針とら

小説家。児童小説中心に活動してます。 「絶望鬼ごっこ」シリーズ(集英社みらい文庫)、「…

針とら

小説家。児童小説中心に活動してます。 「絶望鬼ごっこ」シリーズ(集英社みらい文庫)、「死神デッドライン」シリーズ(角川つばさ文庫)、「恐怖の帰り道」シリーズ(学研プラス)など。 noteでは雑記とか創作論とかプロットとかをちょろちょろと書いてます。

マガジン

  • ライターズブロックを考える

    小説書いてたんだけど……なんか書けなくなった! 話が思いつかないわけではないんだけど、言葉が詰まってでてこない…。 そんな状態によく陥るダメダメ小説家が、なんとかそれを解消しようと、考えをまとめたり気持ちを吐きだしたり好きなものを語ったりするマガジン。

  • 雑記

  • オレオレ創作論

  • 好きの言語化訓練ブートキャンプ

    好きな作品のどのへんが好きなのか語っていくうちに、「好きの言語化」をできるようになってみたい! という企画。

最近の記事

  • 固定された記事

👹『絶望鬼ごっこ』シリーズ紹介👹

絶望鬼ごっこも1巻刊行から、早9年! 現在、既刊23冊が発売されています! さすがにこれだけ冊数が多くなると、初見の読者は「多すぎてわからん!」って、手に取りにくいだろうなぁと思い。敷居高いよね…。 なので、完結前のこの機会に、シリーズをどう読んでいったらいいか、わかりやすく紹介してみました! 興味あるけど読んでない人は、ぜひチェックしてみてくれ! まず、シリーズを大雑把にざっくり分けると、以下のようになります! ざっくり分類!『小学生編』(1~10巻) 大翔たちが小

    • ぐずぐず

      ひきつづき最終巻の原稿を書いているのだが、なんとなく変な気持ちだ。 ここ数年、ヘトヘトになりながらフルマラソン走っている感じだったので、はやく最後まで走り抜けたいな! と思って書いてきた。 ……なのだが、いざほんとうにゴールが近づいてくると、書き終えたいような、書き終えたくないような気持ちが湧いてきて、ちょっぴりぐずぐずしている。 原稿を書いてるときの心理変化は、あとから振り返ってみると育児のものに性質が近い。 僕は育児をしたことがないが、おそらくそうだ。 失敗を振り返って

      • 1月の月記

        絶望鬼ごっこ23巻が2/22に出る。 再校も終わったので、僕の残作業はもうほぼなし。 見本誌を楽しみに、ワクワクしています。 今回はね、はじめての見開きイラスト! があるよ! で、僕は現在、最終巻の原稿にかかっている。 一桁巻のころはそうでもなかったが、二桁巻も半ばをすぎたあたりから、初稿を書くのに、ほんとうに気力と体力を使う。 動かすキャラクターも格段に増えて、一冊で閉じきらない話にしていることもあって、これまでの展開の流れから生じる情報量が多い。 それを初見の読者には視

        • 児童書における「ふつうの大人」

          児童書エンタメにおける、ごく良識的な、「ふつうの大人の扱い」について書く。 デビュー前、研究のために児童書を読み漁っていたとき、とある作品で、「警察が、主人公たちに、事件の解決をまかせるシーン」があった。 それまでは面白く読んでたんだけど、なんだかそこで、醒めてしまった。 「それ主人公たちがやる必要なくない? 警察の仕事じゃない?」って思ってしまって。 もちろん、「だから主人公たちが動くんじゃなくて、警察が動けばいい!」っていうんでは当然ない。 「警察じゃなくて、主人公たち

        • 固定された記事

        👹『絶望鬼ごっこ』シリーズ紹介👹

        マガジン

        • ライターズブロックを考える
          12本
        • 雑記
          8本
        • オレオレ創作論
          27本
        • 好きの言語化訓練ブートキャンプ
          13本

        記事

          たまに講師とか

          本日から申し込みのはじまった、日本児童文学者協会様主催の「第52期日本児童文学学校」の1コマにて、講師を担当することになりました。 以前、日本児童文芸家協会様主催の「エンタメ講座」を担当したということで、お誘いを受けたのだけれど、ほんとうに僕でいいのかしら…。 だって、エンタメ講座でやった僕の講義って、こんなだぜ…? こんなだぜ!? いまだに、「面白かったけど、こいつ頭おかしいなと思いました!」みたいな感想をいただきますが…。 ほんとうにいいんですか、講師をまかせて…

          たまに講師とか

          プロフィール

          針とらって何者?児童小説家 / 物語屋さん。 児童向けエンタメという女の子市場のすみっこで、「男子にも本を読ませるんだー!」とほそぼそと活動しているはぐれ者。 代表作は、『絶望鬼ごっこ』シリーズ。 エンタメならジャンルにはこだわりなく、大人向け含めなんでも書く。 キャラ同士のセリフやアクションの掛け合いを描くのが得意。 好きなものは人外キャラで、気づくと人外にセリフをしゃべらせている。 筆名の由来は、高校時代からネットのHNに使っていたドラゴンの名前をもじったもの。一応

          プロフィール

          男の子は本を読まないんですオンライン

          「男の子は本を読まない」というのは、児童書で活動していると、耳にタコができるほど聞くフレーズだ。  かくいう僕も、デビュー前、担当編集者がついたときに一番最初に言われたことが、「小学生男子は本をあまり読まないようです」だった。  僕が公募で出したやつが、少年マンガみたいな話だったので、暗にカテエラを示されたのだ。  僕は考えたのです。  ここは、新人らしくすこし大口を叩いて、フレッシュさをアピールせねばならぬだろう……と。  大口叩く新人を見ると、ベテランというのは、「おお

          男の子は本を読まないんですオンライン

          続・褒められるとうれしい問題

          https://note.com/varitra/n/nf81fc22af6cc 以前書いた↑の記事の続きなんだが、僕がいまいち胸を張って「褒めるっていいことだよね!」って言えないのは、自分の経験のせいかもしれない。 僕、新人のときに、編集さんに褒められるように書いていったんだよ。 でも書いてるときに、思っていたのは、 ってことだったんだ。 なんか、ドラマとかマンガでこういうシーン、見たことある気がして。 でも現実は、相手が褒めてくれるように書けば褒められるし、自分

          続・褒められるとうれしい問題

          努力とチップとルーレット

          デビューしてからこっち、ずっと、 「この世界ってほんとに運と縁とタイミングだよなぁ…!」 と思っている。 若いころはそんなことはなく、 「ともかく自分が努力して、高い実力をつければいいんだろ…!」 と、思っていたんだけれども。 いまでは、「実力の占める割合って多くて3割で、残り7割は運とか縁とかタイミングとか、自分にはわりとどうしようもないものだよなー」と思っていて。 ルーレットだよな、と。 学生時代に挑戦してきたものの多くは、ルーレットとは思わなかった。 特に受験とかっ

          努力とチップとルーレット

          創作育児

          『絶望鬼ごっこ』クライマックスへ向けて、既刊を無料で読めるキャンペーンを開催中である。 読んだことない人も途中で止まっている人も、たくさんの人に読んでもらいたく…! これを期に自分も読み返してみようかなぁ……と思い、そういえば自分は出版した自作を読み返さないタイプだなぁ、ということに気づいた。 「前の巻ではどう書いたっけ?」という確認をすることはあっても、本として読み返すことはほとんどしない。 なんでだろう? べつに、「たくさん出してるから、出版したはしから忘れちゃうんで…

          創作育児

          4分のONE PIECE

          「100万部売れるシリーズを作りましょう」 デビュー前、はじめて担当編集者がついたとき、一番はじめに言われた言葉である。 「子供の本って、どんな感じなんだろう…?  きっとほわほわして、やさしい世界なんだろうなぁ…!」 と思っていた新人作家の僕へ。こんにちは! 数値目標だよ! 「なるほど…! 小説って…ほんとに売るんですね!?」 ほわほわやさしくて、おまんまが食えるかぁッ! ようこそ、修羅の世界へ!! ただ、出版業界のことなんてまったく知らないド新人には、「100

          4分のONE PIECE

          肉焦がし骨焼く鉄板の上で褒められてのびるタイプ

          創作してる人たちが、 「褒められてのびるタイプです!」とか、 「もっと褒めてもらいたい!」 とツイートしているのをたまにみかけるのだが、 もうひとつ共感できなくて、なんでだろう? と思っていた。 いや、僕も褒められたくないわけじゃない。 むしろ褒められたい。たいへん褒められたい。 でもそれは、 「褒められるとうれしいよね? OK! 褒めるよ!」 という、理性での選択が可能な範囲での話じゃなくて。 「褒めずに…!! 褒めずにいられるか…!!!!」 という、衝動的に、選択の

          肉焦がし骨焼く鉄板の上で褒められてのびるタイプ

          近況のようなもの

          くそ暑くなってきましたがみなさん元気ですか。 針とらはいつもどおりネコチャンと戯れています。 絶望鬼ごっこは22巻の原稿が佳境。 ここのところ1冊書くたびに息切れしていたのだけど、特に20, 21, 22巻は第二部はじめてからずっと描きたかったところというか、ここを描くために書き続けていたようなものなので、かなり気合いいれており、死にかけであります。 1巻から「親子のきずな」というものがテーマとしてちらちらありまして、20-21巻は原点へもどったのだけど。「でも現実にはそれ

          近況のようなもの

          でびう9年だよ

          今日でちょうど、デビューから丸9年になる。 マジか、と思う。 いまだにプロの自覚がまったくないままやっている。 デビューしたときに、 「まだプロを名乗るなんておこがましいな、セミプロくらいを名乗っておこう」 「いや、やっぱりそれも恥ずかしいから、セミでいいや」 と思ったことは覚えている。 ただの昆虫である。 でもそれも、数年も続けられていれば、自然に自覚が湧いてくるものなんじゃないかなぁ…と思っていた。 思っていたのだが、変わっていない。 セミのままだ。 変わったのは、

          でびう9年だよ

          「…ガッカリするんです」から考えたこと

          すこし前に、以下のツイートが炎上していた。 自分が言ったとおりに直しただけのネームを作家からもらうとガッカリする、という趣旨の、編集者のツイートである。 これを受けて、しばらく作家たちのあいだでは、 「ガッカリするんです…!」 「こちらこそ、ガッカリするんです…!」 と、煽りあうのがブームになっていたという。(なってません) 炎上していたときに行われていた議論を見ていて、「編集者から提案を受けたときの作家のスタンス」について、つらつらと考えていたので、ちょっと書いてみる。

          「…ガッカリするんです」から考えたこと

          ホラーなんて書けないよ! 2

          1年ほど前に、↓のような記事を書いた。 自分、ホラー作家のようになっているけど、怖い話の書き方とか、ホントはよくわかんないんだよなぁ…と。 その後、怪談アンソロジーに混ぜていただく機会があって、またいろいろ考えることがあったので、あらためて書きだしてみる。 『怪談』というホラーのド直球なテーマに向き合ってみて思ったのは、怖い話を本職で書いている人たちって、「怖さそのものを凝視できる」人なんじゃないかな、と。 心霊スポットに出かけていって、ガタッと音が聞こえてきたときに、

          ホラーなんて書けないよ! 2