

「副作用」という言葉は薬の有害性を語るうえでとても馴染のある言葉です。そしてこの「副作用」は、一般的には否定的な、つまり好ましくない結果を示す言葉として用いることが多いように思います。しかしながら、本来「副作用」とは「主作用」の対義語であり、肯定的な好ましい結果に対しても用いられることがあります。

 例えば胃の調子が悪くて、なんとなく味覚の障害も感じている患者さんがいたとしましょう。こうした患者

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医療系メディアと真実のゆくえーコホート研究論文に言及するうえで注意すべき2つのポイント

医療系メディアと真実のゆくえーコホート研究論文に言及するうえで注意すべき2つのポイント

HPV(Human Papilloma Virus:ヒトパピローマウイルス)ワクチンの有効性に関する研究報告【1】が、世界的にも有名な医学誌「New England Journal of Medicine」に、2020年10月1日付で掲載されました。インターネット上でも広く関心を集め、一般メディアでも報道【2】されましたので、ご存じの方も多いと思います。

 HPVワクチンは、子宮頸がんを予防

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糖尿病スクリーニングの費用対効果

糖尿病スクリーニングの費用対効果

 糖尿病の早期発見や、糖尿病治療の指標となる血液検査項目にHbA1c値がありますが、このHbA1c値を気軽に測定できる 『ゆびさきセルフ測定室』 という取り組みがあります[1]。 
 『ゆびさきセルフ測定室』 とは、指先から採ったわずかな血液を分析することで、自分の健康状態をチェックできるスペース(血液検体測定室)のことで、保険薬局を中心に、日本全国で1500か所を超えたそうです[2]。

 こう

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夏バテに効果的なOTC医薬品はある?現象を緩和するとはどういうことか……

夏バテに効果的なOTC医薬品はある?現象を緩和するとはどういうことか……

 桜の花びらが散ってしまったと思ったら、あっという間にゴールデンウイークに突入してしまいました。時間が舞い落ちるスピードは秒速5センチメートルをはるかに超えているかのようです……。

 気温もぐんぐん上がるこの時期、連休を挟む変則的な仕事のスケジュールで生活リズムが乱れ、疲労感を訴える方も多いのではないでしょうか。夏バテと呼ぶには早いかもしれませんが、とにかく気温が高いだけで疲れを覚えるということ

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【コラム】OTC医薬品を買い求めに来るお客さんとは?-医療人類学の観点から登録販売者の役割を考察する-

【コラム】OTC医薬品を買い求めに来るお客さんとは?-医療人類学の観点から登録販売者の役割を考察する-

 ドラックストアにOTC医薬品を買い求めに来るお客さんとは、いったいどんな人でしょうか。日常生活において、何らかの支障をきたしている健康問題を解決しようと考えている人には違いありません。

 とはいえ、自身の健康状態に関心が向いたとしても、全ての人がドラックストアに足を運ぶわけではありません。むろん、病院などの医療機関を受診する人もまた、健康状態に関心のある人の一部でしかありません。

 今回

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体の内側からしみ・そばかす対策!!そんなことが可能なんですか!?

体の内側からしみ・そばかす対策!!そんなことが可能なんですか!?

 紫外線が最も強くなる時期と言えば、7~8月を思い浮かべる方も多いでしょう。統計上は6月~8月にかけて紫外線量がピークになります。ただし、4月後半から5月にかけて紫外線量は急速に増加し、近年では5月と言っても、真夏の紫外線量とほとんど変わりません【図1】

 紫外線量が増える時期には、肌のトラブルで悩まれる方も増えることでしょう。特に、シミやそばかすは美容上の観点からも改善・予防ニーズの高い健康問

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個別株では戦場の選び方、つまりポジショニングが大事だよという話

個別株では戦場の選び方、つまりポジショニングが大事だよという話

以下、雑感です💦

 アステラス製薬の株価が継続的に下落していることから、配当利回りが5%近くまで上がっています。悲観は買いだとか何とか言って、アステラス製薬の株に対して買いを推奨するポストも見受けられるのですが、これは謙虚さがないなぁと感じます。  

 アステラス製薬といえば、日本を代表する製薬会社であり、海外の売上高比率が8割を超えるグローバル企業です。
 当然、アステラス製薬の企業価値

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