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映画へGO!「無名」
(※多少のネタバレあります)
美しい男優と女優、ファッショナブルなスーツ、ムーディーで陰影ある光、ばっちりと計算された画面の構図、神経質なまでに厳選されたプロップ、お洒落なベーカリー、そして何より、激しいダンスのような息を呑むアクション・・・。
他に何がいるの?という位、ぐいぐい引き込まれる映画でした。フィルムノワール。
これより優れた映画って、恐らくたくさんあると思うのですが、緊張感がみなぎり
映画へGO!「青春18×2 君へと続く道」
(※多少のネタバレあります)
男性の主演であるジミー役のシュー・グァンハンは、とても絵になる俳優でした。
特別な二枚目ではないと思うのですが、旅する日本の風景の中に、異邦人として溶け込みながら、かつて恋をした彼女を探し、自分の今も見つめようとしている切ない姿に、嫌みなく感情移入ができます。
一方で女性の主演アミ役は清原果那。こちらは明らかに美女ではあるものの、演技に変な自意識が侵食しておらず、台
映画へGO!「悪は存在しない -Evil Does Not Exist-」
(※ネタバレあります)
全然異なる設定や題材ではあるのですが、観終わった直後には処理し切れない余韻を残し、心がざわつくのは、「ドライブ・マイ・カー」と同様の感覚でした。
これは濱口監督が狙う、観客との距離感なのでしょうか?くせものですね・・。
前段は、過剰なまでにスローなペースで展開される、舞台となる田舎エリアでの生活風景の描写。
それは、淡々と自然と向き合って生きている主人公とその家族や仲間た
映画へGO!「プリシラ」
(※多少のネタバレあります)
「ロスト・イン・トランスレーション」好きの自分としては、ちょっと期待値が高すぎて、結果”なんか変な映画だったな・・・”という読後感で映画館を後にしました。
「14歳(!)でエルビスプレスリーと出会って、アッという間に恋に落ち、一緒にファミリーとして暮らし始めながら、ついに結婚をし、子供も産んで、やがて別れが訪れるその瞬間まで」・・を一気通貫で主人公プリシラの視点で描
映画へGO!「落下の解剖学」
(※多少のネタバレあります)
カンヌのパルムドール、アカデミー賞の脚本賞などを受賞、かつ法廷モノということで観に行って参りました。(法廷モノ好きなので・・)
確かに深く激しいセリフの応酬は見応え十分であり、その情報量の多さゆえ、観る側のエネルギーを大きく消耗していくレベルです。笑
一方法廷モノとしては、アメリカの裁判(例えば「SUITS」的な)から連想されるような、いわゆる知的ゲームのラリーを
映画へGO!「コットンテール」
(※多少のネタバレあります)
イギリスと日本の合作。監督&脚本がイギリス人、キャストがほぼ日本人というところになんとなく惹かれつつ、予告編映像の風景があまりにムードたっぷりに美しかったので鑑賞してみました。
妻(木村多江)を認知症で失った夫(リリーフランキー)。妻の遺言に導かれ、イギリスのウィンダミア湖に向かう夫と息子(錦戸亮)の間には、積み重なった大きなわだかまりがあり、旅の途中で衝突を繰り返
映画へGO!「コット、はじまりの夏」
(※多少のネタバレ)
大家族の中でも、静かに孤独な日々を生きる少女コット。両親から追い出されるように親戚の家に預けられるのですが、そこでの毎日がコットにとって、かけがえない経験となっていく。
いろいろあってのエンディングの先、コットがどうなっていくかは、観るものの想像に委ねられるカタチではあるのですが、”はじまりの夏”というタイトルにもあるように、切なくもどこかポジティブな予感に溢れていて、とて
映画へGO!「ポトフ 美食家と料理人」
(※多少のネタバレあります)
タイトルからすると、料理を真ん中に置いたハートウォーミングなロマンチックコメディーみたいなありふれた感じが想像されて、遠慮しようかと思ったのですが、監督がトラン・アン・ユンであれば「大丈夫なはず・・」ということで鑑賞。
結果、観て良かった、見逃さなくて良かったと思える作品でした!
ちょっとスノッブだけれども、フレッシュなセンスが溢れていて、平凡に陥らないラブロマンス
映画へGO!「枯葉」
(※多少のネタバレあります)
あらすじを文章にしてしまうと、こんな感じです。
辛く冴えない毎日を送っている中年男女が、ひょんなところで出会い、距離が近づき、でも一度は離れてしまうが、最後には結ばれていくというミニマルなラブストーリー。
つまりどうってことのない内容のはずなのですが、退屈な映画かというとそういうことでもなく、気づけば静かにスクリーンに引き込まれていくのでした。
その理由のひとつは
映画へGO!「PERFECT DAYS」
(※多少のネタバレあります)
ほとんど何も起きない映画と言えばそうですね。
起きた最大の出来事でも、主人公の妹の娘が家出してきて、自分のアパートを訪ねてきたこと。
それでいて、日々起きるささやかな揺らぎや出会いが、観るもののココロを静かに震わせる、とてもエモーショナルな映画だと感じました。
東京・渋谷のトイレ清掃を仕事にしている平山さん(役所広司)は、毎日繰り返されるルーティンの中で淡々と自分の
映画へGO!「キリエのうた」
(※多少のネタバレあります)
ただ景色が映し出されているだけで号泣してしまい、涙が止まらなくなる映画体験をしたことが何度かあります。
例えばペドロ・アルモドバルの「All About My Mother」では、列車の旅でトンネルを抜けバルセロナの街に入っていく夜景のシーン。岩井俊二の「Love Letter」では、画面いっぱいに眩しいばかりに真っ白く拡がる雪のシーンとか。
どちらも私の人生のお気に
映画へGO!「レオン(完全版)」
(※多少のネタバレあります)
FILMARKS主催のリバイバル上映プロジェクトということで、映画館に足を運び、観直してみました。
かつて鑑賞した時より、レオンとマチルダの恋愛的要素がだいぶ強まっている印象なのは、”完全版”だからでしょうか?
2023年今現在の時代観からすると、中年男性と少女との、親娘的感情の範疇を超えたやり取りは少し微妙な感じがしてしまいましたが・・でもやはりストレートな”愛”