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文才は無いですが、たまに本を読みます。おすすめしたい本やマンガがあれば上げていこうと思ってます。
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記事一覧

官僚たちの夏

官僚たちの夏

城山三郎   新潮文庫

’ミスター通産省’と言われるエリート官僚の風越慎吾が1960年代を舞台に走り抜ける。

巨大な官僚組織の中で、型破りな慎吾は人事を武器にのし上がり、天下国家の為にと、信念をもちモーレツに突っ走る。それを補佐し慎吾の事を「おやじさん」と呼ぶ庭野、鮎川らが補佐しながら、政界・財界と渡り合う。

しかし、命をかけて進めた法案は廃案、鮎川は激務で返らぬ人に、のうのうとのし上がった

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管理人さん

管理人さん

#私の推しキャラ

いつもと気がう毛色の話です。
あこがれたのは、管理人さん、そうです一刻館の管理人「音無響子」さんです。
中学生の私には眩しくて、「将来は一刻館のようなところに下宿するぞ」と大学に行くことを誓ったものです。

そして時は流れて、おっさんになってから再度読んでみました。
感想は、やっぱり綺麗で面白い人ですが、こんなに我儘だったのか?人を振り回す人だったのか?と驚きました。
贅沢な話

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蜂蜜と遠雷

蜂蜜と遠雷

恩田陸   幻冬舎

本屋大賞など各賞を受けており、マンガや映画化もされている作品なので、ご存知の方も多いと思われます。

ピアノコンクールを舞台にした物語、栄伝亜矢を中心に風間塵などを据え物語が進行していく、母親の死を境にピアノから離れていた亜矢、成り行きで復帰する事になるが、復帰にあたり不安が心を大きく占める。そこに現れたのがパリの予選会で出会う型破りな天才「塵」、彼と出会う事により本来自分が

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満願

満願

米澤穂信著 新潮文庫

ミステリー最高傑作と帯にあったので購入。第27回山本周五郎賞受賞作である。
中身は、短編6作を収録。
共通するのは、登場人物たちの闇が深い事、といってもそれは誰もが持ち合わせているものであり、私は人間の持つ本能のような罪の深さ、言い換えれば“業”の様なものだと思う。その部分を巧妙に描き、しかもバラエティに富んでいる。
周りから優れた人と見えても、人には自分本位な部分があり、

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噂

荻原浩      新潮社

所轄署の刑事課に勤める小暮、元本庁の刑事である彼は、妻の事故死後に所轄へ転属願いを出し転属した経歴をもつ。そんな彼が勤務する目黒署で殺人事件が起こり、それは連続殺人へと発展していく。
そこで女子高生達に噂される「レインマン」の話、それをWOMとして仕掛けていた東京エージェンシーとコムサイト社。
大人が知らない世界がそこにはあり、口コミで広がる噂。それと類似する事件。

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騎手の誇り

騎手の誇り

本城雅人   新潮文庫

今回は競馬を題材にした小説です。競馬好きな人にはいいですが、興味ない人にはさっぱりだと思います。個人的には「優駿」が面白かったですね。

さて、今回は「騎手の誇り」です。
若手騎手の小山和輝は、五井厩舎に所属する将来有望な騎手であるが、トップ厩舎へ所属を変える。そこには平賀と言うトップジョッキーがおり2番手騎手となるのだが?なぜ彼は所属を変えるのか?そこにはその厩舎に所属

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弁当屋さんのおもてなし

弁当屋さんのおもてなし

喜多みどり 角川文庫

小鹿千春はコールセンターに勤めるOL、そんな彼女は男に裏切られ散々な気持ちで、札幌に転勤する。やさぐれた気持ちと激務で疲労困憊の時、ふと立ち寄ったのが、「くま弁」そこで出会った店員のユウは、千春をみてわざと違う弁当を渡す。その弁当を食べ気遣いや真心に触れ元気を取り戻すと共にユウに気持ちが動いていく。
各章ごとに、登場人物が現れるが、皆善人でくま弁が大好き。
そんなユウの秘密

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ロートレック荘事件

ロートレック荘事件

筒井康隆著 新潮社

帯に「この本に出合っていなければ、私は書店員になっていない」と有ったので手に取ってみた。ミステリー作品である。著者はテレビ出演も多く変わったおっさんと言うイメージだけでどのような作風かは知らなかったが、これを読み他の著書も読みたいと思った。
内容は、少年期にけがを負い容姿にハンデを持った青年とそれを負わせてしまった“いとこ”を中心に描かれ、別荘を舞台に殺人事件が起こると言うス

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嘘を愛する女

嘘を愛する女

岡部えつ   徳間文庫   

キャリアウーマンの川原由加里、結婚を意識する相手の桔平は、なかなか結婚を切り出してこない。
そんなある日桔平がくも膜下出血で倒れ意識不明に、その時彼の事をなにも知らないと気付く、そして赤の他人であることを、今更ながら認識する。
彼の過去、彼の意図、そして彼の思いを探りに、瀬戸内海の灯台を探しに旅に出る。

彼の過去を探るのは、愛情から来る彼の過去を知りたい気持ちか?

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これは経費でおちません~経理部の森若さん~

これは経費でおちません~経理部の森若さん~

著:青木祐子     集英社オレンジ文庫      

まーNHKで連ドラにもなったし、多部ちゃんやったし、人気もあったし、面白かったしってやつですが、ドラマはドラマで面白かったですが、ドラマ前に読んだこの本の森若さん好きです。

ドラマ観てない人に、読んでもらいたいです。たぶん明日から楽しくなると思います。ドラマ観た人は、ドラマにかなり引っ張られるかもしれませんね。

天天コーポレーションの経理

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侍 遠藤周作

侍 遠藤周作

小説やエッセイ、時にはサスペンス・マンガなども人生や価値観を大きく変える事がある。それは作者の「思い」や「テクニック」だけではなく、その時の自分の境遇や考え等にどのようにフィットするかも大事な要素であろう。

その意味で私が最初に、価値感と言うか人生観を大きく変えられた一冊は遠藤周作の「侍」である。

この物語は、主人公が藩の命によりローマ法王に謁見する為、メキシコ~スペイン~ローマへと旅をする。

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