音無桜花

詠みます。

音無桜花

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記事一覧

芍薬。の第百二十二首

第百二十二首 芍薬が白い花弁を惜しみなく 朝日の中に散らせています ─── 音無桜花 2024.05.14. 早朝。 白い芍薬。 花弁が道端に織り敷くように散っていました。

音無桜花
1時間前
2

それ、和了。の第百二十一首

第百二十一首 まぁ待てよ。勝負の続きはあの世でしようぜ。 あの頃みたいに勝たせてもらうぜ。 ─── 音無桜花 2024.05.12. 「なにぃ!! いやいや、俺が勝ってたね!…

音無桜花
1日前
3

猫。の第百二十首

第百二十首 野良猫が小さな祠の軒の下 雨やどりする夏浅い午後 ─── 音無桜花 2024.05.12. 曇り空。 時折小雨が降っています。 街辻の小さな小さな鳥居の向こう、小…

音無桜花
1日前
4

花の香。夜。の第百十九首

第百十九首 小夜更けて溶けて流れる花の香 その名も知らずに酔わされている ─── 音無桜花 2024.05.11. わずかに空気に重さを感じる夜。 強めの、ですが香しい花の匂…

音無桜花
2日前
3

溜め息。の第百十八首

第百十八首 押しつつむ夜の重さに気づかされ 思わずひとり溜め息をする ─── 音無桜花 2024.05.06. 深夜詠 雨の夜更け。 心地良いような、不安なような。 眠れない夜…

音無桜花
7日前
4

新緑の屋根。の第百十七首

第百十七首 葉桜に軒をかりては雨宿り 尻尾をたてた黒猫がゆく ─── 音無桜花 2024.05.06. 外出先で雨。 雨脚が落ち着くまで、露に濡れる葉桜の陰で雨宿りです。 草…

音無桜花
7日前
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しずかな公園。第百十六首

第百十六首 人気なく街から離れた公園の 遊具はかたく沈黙したまま ─── 音無桜花 2024.04.30. GWの谷間、雨が降ってきそうな空の一日。 普段から訪れる人が少なめな…

音無桜花
13日前
4

緑かがやく。の第百十五首

第百十五首 青葉たつ径ゆくきみの背にひかる 初夏の陽射しと淡色の髪 ─── 音無桜花 2024.04.28. 新緑の小径・木漏れ日のなか 今日はパートナーと共に、県内屈指の古…

音無桜花
2週間前
5

初夏、前奏。の第百十四首

第百十四首 静けさに光と影が揺れています 遠くでからり枯れ竹の音 ─── 音無桜花 2024.04.25.

音無桜花
2週間前
6

儚く。の第百十三首

第百十三首 逝く春のいのちの残滓が散るように はらりはらりと花が散ります ─── 音無桜花 2024.04.23.

音無桜花
2週間前
3

夜の車窓。の第百十ニ首

第百十二首 レゴのように車窓を流れる街灯り 電車の音はあの日と同じ ─── 音無桜花 2024.04.21. 深夜詠 パートナーの手術後、回復経過を見るために滞在していたパー…

音無桜花
3週間前
4

穀雨。の第百十一首

第百十一首 春過ぎて名残りの熱を冷ますように 静かに静かに雨が降ります ─── 音無桜花 2024.04.21. 穀雨のおとずれに。 春爛漫の頃が過ぎて、暦は穀雨に。 今日は暦…

音無桜花
3週間前
3

今年の記念日。の第百十首

第百十首 風に舞う名残りの花とともに行き 虹が咲くころ迎えに行きます ─── 音無桜花 2024.04.07. 今日は私とパートナーの記念日。 折しも今年は桜が満開の一日とな…

音無桜花
1か月前
3

哀傷の桜。の第百九首

第百九首 墨染の桜も幾年咲き巡り いまは薄紅深草の枝 ─── 音無桜花 2024.04.03. 昨日は京都伏見へと出かけました。 今年は他のタイミングでお花見できそうになく、…

音無桜花
1か月前
5

滔々と。の第百八首

第百八首 あの春の、あの夏の日の、あの秋冬の、 時間の欠片が流れていきます。 ─── 音無桜花 2024.03.31. ようやく春本番の日和が訪れるようになりました。 気温が…

音無桜花
1か月前
4

優しい雨。の第百七首

第百七首 夜更け過ぎ恋の痛みに少し似た やさしい春の雨が降ります ─── 音無桜花 2025.03.25. 深夜詠 先週来、雨模様・雪模様の天気が続いています。 今夜は夜半にな…

音無桜花
1か月前
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芍薬。の第百二十二首

芍薬。の第百二十二首

第百二十二首
芍薬が白い花弁を惜しみなく
朝日の中に散らせています
─── 音無桜花

2024.05.14.

早朝。
白い芍薬。

花弁が道端に織り敷くように散っていました。

それ、和了。の第百二十一首

それ、和了。の第百二十一首

第百二十一首
まぁ待てよ。勝負の続きはあの世でしようぜ。
あの頃みたいに勝たせてもらうぜ。
─── 音無桜花

2024.05.12.

「なにぃ!! いやいや、俺が勝ってたね!」
「次も勝たせてもらうね!!」

雀友の声がきこえてきそうです。

猫。の第百二十首

猫。の第百二十首

第百二十首
野良猫が小さな祠の軒の下
雨やどりする夏浅い午後
─── 音無桜花

2024.05.12.

曇り空。
時折小雨が降っています。

街辻の小さな小さな鳥居の向こう、小さな祠の軒先で野良猫が雨宿りしています。

祠の観音扉の前で香箱座り。
所在無げな様子。

神さまも苦笑いかもしれません。

花の香。夜。の第百十九首

花の香。夜。の第百十九首

第百十九首
小夜更けて溶けて流れる花の香
その名も知らずに酔わされている
─── 音無桜花

2024.05.11.

わずかに空気に重さを感じる夜。
強めの、ですが香しい花の匂いが漂ってきました。

花の正体は、わからないままです。

溜め息。の第百十八首

溜め息。の第百十八首

第百十八首
押しつつむ夜の重さに気づかされ
思わずひとり溜め息をする
─── 音無桜花

2024.05.06. 深夜詠

雨の夜更け。
心地良いような、不安なような。

眠れない夜。

新緑の屋根。の第百十七首

新緑の屋根。の第百十七首

第百十七首
葉桜に軒をかりては雨宿り
尻尾をたてた黒猫がゆく
─── 音無桜花

2024.05.06.

外出先で雨。
雨脚が落ち着くまで、露に濡れる葉桜の陰で雨宿りです。

草っ原を、黒猫が小走りに走っていきました。

しずかな公園。第百十六首

しずかな公園。第百十六首

第百十六首
人気なく街から離れた公園の
遊具はかたく沈黙したまま
─── 音無桜花

2024.04.30.

GWの谷間、雨が降ってきそうな空の一日。

普段から訪れる人が少なめな公園。
今日は誰もいません。

乗るひとがいないブランコが、揺れることなく静かに佇んでいます。

緑かがやく。の第百十五首

緑かがやく。の第百十五首

第百十五首
青葉たつ径ゆくきみの背にひかる
初夏の陽射しと淡色の髪
─── 音無桜花

2024.04.28.
新緑の小径・木漏れ日のなか

今日はパートナーと共に、県内屈指の古刹・紅葉の名所『教林坊』へ出掛けてきました。

通常は非公開のお寺なのですが、現在は初夏の新緑シーズンの限定公開期間にあたり、秋の紅葉時期とは違った趣きの景観を目にする事ができます。(※拝観日は教林坊のホームページを参照下

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初夏、前奏。の第百十四首

初夏、前奏。の第百十四首

第百十四首
静けさに光と影が揺れています
遠くでからり枯れ竹の音
─── 音無桜花

2024.04.25.

儚く。の第百十三首

儚く。の第百十三首

第百十三首
逝く春のいのちの残滓が散るように
はらりはらりと花が散ります
─── 音無桜花

2024.04.23.

夜の車窓。の第百十ニ首

夜の車窓。の第百十ニ首

第百十二首
レゴのように車窓を流れる街灯り
電車の音はあの日と同じ
─── 音無桜花

2024.04.21. 深夜詠

パートナーの手術後、回復経過を見るために滞在していたパートナー宅を離れ、自宅へと戻ってきました。

降雨のため出発を遅らせて乗った電車は、日曜の夜とあって比較的空いていました。
自宅まで約2時間半の行程です。

車窓の向う側では、私の目に無味乾燥に感じる街灯りの風景が、暗闇のな

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穀雨。の第百十一首

穀雨。の第百十一首

第百十一首
春過ぎて名残りの熱を冷ますように
静かに静かに雨が降ります
─── 音無桜花

2024.04.21.
穀雨のおとずれに。

春爛漫の頃が過ぎて、暦は穀雨に。
今日は暦通りに雨が降っています。

自然は着実に、営み通りの歩みを進めているようです。

季節変わりの激しい雨とは違う、静かな雨が世界を潤してゆきます。

今月、手術を済ませたパートナーの足取りも次第にしっかりしてきました。

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今年の記念日。の第百十首

今年の記念日。の第百十首

第百十首
風に舞う名残りの花とともに行き
虹が咲くころ迎えに行きます
─── 音無桜花

2024.04.07.

今日は私とパートナーの記念日。
折しも今年は桜が満開の一日となりました。

今年は例年と異なりパートナーが手術を控えています。
よって本格的なお花見は先日済ませて、今日は買い物がてらの散策花見です。ソメイヨシノが鈴生りに花を咲かせています。

明日からは早くも花が散り始めそうな気配。

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哀傷の桜。の第百九首

哀傷の桜。の第百九首

第百九首
墨染の桜も幾年咲き巡り
いまは薄紅深草の枝
─── 音無桜花

2024.04.03.

昨日は京都伏見へと出かけました。

今年は他のタイミングでお花見できそうになく、観光地の散策を兼ねてのお花見です。
満開手前の開花状況でしたが、好天に恵まれて情緒あるお花見日和になりました。

十石舟が行き交う堀割や酒蔵が建ち並ぶスポットの散策とあわせて、目的地のひとつとしたのが墨染寺です。

別名

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滔々と。の第百八首

滔々と。の第百八首

第百八首
あの春の、あの夏の日の、あの秋冬の、
時間の欠片が流れていきます。
─── 音無桜花

2024.03.31.

ようやく春本番の日和が訪れるようになりました。

気温が上がってきたので、トレーニングの時間を早朝に切り換え、コースもお馴染みの経路に変更しました。

このコースは最寄りの河川沿いにある堤防を目的地としていて、折返し地点まで川を見ながら走る事になります。

今朝の川の様子は、

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優しい雨。の第百七首

優しい雨。の第百七首

第百七首
夜更け過ぎ恋の痛みに少し似た
やさしい春の雨が降ります
─── 音無桜花

2025.03.25. 深夜詠

先週来、雨模様・雪模様の天気が続いています。
今夜は夜半になって雨脚が強まってきました。

春の雨は肌寒さのなかに僅かな暖かさを湛えていて、冬の雨との違いを感じさせます。
冷たさと温かさが同居していて、秋の雨と同じく季節変わりの雨はどこか切ない感じ。

まるで恋の甘やかさと痛みの

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