記事一覧
ご無沙汰しております
今まで投稿をやめておりましたが、今後少し運営していこうと思っています。今まで通り映画の話もしますが、少し幅を広げて話ができれば幸いです。
『花様年華』の画面の美しさ
今回は、2000年香港で公開された『花様年華』について考察する。本作は、ウォン・カーウェイ監督によって制作された作品であり、同じ日に同じ共同住宅へ引っ越し、隣人となった二組の夫婦の間で展開される、隣人以上不倫未満の曖昧な関係を見事に描き出している。
作品の中で展開されるストーチーもさることながら、本作の一番の特徴は、ウォン氏が各ショットの画面内で作り出している色味のコンポジションにあるだろう。こ
『オクトパスの神秘 海の賢者は語る』が見せた愛の仕組みと生態系
今回は、『オクトパスの神秘 海の賢者は語る』という映画を見た上で、生態系の中で機能する愛というシステムについて考察してみたいと思う。
この作品は、一匹のタコを追い続けることで、一般的に警戒心が強いと言われるタコと特別な関係を気づいていった男のドキュメンタリー映画である。
男は、毎日タコと接触することにより、彼女の警戒心が解けていき、互いに触れ合う関係となっていく。しかし、自然の中で生きる彼女は
『天気の子』から見るアニメの虚構性
皆さん、年末年始は、ゆっくりと過ごせましたでしょうか。
私は、久々に実家でダラダラと放送されるテレビを見ながら、何もしないお正月を過ごしていました。日本中がコロナの影響によって、季節のイベントも大人数で集まることもできない時期が続いていますが、それはそれで楽しんでいます。
この記事では、そんな家で引きこもっていたお正月に、たまたまつけたテレビで放送されていた新海誠監督作品の『天気の子』について
「貯水タンク」#1沖縄の建築における特徴
この「沖縄の建築における特徴」では、沖縄の現代建築における特徴から、沖縄の建築設計と沖縄の社会的、文化的、地理的特性について見ていきたい。
今回は、記念すべき第1回目であり、今後の記事の方向性を明確にする為に、沖縄の現代建築の中でもすぐに見て分かりやすい、「貯水タンク」を軸に話をしていこうと思う。また、ここで書かれる記事は、沖縄県外の人にも伝わりやすいように、なるべく具体的な説明をする予定なので
ペンギン・ハイウェイと仮想
最近、ペンギン・ハイウェイという映画を見た。
映画では、「海」と呼ばれる空間の切れ目が非現実を作り出し、「ペンギン」を引き連れたお姉さんが、「海」に立ち向かう。
「海」「ペンギン」は、脈絡もなく突然日常へ現れてきて、徐々に日常を壊し、そして、気づけばいなくなっていた。「ペンギン」は、空き地にひょっこりと出てくる。この「ペンギン」によって、町の人々は、いつもとは違う非日常が始まったことを知る。
スティーブンホールの製作過程と建築形態
今回は、スティーブンホールの建築を製作していく過程とそこから生まれる建築形態について接続させていく。
スティーブンホールが建築の製作する初期段階で水彩画を用いることは、よく知られている。これは、スティーブンホールが、建築物の原初的な雰囲気(光・風・空間の質)などを捉えて、それを水彩画を用いて表しているからだと言われている。
彼の用いる水彩画は、ハッキリとしない輪郭、多彩な色、絵の具の持つ繊細な
『サマーウォーズ』と公共性
2019年9月24日 火曜日
この日、私は午後から自宅にいた。そのあとゲオへ行き、DVDを借りた。そして、途中でコンビニに寄り、彼女の家に行った。冷蔵庫からビールを取り、ソファへ移動し、テーブルの上に置いたビールを飲んだ。
映画を見たかった私は、床に置いてあるDVDの入った袋を開け、『サマーウォーズ』を取り出した。DVDデッキへ行き、DVDを挿入して、デッキの上にある再生ボタンを押した。
『サ
『ショーシャンクの空に』 時間の牢獄
2019年8月26日 『ショーシャンクの空に』を観た。
映画のあらすじについては、ぜひ本作を見て頂きたい。この作品は、ストーリーが淡々と話が進むため、あらすじを聞いただけではこの映画の面白さや、ストーリーの設計について、イメージしずらい部分が多い。しかし、一度この映画を見てもらえれば、この映画のもつ詩的な体験して、本作が名作と呼ばれる理由がわかるはずだ。
今回は、映画のあらすじよりも、この映画