マガジンのカバー画像

TOKYO COMPLEX

11
運営しているクリエイター

記事一覧

TOKYO COMPLEX「ゲームセンターの夢」

大学に入学した当初、授業と授業の合間に空き時間があり、友人とゲームセンターに行くことがあった。
その時、よく遊んだのが「太鼓の達人」だった。
浪人生活をしていたとはいえ、まだまだ子供じみていた僕ら(今も十分に子供じみているが)は太鼓の達人を遊んでは各々のスキルを高めあっていた。
一時、「太鼓の達人倶楽部」みたいなノリもあった。
しかし、我々のプレイが終わるのを今か今かと待っていた高校生らしき人たち

もっとみる

TOKYO COMPLEX「ローカルとしての東京」

出身が北海道である僕からすると東京は憧れの街だった。
そして2009年に上京した。
首都としての煌びやかな東京に憧れていた。
幼少期に旅行で訪れた東京はお台場や東京ディズニーランド(厳密には東京ではない)といった、観光に特化した東京だったため、生活の場として東京を住み始める前は観光都市としての東京のイメージが強かった。
東京、といっても僕の住処は国分寺であり23区外であった。
思い描いていた観光都

もっとみる

TOKYO COMPLEX「夜を歩く」

上京して、というより、一人暮らしをし始めて大きく変わったことは夜の時間を自由に過ごすことができるようになったことだ。

高校生までの頃、夜は家で過ごす時間だった。
札幌の外れのベッドタウンに実家があったため、娯楽施設はない。
さらに高校も札幌の外れにある高校だったこともあり、割と素直に家に帰っていた。
厳格な家庭ではなかったが、真面目に育てられた僕は夜は家で本を読んだり、テレビを見たり、ネットをし

もっとみる

TOKYO COMPLEX「中野サンプラザ」

人生において中野サンプラザには3回、足を運んだことがある。

1回目は忘れもしない、2010年1月21日。

自他共に認める音楽好きである僕ではあるが、その中でも特に好きなアーティストは複数いて、その中でもさらに盲目的に好きで且つ影響を受けまくったアーティストがいる。
その1つが「フジファブリック」というバンドである。
僕が音楽にのめりこむようになった2008年の夏に出会ったバンドであり、「赤黄色

もっとみる

TOKYO COMPLEX「阿佐ヶ谷、一人で行くか?二人で行くか?」

自分が今、こうして存在しているのは数多の取捨選択を行ってきた結果である。様々な選択肢があり、時折(いや、もしかすると大半)自覚のない中で一つの選択肢を選び、生きていて、今、存在している。
その選択肢が正解なのか否か、という問いに対する絶対的な解はないだろう。もしあの時、違う選択肢を選んでいたら今以上に辛い日々になっているのかもしれないし、逆により良い日々になっていたのかもしれない(その「良い日々」

もっとみる

TOKYO COMPLEX「シブヤ・シティ・ボーイ」

地方、特に観光地や温泉地などはその土地から発せられるエネルギーを享受し、リフレッシュし、元気になると考えている。
他方、東京と言う街は人々のエネルギーを吸収し成立している街だと考えている。
特に「渋谷」という街は若者のエネルギーをどんどんと吸収し、渋谷という街を成立させているに違いない。

情報の発信地として渋谷が注目されるのは情報の発信源である若者が多いから。最近はその役目を原宿が背負ってきては

もっとみる

TOKYO COMPLEX「武蔵小金井は東京なのか?」

受験前日。
当日、道に迷わないように試験地を下見することにした。

僕の出身校は東京学芸大学という大学。
北海道に住んでいた僕はオープンキャンパスに行くこともなく、学びたい勉強があるか、ということを中心に大学案内とネットの情報、予備校講師によるアドバイスで東京学芸大学を受験することになった。
そのため大学周辺の地理的情報をほとんど知らずにいた。

今でもよく言われるのが「じゃあ、最寄駅は『学芸大学

もっとみる

TOKYO COMPLEX 「銀座交差点」

前回の続きです。
TOKYO COMPLEX 「銀座は眩しかった」

初めて銀座に訪れたのが2012年の就職活動中、という記憶で話を進めていたのだが、ふとしたきっかけで過去の日記を読み返すとその記憶は間違っており、正しくは2009年の5月末。僕がまだ東京という街に馴染んでいない、大学1年生の初夏だった。

この話をするには小学生の時まで時計の針を戻す必要がある。
小学生だったころ、理由は不明だが「

もっとみる

TOKYO COMPLEX 「銀座は眩しかった」

銀座。
この単語が持つ輝きそのものに眼が眩んでしまいそうになる。

東京都中央区に位置する、有数たる高級商店街。「銀座」そのものが一種のブランド名となっており、地方にも銀座と名がつく商店街をよく目にする。

北海道に住んでいた幼少期の頃の僕ですら銀座という街は他の東京の街と比べワングレード高いイメージを持っていた。
昭和時代に近い描写ではあるが、正装をして家族で百貨店に行き、レストランで洋食を食べ

もっとみる

TOKYO COMPLEX 「八王子とぺヤング」

東京と言う街で生活をするために、少なからず僕には明確な理由の提示が必要だった。
ロックミュージシャンのようにギター1本で夢を追いかけるために東京へ向かう、という話には憧れを抱きつつ、現実はそうもいかないし、そこまでの勇気と実力と親に対する反発心は当時の僕にはない(そして、今の僕にもないはずだ)。

現役生だった頃の僕は高1の時から憧れていた地元・北海道の大学への進学を第一志望としており、併願校も北

もっとみる

TOKYO COMPLEX 「Introduce」

コンプレックス、という言葉は主に心理学・精神医学で用いられてきた言葉であり、「観念の複合体」の意である。
そこから派生し、いわゆる「劣等感」と呼ばれる言葉の意味合いを持つようになった。

東京は言わずもがな、日本という国における首都である。
約2,200平方キロメートルという全国で下から3番目の面積でありながら、約1,300万人の人口を有し、全国1位の記録を持っている。

その数字から察するに純粋

もっとみる