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人と組織の探究

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本noteでは、人の可能性を拓く組織づくりのための新しい気付きを届けることを目的に、組織論とケースを考察していきます。
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記事一覧

War for Talent 人的資本の希少性に立ち向かうための組織戦略

War for Talent 人的資本の希少性に立ち向かうための組織戦略

2000年初頭、マッキンゼーはWar for Talent と題する人財の希少性への適応に警鐘を鳴らした人材獲得・育成競争に関する書籍を発刊されました。

その内容は、20年以上経った今でも、労働生産人口の減少、DX時代の産業構造の変化に伴うスキルの多様化の影響を受ける日本の労働市場においては有効的で、組織戦略を考える上でのバイブルとしておすすめです。

事業運営における業績向上には、絵に描いた餅

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ディズニーの組織開発を調べてみて

ディズニーの組織開発を調べてみて

ディズニーが多くの人を惹きつけるような高いクオリティのサービスを提供できる秘訣は何か?
ふと気になり、福島 文二郎さんの『9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方』と、『9割がバイトでも最高の感動が生まれるディズニーのホスピタリティ』を拝読して得た気づきを5つの観点で整理します。

人が育つ環境の仕掛けが興味深く、なぜ世の中になぜ研修が存在するのか、組織開発の重要度を考えるきっかけ

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Silver Bulletはない!新任マネージャーがぶつかる壁

Silver Bulletはない!新任マネージャーがぶつかる壁

ウォーフォータレントの時代において、多くの組織で、経営と現場を接続するミドルマネジメントが不足しています。

そして、個人のキャリアにおいてもマネジメント経験が重宝されるものの、個人では解決が難しいさまざまな課題の板挟みになる苦難から挫折したり、そもそもマネージャーになりたくない症候群が増えたり、と需要と供給が崩れていることが実情ではないでしょうか。

私自身もマネジメントを約3年を経験していく中

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組織図デザインの検討ポイント〜機能別、事業部別、マトリクス〜

組織図デザインの検討ポイント〜機能別、事業部別、マトリクス〜

1964年チャンドラーは「組織は戦略に従う」、1978年アンゾフは「戦略は組織に従う」との理論を主張しました。
日本語訳ではどちらも組織と訳されていますが、チャンドラーの指す 「組織」 とは「組織構造(Organizational Structure)」を意味し、アンゾフの指す 「組織」 とは 「組織能力 (OrganizationalCapability)」を意味しており、「組織構造は戦略に従い

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ケース30.ゴーレム効果〜人の成長可能性を潰さない組織風土〜

ケース30.ゴーレム効果〜人の成長可能性を潰さない組織風土〜

▶︎自己の未来に希望を持ち続けられる組織の特徴は?

入社時は希望に溢れていたはずなのに、気が付けば無気力に陥ってしまっている場面に遭遇したことはないでしょうか?

経営の視点:
・成長して組織に貢献してほしい
・成果を出すために適度なプレッシャーの加減が難しい

現場の視点:
・自分の力を発揮して活躍したい
・許容度を超えた叱責を受けると苦しくなる

人生100年時代が警鐘され、労働市場の流動性

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ケース29.ウィンザー効果〜ワンチームで育成する人材開発〜

ケース29.ウィンザー効果〜ワンチームで育成する人材開発〜

▶︎人の成長を最速化するためにできる工夫は?

上司ガチャ、部下ガチャ、と人の組み合わせの相性に左右されたり、どんなに信頼関係があろうとも特定の組み合わせの中でマンネリ化が生じたり、人間関係によって成長速度が鈍感していると感じたことはないでしょうか?

経営の視点:
・高いパフォーマンスを高められる早期に成長してほしい
・人と人の相性を測ることは難しい

現場の視点:
・やりがいや評価でリターンが

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理想に近づくためのキャリアプランニング10訓

理想に近づくためのキャリアプランニング10訓

1年は8,760時間。
平均的な営業日は年間245日であり、1日に通勤含め10時間働いているとすると、
1年間における仕事に投じる時間は、2,450時間で年間の約27.9%を占めます。
ワークライフバランスを大事にすれども、これだけの時間を費やす仕事が、自分の人生にとって、プラスなのか、マイナスなのか、希望の持ち方一つで幸福感は変わるのではないでしょうか?

だからこそ、自分自身が熱中できる仕事、

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事業成長の原動力となる採用力10訓

事業成長の原動力となる採用力10訓

ビジョンを掲げて外部資本を受け入れた企業は市場から評価される付加価値(サービス)を継続的に提供することで存続していくゴーイングコンサーンが前提となります。
その経営の船旅では、4大経営資源であるヒト、モノ、カネ、情報の中で、唯一の可変資本であるヒトが最重要。
サービスやプロダクトを考えるのも人、作り込むのも人、顧客接点を持つのも人、全てのオペレーションを回すのも人、そして組織の勢いを作るのも人、と

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7Sに基づくHRM分析視点の振り返り

7Sに基づくHRM分析視点の振り返り

Human Resource Management(人的資源管理)は、4大経営資源であるヒト、モノ、カネ、情報の中で、ヒトが唯一の可変資本であり、組織づくりの努力次第で事業を成長させられることから重要度が増しています。

本記事では、マッキンゼー・アンド・カンパニー社が提唱する戦略(Strategy)、組織構造(Structure)、組織運営(Systems)、人材(Staff)、組織風土(Sty

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ケース28. ピグマリオン効果〜居場所をつくるタレントマネジメント〜

ケース28. ピグマリオン効果〜居場所をつくるタレントマネジメント〜

▶︎あらゆる人の活躍可能性を高めるためにできることは?

日々努力を尽くしているにも関わらず、成果に表れずに苦戦してしまう場面に遭遇したことはないでしょうか?

経営の視点:
・給与以上の利益を出してほしい
・個人のパフォーマンスを高めることが難しい

現場の視点:
・活躍して評価されたい
・自分の強みを発揮できないと苦しい

人的資産の希少性が高まっていくウォーフォータレントの時代において、自組

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ケース27.ハロー効果〜理想の組織を目指す人材登用〜

ケース27.ハロー効果〜理想の組織を目指す人材登用〜

▶︎人材登用における不平不満を防ぐには?

採用や抜擢において決定者の主観が入っているも不公平を感じて不満が生じている場面を経験したり、見かけたりすることはないでしょうか?

経営の視点:
・事業を前に進める採用と抜擢をしたい
・組織が大きくなるほど全ての人のことを細部まで知ることは不可能

現場の視点:
・納得感が持てる採用と抜擢をしてほしい
・採用と抜擢の基準に不信感を持つことがある

人が人

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ケース26.ソマティック·マーカー仮説〜意思決定の質を高める息抜き〜

ケース26.ソマティック·マーカー仮説〜意思決定の質を高める息抜き〜

▶︎タスクに忙殺されないために必要なことは?

日々、やらなければならないと感じることに溢れている中で、漏れてしまったり、優先順位を誤ってしまったり、と後悔したことはないでしょうか?

経営の視点:
・最も事業にインパクトすることにフォーカスしてほしい
・人の思考回路に関与することは不可能

現場の視点:
・忙殺されるほど思考する時間が減る
・重要度の高いことよりも緊急度が高いことに追われる

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ケース25. プライミング効果〜エンゲージメントを高める情報流通〜

ケース25. プライミング効果〜エンゲージメントを高める情報流通〜

▶︎組織と個人のすれ違いを防ぐためにできることは何か?

組織の状況や方向性が分からずに人それぞれ意識していることがバラバラになっていると感じることはないでしょうか?

経営の視点:
・組織方針に沿って優先順位をつけてほしい
・情報をどこまで共有するかの線引きが難しい

現場の視点:
・自分の貢献度が分かるとやりがいがある
・組織の全体像を把握することが難しい

ティール組織やネットワーク型組織、

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ケース24. 一貫性の原理〜理想を見失わないセルフコントロール〜

ケース24. 一貫性の原理〜理想を見失わないセルフコントロール〜

▶︎初志貫徹。理想を見失わずに前進するには?

企業組織は羅針盤としてビジョン/ミッションを掲げ、個人は羅針盤としてWILLを掲げる。
市場や組織が変化していく荒波の中で、理想を見失ったり、かけ離れてしまっていると悩んだことはないでしょうか?

経営の視点:
・市場の変化に適応しなければ自社の利益を守れない
・自社の変化をステークホルダーに納得させる必要がある

現場の視点:
・組織の変化に適応し

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