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    ただの東北旅行記 ほとんど日記ですが、自慢したいくらい楽しかったのと、今後東北にいく全ての人に同日程で行くことをオススメしたいくらいの神プランニングだったので共有。

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【生きる LIVING】感想文

 黒澤明監督の「生きる」のリメイク作品。  本家を鑑賞したことがないので、純粋にこの作品の感想を書きます。 【静的描写が雄弁な映画】 本当にこういう映画好き。  多くは語らない、ストーリーの余白もあんまりちゃんと説明されない、大きな事件も起こらない。丁寧にくどいほど描かれる日常の様子が、静的な主題のストーリーを自然に引き立たせる。  誰も声を荒げないし、わかりやすい自己主張はしない。それでも、その目配せや言い淀んだ言葉、あるいは長く映し出される表情が、言葉では無く実感と

    • 東京旅行(1/2日目)

      美術館を巡りたくて来ようと決めたのに 時期が悪すぎて国立西洋美術館も国立近代美術館も展示入れ替え期間で閉館中という悲しい事態(調べてから行け)… 結局メインは東京都美術館でやってるエゴン・シーレ展になるのかな。日記代わりに。 築地のすし兆記念すべき初一人旅行の初ご飯ということで気合を入れて調べていって、本当に良かった。東京来て築地でランチ食べる機会あったら絶対リピートで来る。 平日だけどちょっと並んでて、15分くらい待ったかな。 お昼のセットは2種類あって、9貫で690円

      • 映画『BABYLON バビロン』感想文

        「バビロン」を観た感想 多分だけど、映画好きにこそ刺さる。  公開初日に映画館に観に行って、衝撃的だったし感銘を受けたけど、もし、私がもっと映画を好きだったら、映画の歴史に詳しかったら、さらに自分の心を動かす作品になったんじゃないかなと思った。  ハリウッドの輝かしい歴史、サイレントからトーキーへの転換期を舞台とした作品で、何よりもデイミアン・チャゼル監督自身の映画への愛を強く感じた。  「ラ・ラ・ランド」や「セッション」でも、音楽が良いと話題になってたけど、「バビロン」もま

        • 東北旅行に行った話(3日目 岩手観光)

          2022年の11月に学生4人で東北旅行に行った話。 これを書いている今は2023年の2月で、卒業旅行シーズンなんだけど、みんなが海外旅行に行ってしまって実家で暇を持て余している私は、暇に任せて昔の旅行記を書いているというわけです。 この記事は3日目の岩手観光について書きます。2日までの記事はこちらから↓ 中尊寺金色堂の観光朝一で仙台を出発して中尊寺金色堂に向かった。仙台から中尊寺のある平泉までは車で2時間半くらい。今思い返すと2時間半ってかなり遠いし、日帰り旅行でギリギリ遠

        【生きる LIVING】感想文

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          東北旅行に行った話(2日目 宮城観光)

          11月前半に大学のクラスメイト4人と東北旅行に行った話。 1日目(福井から山形まで)の記事はこちら↓ 2日目は主に仙台を観光した。 山形を出発して、秋保大滝に寄って、仙台で牛タン食べて、松島ぶらぶらして、仙台大観音拝んで、仙台駅近くの飲み屋さんで飲んだ。こうやって書きならべてみると2日目も盛り沢山だったな。それぞれエピソードを思い出しながらまとめていきたいと思う。 冬は御釜に辿り着く術なし午前中は本当は御釜に行こうと思ってたんだけど、御釜に辿り着く術なし… 御釜に行くに

          東北旅行に行った話(2日目 宮城観光)

          【ラ・ラ・ランド】何回でも観たい映画

          デミアン・チャゼル監督の最新作「バビロン」の公開記念で、2月3日から1週間限定で「ラ・ラ・ランド」と「セッション」が全国の劇場で再上映されていた。「全国で再上映」って盛大に謳われていたけど、蓋開けてみたらセッションなんて東京と大阪と愛知でしかやってなくて、全国とは…?って感じだったけど。 初めて鑑賞した時に、映画館で見たかったなあと強く思った「セッション」を狙って国試が終わって慌てて帰省したのだけど、間に合わなかったので「ラ・ラ・ランド」を見に行った。もうめちゃくちゃ好き。

          【ラ・ラ・ランド】何回でも観たい映画

          東北旅行に行った話(1日目 福井→山形)

          秋も深まりつつある11月の2週目、大学のクラスメイト4人で東北旅行に行った。福井から出発して、東北に入るまでノンストップでも片道5時間以上。4泊5日で山形→宮城→岩手→青森→秋田と回るかなりハードなスケジュールでの旅行だったけど、景色は綺麗だしご飯は美味しいし、東北の魅力がそれはもうめちゃくちゃに感じられた。 純粋に楽しかった思い出を残す日記として書くけど、今後東北に行く予定の人がいれば参考になるといいなと思いながら丁寧に文章にしようと思うので、興味ある人は良かったら読んでみ

          東北旅行に行った話(1日目 福井→山形)

          『楽園のカンヴァス』原田マハ (読書感想文)

          めっちゃ面白かった。 作者の原田マハさん自身が、絵が好きなのが文章から伝わってくる。美術館で働いたという経験から、キュレーターの仕事や企画展の裏事情などがとてもリアルに描かれている。 史実とフィクションの融合が鮮やかで、物語に織り込まれたルソーの絵の“秘密”が、物語全体に神秘的な含みを持たせている。 話の中に出てくる様々な作品が物語に彩りを添えていて、絵を調べながら読むのがとても楽しい。 何万の文字を並べても、この世の全ての言語と単語を駆使しても、一枚の絵を完全に再現する

          『楽園のカンヴァス』原田マハ (読書感想文)

          『かがみの孤城』辻村深月 (読書感想文)

          とても面白かった。 心理描写がめちゃくちゃ上手い。 文章は読みやすく、それでいて、子供の世界の誰も言葉にしてこなかった暗黙の了解や、中学生の感情の機微を明瞭に描き出す表現力が流石。 この物語はファンタジーだけど、辻村深月はファンタジーの舞台を利用して、現実よりリアルな人間模様を描く。 そして理屈のないファンタジーとしてしまっても十分通用する物語に、巧い仕掛けを施しているのが心憎い。 物語の主人公は、中学1年生の「こころ」。 起こったのは、たかが学校の、たかが1クラ

          『かがみの孤城』辻村深月 (読書感想文)

          『モモ』ミヒャエル・エンデ (読書感想文)

          めちゃくちゃ良かった。 現代を痛烈に風刺するこの物語が、懐古主義の随筆でも、説明口調の論文でも、嫌みたらしいエッセイでもなく、柔らかい雰囲気のファンタジーであるところが、何よりも好きだと思った。 だからこの本を読んで感じたことを、効率的良く論理的に説明しようとするのは、何となく無粋な感じがする。 遥か昔から、人々は物語が好きだった。演劇の世界に没入し、もう一つの人生を体験することを愛していた。 この物語の舞台は、幾世紀のその昔、多くの人が集った円形劇場の跡地。 ひっそりと

          『モモ』ミヒャエル・エンデ (読書感想文)

          『私の男』桜庭一樹 (読書感想文)

          仄暗く陰鬱な情景描写が、この物語にはふさわしい。 一貫して、湿った雨の匂いと、ドロドロとした海の嫌な感じがする。 お互い以外に興味のない排他的な2人の主要人物に、多分作者の狙い通りに嫌悪感を抱かされた。 その嫌悪感も利用して、リアリティも形もない壮大なテーマを、全く飽きさせず、グロテスクかつ魅惑的に書き切った、その筆力が見事。 愛に飢える空虚な2人が、奪い合って生きていく。そこには善悪の概念も常識も必要ない。 職場の仲間や周囲の人との関わりが描かれれば描かれるほど、2人に

          『私の男』桜庭一樹 (読書感想文)

          『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎 (読書感想文)

          2005年『このミステリーがすごい!』大賞2位の、鮮やかで切れ味鋭いミステリー作品。 練られたストーリーと伏線回収は、本当に見事。 伊坂幸太郎の、愉快なリズムを持つような、小気味よい文章が好きだなと思う。 決して楽しい話ではないのに、読後感はどことなく爽快で清々しい。 書き出しの1文はこうだ。 「腹を空かせて果物屋を襲う芸術家なら、まだ格好がつくだろうが、僕はモデルガンを握って、書店を見張っていた。」 こんなお洒落なバンドの歌詞みたいな、

          『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎 (読書感想文)

          『あしたはうんと、遠くへいこう』角田光代 (読書感想文)

          一風変わった恋愛小説。 ある一人の女の子の15年間の恋愛遍歴を追った作品。 解説で穂村さんも書いているけど、人生の全てをかけて振り回されるその恋の模様は、さながら激しい戦争のようで、しかも見事に全戦全敗。 恋心にぶら下がるようにして生きて、やれドラッグだ浮気だストーカーだと、どうしようもない失敗ばかり。 恋が終わるたびに今度こそと誓うのに、何度でも同じことを繰り返す。 「私はまたすぐ誰かを好きになる。 性懲りもなく恋をする」 そういえは

          『あしたはうんと、遠くへいこう』角田光代 (読書感想文)

          『盲目的な恋と友情』辻村深月 (読書感想文)

          二人の女の恋愛と友情について、ほぼ同時系列の生活を二人の一人称でそれぞれ描く。その構成が見事。 他人からしたら些細で平穏に見えるかもしれないその日常は、極めて狭い彼女らの視点に絞って見れば激動で、まさに「盲目的な恋と友情」のタイトルにふさわしい。 辻村深月さんは一番好きな作家さんだけど、読むたびに辛い。 誰もが経験したことがある、でも敢えて誰も言葉にしてこなかった、女の「イタさ」を、拡大して抉り出して、丁寧に文章化する。 劣等感からくる肥大した自

          『盲目的な恋と友情』辻村深月 (読書感想文)

          『流浪の月』凪良ゆう (読書感想文)

          2020年本屋大賞。 誰にでも勧められる一冊。 文章は柔らかく繊細だが、挑戦的な作品だと思った。 現代を軽妙に皮肉っている。 「価値観は人それぞれ」という価値観こそ「普通」の時代。 しかし世間には暗黙の基準がある。 「普通」ではない人間に対して、世間は無理解で残酷だ。 だから普通のふりをして生きる。 理不尽だと思うけど、程度の差はあれ皆がそうだと更紗は言う。 その通りだと思った。 更紗にとって、世間の優しさは的外れだった。哀れみや同情だ

          『流浪の月』凪良ゆう (読書感想文)

          『紙の月』角田光代 (読書感想文)

          めちゃくちゃ面白かった。 これは1億円横領という大事件を引き起こした1人の主婦の物語。 事件を起こした梨花は、控えめで真面目で正義感の強い女だったのだと、昔の知人は語る。 読者も事件を知った知人と同じように驚き、疑い、梨花について知りたいと思う。 その構成が見事だった。 2人で1万円にも満たない食事をして、幸せねと夫と笑い合う。 ピザの宅配を待つ間、華やいだ気持ちになる。 梨花は本当に普通の主婦だった。 日常の本当に微かな違和感が、いつしかどうしようもない閉塞感に変わる。

          『紙の月』角田光代 (読書感想文)