水野勇太

AIテクニカルゲームデザイナー。メタAI(ゲームAI)研究者。 所属➡「水野 メタ」で…

水野勇太

AIテクニカルゲームデザイナー。メタAI(ゲームAI)研究者。 所属➡「水野 メタ」で検索。仕事➡AI技術とゲームデザインをつなぐ。 最近は、分析美学や環世界などにも興味が強いです。 Twitterも宜しく!

記事一覧

虚実皮膜でヒトは泣けるか -マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画-

「私は今からあなたを騙します。」 あなたはどう思っただろうか。 「いやいや、私が騙されるはずがない」 「騙せるものなら騙してみろ」 身構える人が多いのではと思う。 …

水野勇太
2年前
2

PS5ファーストインプレッション

やっと我が家にPS5が。 さっそく新コントローラーに大喜びの息子5歳。 PS5本体感想PS5はハプティクスとアダプティブトリガーに一番期待してた。 ハプティクスについては、…

水野勇太
2年前
3

完全に完成された不完全なドキュメンタリー:愛について語るときにイケダの語ること

首筋にもぞもぞとした感触があった。指で払うと動く感触があった。虫っぽい。 しばらくするとまたもぞもぞ。今度は捕まえた。地面に放り投げた。 しばらくすると今度はチケ…

水野勇太
2年前
1

対象の大きさを意識して喋る

これは自分が出来ているという話ではなく、まだまだ出来ていない自分への自戒の記事でもあります。 去年の1/1。今年のテーマは「境界」にしようと思った。ゲームAIを研究…

水野勇太
3年前
2

ビジネスコンサルタントにおける≪アート≫

この発言は聞く人によっては攻撃的に読めてしまう事は自覚している。ただし、目指している所は攻撃や否定ではなく批評である。批判ですらなく批評である。 また自身がアー…

水野勇太
3年前
13

仮想音楽メタAIゲーム企画:アンビバレンス

Why: プレイヤーにアンビバレントな感情を与え、ジレンマの中でゲームを経験してもらう。 How: プレイヤーが選択する誰と一緒に過ごすか+ランダム(メタAI)で仲良くなるイ…

水野勇太
3年前
2

大胆予想!?Clubhouseというゲームメカニクス

最近話題のClubhouseをしばらく観察してみたので、気づいたことを書いてみる。自分は、ゲームを作る人、AIテクニカルゲームデザイナーなので、その視点からモチベーション…

水野勇太
3年前
12

【CEDEC2020】ゲームデザインにおけるAI活用のための「メタAIデザインパターン」 ―基本15パターン― の参考文献リスト(緊急用…

CEDEC2020の登壇内容「ゲームデザインにおけるAI活用のための「メタAIデザインパターン」 ―基本15パターン―」の発表のための参考文献リストです。 特に「パターン・ラン…

水野勇太
3年前
6

AI選択バトル将棋の可能性

先日、「ビデオゲームの美学」(松永伸司)の読書会の後に「AI選択バトル将棋」を作ってくださいよーという話になった。 そこでも色々話したのだけれど、リアルタイム口頭…

水野勇太
3年前
1

アートがなぜ興味深いのか

自分はアートはよく分からないというスタンスで生きてきた。 美術の成績は5段階の5だったけれど、暗記テストがほぼ満点だったからで、授業で紹介される作品に心を打たれた…

水野勇太
4年前
4

ペンギン・ハイウェイとフィクションのリアリティ

今自分の関心事がフィクションのリアリティだからなのだろう。フィクションのリアリティが大変興味深い話だった。 が、結論から言うと個人的には残念な作品だった。 以下…

水野勇太
4年前
3

デスストランディングは間違いなくメタルギアの後継作だーデススト感想#01

11/14 10:25 最下部に荷物運びゲームの非対称性について追記 まだバイクの充電すら終わってないけれど、現時点で思ったことの感想を。 ネタバレなしです。 デスストラン…

水野勇太
4年前
66

第24回AI美芸研「宗教と数理脳」レポート

第24回AI美芸研「宗教と数理脳」2019.05.02 大久保・淀橋教会 ハッシュタグ:#AI美芸研 https://www.aibigeiken.com/research/r024.html 甘利先生の講演を直接聞けて、そ…

水野勇太
5年前
4

JazzとLiveとGameと

申し訳ないながら、 ゲームミュージックのコンサートがほぼ初めてくらいの初心者だったんですが、 非常に楽しかったし、色々考えさせられた。 こちらに参加させていただき…

水野勇太
5年前

思考を強制される:山形一生・永田康祐

長谷川新さんのご紹介で山形一生さんと、永田康祐さんと飲めるということで、MVを拝見したりICCへ行ってきたので、その感想メモです。 山形さんと永田さんの作品の感想。 …

水野勇太
5年前
3

建築情報学会キックオフ準備会議第6回メモ:メタAIの視点から。情報と建築は出会うのか

建築情報学会キックオフ準備会議第6回についての個人的なメモです。 リアルタイムのメモのため、情報に不正確な部分や私見が混ざっている可能性があります。 正確な発言は…

水野勇太
5年前
3
虚実皮膜でヒトは泣けるか -マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画-

虚実皮膜でヒトは泣けるか -マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画-

「私は今からあなたを騙します。」

あなたはどう思っただろうか。
「いやいや、私が騙されるはずがない」
「騙せるものなら騙してみろ」
身構える人が多いのではと思う。

作風、芸風として、これを観客に言ってから自分の作品を見せる。
そんな事を毎回しているのがこの作品の監督、佐々木誠だ。

もちろん世の中には、それを楽しむエンタテインメントは他にもある。
「タネも仕掛けもありません」はタネも仕掛けもあ

もっとみる
PS5ファーストインプレッション

PS5ファーストインプレッション

やっと我が家にPS5が。
さっそく新コントローラーに大喜びの息子5歳。

PS5本体感想PS5はハプティクスとアダプティブトリガーに一番期待してた。
ハプティクスについては、正直もう一段驚きが欲しかったくらいのクォリティ。
アダプティブトリガーはボチボチかなぁ。
どちらもソフト側の頑張りでもう少しは良くなるかもしれないけど、想像は超えなそうかな…。

意外と良かったし大事だったのがコントローラーの

もっとみる
完全に完成された不完全なドキュメンタリー:愛について語るときにイケダの語ること

完全に完成された不完全なドキュメンタリー:愛について語るときにイケダの語ること

首筋にもぞもぞとした感触があった。指で払うと動く感触があった。虫っぽい。
しばらくするとまたもぞもぞ。今度は捕まえた。地面に放り投げた。
しばらくすると今度はチケットを握った指先にもぞもぞ。
仕方なく空列の最前列方向の地面に強めに投げ捨てた。
ぷ~んとカメムシの匂いがマスクを貫いて香ってきた。暗くて見えなかった。5mmほどの小ささだったがカメムシだったのか…。
隣の人に申し訳なさがこみあげてきた。

もっとみる
対象の大きさを意識して喋る

対象の大きさを意識して喋る

これは自分が出来ているという話ではなく、まだまだ出来ていない自分への自戒の記事でもあります。

去年の1/1。今年のテーマは「境界」にしようと思った。ゲームAIを研究しながら、人をも覆い尽くして、はみ出せるような存在になりうるAI開発を目指すメタAIマッドサイエンティストとしては、常に『知能とAIの境界線』を意識していたから。
そして「国と国の境界線」など本当は何も無いのに人間が勝手に引いてしまう

もっとみる
ビジネスコンサルタントにおける≪アート≫

ビジネスコンサルタントにおける≪アート≫

この発言は聞く人によっては攻撃的に読めてしまう事は自覚している。ただし、目指している所は攻撃や否定ではなく批評である。批判ですらなく批評である。
また自身がアート原理主義者である事は自覚した上の発言である。

結論から言うと、住む世界が違う。食べてるものが違う。吸ってる空気が違う。
なので、
定義が違うし世界が違うので、好きにすれば良い。
けれど、そのやり方だと言ったもんがちになる。
論理的に突き

もっとみる

仮想音楽メタAIゲーム企画:アンビバレンス

Why:
プレイヤーにアンビバレントな感情を与え、ジレンマの中でゲームを経験してもらう。

How:
プレイヤーが選択する誰と一緒に過ごすか+ランダム(メタAI)で仲良くなるイベントが発生。
しかしさらにランダムでミニゲームが発生。ミニゲームに失敗するとDead End。
クリアするとその時話していた友人がDead End。
好きな友人を生き残らせるには話しかけてはいけない。しかし話しかけなければ

もっとみる
大胆予想!?Clubhouseというゲームメカニクス

大胆予想!?Clubhouseというゲームメカニクス

最近話題のClubhouseをしばらく観察してみたので、気づいたことを書いてみる。自分は、ゲームを作る人、AIテクニカルゲームデザイナーなので、その視点からモチベーションの整理なども。
あくまで今の時点での予想なので、将来は大きく違う形になっている可能性もあるし、どこまで続くかは有名人をどこまでつなぎとめられるか次第という部分は大きそう。

■ClubhouseというゲームのWhy/How/Wha

もっとみる
【CEDEC2020】ゲームデザインにおけるAI活用のための「メタAIデザインパターン」 ―基本15パターン― の参考文献リスト(緊急用)【参考文献】

【CEDEC2020】ゲームデザインにおけるAI活用のための「メタAIデザインパターン」 ―基本15パターン― の参考文献リスト(緊急用)【参考文献】

CEDEC2020の登壇内容「ゲームデザインにおけるAI活用のための「メタAIデザインパターン」 ―基本15パターン―」の発表のための参考文献リストです。
特に「パターン・ランゲージ」周りの文献が中心です。

最終的な資料公開が少しお時間をいただいてしまいそうなので、
参考文献リストを取り急ぎ公開します。
動画の最後にこのスライドがあるのですが、見えない解像度になってしまっている&クリック出来た方

もっとみる
AI選択バトル将棋の可能性

AI選択バトル将棋の可能性

先日、「ビデオゲームの美学」(松永伸司)の読書会の後に「AI選択バトル将棋」を作ってくださいよーという話になった。

そこでも色々話したのだけれど、リアルタイム口頭でのお話だけだったので、改めてそこで話した 自分の考え を整理してまとめてみる。

誰に何をさせたいゲームなのか  将棋が分からない人のための、AI選択だけで将棋が打てるゲーム
   ①いずれ自分で打てるようになって欲しい
   ②AI

もっとみる
アートがなぜ興味深いのか

アートがなぜ興味深いのか

自分はアートはよく分からないというスタンスで生きてきた。

美術の成績は5段階の5だったけれど、暗記テストがほぼ満点だったからで、授業で紹介される作品に心を打たれたことはなかった…と思う。
絵の立体感を出すには陰をつけると良いということも中学になって初めて意識した。どう頑張っても球体にならないサッカーボールに、陰を足したら突然球になった。隣の席の美術部の女の子が教えてくれた。目を細めると陰がついて

もっとみる
ペンギン・ハイウェイとフィクションのリアリティ

ペンギン・ハイウェイとフィクションのリアリティ

今自分の関心事がフィクションのリアリティだからなのだろう。フィクションのリアリティが大変興味深い話だった。
が、結論から言うと個人的には残念な作品だった。

以下、ネタバレっぽい内容を多少含む。出来るだけガチネタバレは回避してます。

基本的にはこういう鑑賞を作者は求めてないとは思うのだけれど。

現実的、論理的、物理的思考の少年とSF的存在との交差。それは一瞬、僕の大好きなとなりのトトロの後継作

もっとみる

デスストランディングは間違いなくメタルギアの後継作だーデススト感想#01

11/14 10:25 最下部に荷物運びゲームの非対称性について追記

まだバイクの充電すら終わってないけれど、現時点で思ったことの感想を。

ネタバレなしです。

デスストランディング(以下、デススト)は間違いなく小島監督のメタルギアの続編だなと感じた。

メタルギアにおける一つの大きな発明はフェイズだった。
敵がプレイヤーに気付いておらず巡回している潜入フェイズ。敵が異変に気付いて調査を始める

もっとみる
第24回AI美芸研「宗教と数理脳」レポート

第24回AI美芸研「宗教と数理脳」レポート

第24回AI美芸研「宗教と数理脳」2019.05.02
大久保・淀橋教会
ハッシュタグ:#AI美芸研

https://www.aibigeiken.com/research/r024.html

甘利先生の講演を直接聞けて、そして打ち上げで直接お話ができて大変幸せでした。稲垣先生とのお話も大変刺激的でした。甘利先生のインタビューか何かを拝読した時に、情報幾何を修めたいと思ったのに、それより先にお

もっとみる
JazzとLiveとGameと

JazzとLiveとGameと

申し訳ないながら、
ゲームミュージックのコンサートがほぼ初めてくらいの初心者だったんですが、
非常に楽しかったし、色々考えさせられた。

こちらに参加させていただきました。
Billboard Live presents
SQUARE ENIX JAZZ -DEBUT-
https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/jazzlive/debut/

もっとみる
思考を強制される:山形一生・永田康祐

思考を強制される:山形一生・永田康祐

長谷川新さんのご紹介で山形一生さんと、永田康祐さんと飲めるということで、MVを拝見したりICCへ行ってきたので、その感想メモです。

山形さんと永田さんの作品の感想。
他人の感想を読まずにまず受容したい方は読まないように。

山形さんのMV「窓から見える」
https://youtu.be/S_XKg8Ywqmo

これが非常に面白い。
窓というか穴から部屋らしき風景の断片が見えるんですが「ここは

もっとみる

建築情報学会キックオフ準備会議第6回メモ:メタAIの視点から。情報と建築は出会うのか

建築情報学会キックオフ準備会議第6回についての個人的なメモです。
リアルタイムのメモのため、情報に不正確な部分や私見が混ざっている可能性があります。
正確な発言は元ビデオを確認ください。

-----
建築情報学会キックオフ準備会議第6回(江東区)
2019.02.03
竹中工務店

建築情報学の教科書をつくろう、編集仮想会議
http://10plus1.jp/information/2019/

もっとみる