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下界での仲居生活

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山から降りている期間の、仲居あるいはホテルマン生活を綴ります
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記事一覧

ビジネスホテルでの学び

ビジネスホテルでの学び

4月の中旬から山小屋に入るため
冬の間に勤めていたビジネスホテルを退職しました。
11月に入社したため、働いた期間は5ヶ月程度でしょうか。ここ最近の私にしては長く勤めました。

これまで山小屋、旅館、リゾートホテル、ゲストハウスと勤務経験はありますが、
ビジネスホテルは初めて。

今回ビジネスホテルを選んだ理由は
フロント勤務をメインに経験したかったことと、ビジネスホテルという業態の勉強を目的とし

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大学受験とホテルと

大学受験とホテルと

今日は松本市にある大学の入試の日です。
その前日である昨日は私の働くホテルでも受験生の宿泊が多数ありました。

受験は昨年末から始まっている

この受験日前日のホテルの予約は、
ビジネスホテルには珍しく早く昨年から既に始まっていて、かなり早い段階で満室に近い状態が続いていました。

また受験生の受験状況、例えば第一志望に先に合格したことによるキャンセルや変更、新規予約と日々予約状況が変わるので、

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ビジネスホテル大雪の1日

ビジネスホテル大雪の1日

台風・大雨・大雪、
天災があるとたびたびTVに出てくる

タクシー待ちの行列、
真っ黒な駅の電光掲示板、
途方に暮れた人へのインタビュー。

いずれも山小屋暮らし、住み込み生活の多い私にとってはTVの向こうの世界の話でしたが、
先日ビジネスホテルにてその世界に少し触れたのでそのお話を。

先日、松本で雪が降りました。
積雪は26〜28cmとのこと。

表題に「大雪」と記載しましたが、
雪国の方から

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ビジネスホテルの年越し

ビジネスホテルの年越し

社会人になって早7回目の年越し。
実家で過ごした2021年の年末を除けば、毎年年末年始は必ず忙しい日々を過ごしていました。

↓昨年の話

旅館にとって年末年始は、GW・お盆と並んで年3回ある最繁忙期の一つ。

加えて新年を迎えるめでたい日ということで、料理が豪華になったり、
イベントを行なったりでとりわけ特別な繁忙期です。
詳しくは2020〜2021年に書いた記事にて↓

そんな忙しい年末年始を

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全国旅行支援のこと〜ビジネスホテルのフロントから〜

全国旅行支援のこと〜ビジネスホテルのフロントから〜

前回のビジネスホテルで働き始めた話から続いて、今回は全国旅行支援の話を。

10月から始まった全国旅行支援、
全国を対象にした観光需要喚起策とのことで、以前の地域割やGOTOトラベルキャンペーンに引き続き、旅行好きな方や出張が多い方はもう馴染みのキャンペーンかと思います。

ざっくりとした内容を上げると
旅行割引は、旅行代金から40%割引(1人1泊あたりの上限あり)

さらに、旅行先の土産店などで

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山小屋からビジネスホテルへ

山小屋からビジネスホテルへ

山小屋から下りまして、しばらくの間東京に行ったり大阪に行ったり実家に帰省したりとフラフラしていましたが、そろそろ働かないとヤバいぞ!
ということで松本市内のビジネスホテルのフロントの求人に応募して無事に職を得ました。
山からはだいぶ離れ、駅近のホテルと環境は大きく変わりましたが、仕事中に北アルプスを眺めることができる私にとっては嬉しい職場です。

そして山小屋でのTシャツと頭に手ぬぐいという姿から

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客室清掃から見えるもの

客室清掃から見えるもの

今回はゴールデンウィークにちなんで、ホテルの話を。

宿泊施設の仕事の中でもフロント、料飲関係の他に重要な仕事として客室清掃があります。

宿のチェックアウトをする際に
三角巾をした清掃スタッフが
大きなカートを押している姿を見る機会も多いと思いますが、

私も山小屋、ホテル、旅館で働くなかで、
そんな客室清掃の仕事をすることが度々あります。(三角巾はしてません)

一般的なビジネスホテルですと、

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久しぶりに実家で迎える年越し

久しぶりに実家で迎える年越し

大晦日ですね。2021年ももう少しで終わりです。

例年ですと宿泊業に従事しているため
激務の12月31日ですが
今年はのんびり実家で過ごしております。

実は年末年始に実家に帰省したのは
社会人になって初めてです。

宿泊業において年末年始は1年の中でも
とりわけ忙しい時期の一つ。
例年ならちょうど夕食提供が落ち着いて
明日の準備を進めている時間でしょうか。

実際の現場の話は昨年末の記事に少し

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2020年7月豪雨の記憶 陸の孤島の経験

2020年7月豪雨の記憶 陸の孤島の経験

7月に入っていよいよ本格的な梅雨になってきました。「梅雨前線」に「線状降水帯」、大雨に関わる用語が天気予報に日々並びます。

そんなワードを聞いていると思い出すのは
昨年のちょうどこの時期に奥飛騨で働いていた時のことです。
当時は日本各地で豪雨の被害があり、隣の下呂や同じ高山市内でも被害があったので、奥飛騨自体が大きく取り上げられることはありませんでしたが、私も少なからず豪雨の被害を受けて「陸の孤

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雨の自然を楽しむために

雨の自然を楽しむために

私は夏場は主に山小屋で働いていますが、それ以外の期間も山間部や自然豊かな地域のホテルや旅館で働いています。
そのためお迎えするお客様も「ハイキング」や「渓流散策」といった屋外でのアクティビティを楽しみに来られます。

このような宿では、晴れていれば問答無用に満足していただける反面、
雨が降ってしまうとお客様の残念そうな様子が見受けられ、宿の評価自体にも関わってきてしまいます。
そんな雨の日、いかに

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ホテルの朝は早い、山小屋の朝はもっと早い

ホテルの朝は早い、山小屋の朝はもっと早い

ゴールデンウィークも半ばになりまして、私の職場も忙しさのピークとなってきました。
前回の投稿で奥飛騨の話を書きましたが、現在はまた別の大型のホテルに勤めています。

これまではほとんど小規模な旅館やホテルしか経験してこなかったので、初めて「バイキング」というものに関わることになりました。

朝からたくさんの料理が並べられる「朝食バイキング」。これまで何度も利用する度に「スタッフさんは一体何時に起き

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北アルプス懐の温泉郷〜奥飛騨〜

北アルプス懐の温泉郷〜奥飛騨〜

山小屋で働くシーズンは主に初夏から秋、
それ以外の季節はスタッフ各々、スキー場や農家バイトなど日本各地で働いています。
私の場合は前職が宿泊業だったこともあり、旅館やホテルを中心に働いています。

ここ2年ほどは冬の間、岐阜県の奥飛騨温泉郷の旅館で働いていました。

今回はそんなお世話になっている奥飛騨を宣伝しよう、ということで奥飛騨の魅力を綴りたいと思います。
こちらの記事を読んでくださった方が

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期待感をコントロールする

期待感をコントロールする

今回は宿業の話です。​

テレビや雑誌などでホテルや旅館が紹介されることはよくあります。
美しい写真や映像、テレビであれば芸能人が感動している様子が映し出されたりして魅力的に発信されていますよね。

そういったものを見て、いざ自分が泊まるとなると期待に胸膨らむのではないでしょうか。

でも実際に行ってみると映像で見たほど綺麗でなかったり、映っていなかった部分は汚かったり。スタッフの愛想が悪かったり

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繁閑の差

繁閑の差

岐阜県の緊急事態宣言が明けて1週間が経過しました。
奥飛騨周辺の観光地も営業を再開し、徐々に通常時に戻りつつあります。

お客様の状況については、宣言前と後で大きな変化はなく、2月と変わらないくらいでしょうか。まだ様子見といった状況のようです。

Gotoトラベルの再開はまだ先になりそうですが、
今後コロナの状況が改善されればGotoがなくとも、
観光業及び宿泊業も需要の反動で忙しくなるのではない

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