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エンタメを社会学

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漫画、映画などなどエンターテイメントを社会学的に見ていくことで現代社会の有り様に関して考察していきます。
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「愛してる」を知りたくて〜“知らない”からこそ“わかる”こと〜

「愛してる」を知りたくて〜“知らない”からこそ“わかる”こと〜

前回記事はこちらから⬇︎

『「愛してる」を知りたいのです』そう彼女は言った。

彼女はコトバを知らない。

幼少の頃から軍にて「人を殺める技術」だけを習得してきた彼女は、人を殺めるために必要な“言葉”を知っていたとしても“コトバ”は知りえなかった。

彼女は意志を、ココロを持たない。

「人」ではなく「武器」である彼女に、彼女自身の意志は不要だった。彼女は人に命令を、「生きる意味」を与えられなけ

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他者の想いをコトバにするということ〜ヴァイオレット・エヴァーガーデンを観て〜

他者の想いをコトバにするということ〜ヴァイオレット・エヴァーガーデンを観て〜

手紙とは自己の想いをコトバにしたためること。

でも、自分の想いって思った以上に自分ではわからないもの、コトバにならないものなのではないでしょうか。

今回の記事のベースになる物語「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」はそうした人々のコトバにならない想いを手紙という形でコトバにする仕事「自動手記人形」を務める少女を主人公とする物語です。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンという物語
物語は第二次世界

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なぜアナ雪に続編が必要だったのか〜エンタメを社会学〜

なぜアナ雪に続編が必要だったのか〜エンタメを社会学〜

映画に評論はつきものだ。その映画の内容的良し悪しだけではなく、その映画が共感された社会的背景、その映画がそもそも生まれ出た社会的背景など評論の種類は多種多様である。

さて、今回の評論の切り口は映画の続編そのものについての評論ではなく、続編としてアナ雪2が生まれなければならなかった理由に関して考察していきたい。なぜこの少し風変わりな切り口で論じる必要があったのかは最後まで読んでいただければきっとわ

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