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写真というメディアを考える

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イメージ・コンテンツを制作する事は、視覚を通過して、人の心に問いかけることが一番のポイントだ。 人の心に問いかける事は、感性の同一性を得るということで、国境、時間という領域を超え… もっと読む
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#美術

心象風景を考える

心象風景を考える

心象風景を考える
現実世界の視覚から、消えても心象として残るものがある。

また、予め、それを見たこともなく、その知識もなくても、それを見ると、特定の心象作用を誘発されるものがある。

この2つは、度々、混同されてきた。

それは、モノとイメージの同一視である。

映像は、このような性質を持ち合わせている

#2)Christian Boltanskiの日本での展示

#2)Christian Boltanskiの日本での展示

クリスチャン・ボルタンスキー(Christian Boltanski,1944-2021/仏のアーティスト)
フランスの現代美術作家:彫刻、写真、画家、映画....
記憶や存在(生と死)等、哲学的な概念芸術の作品を扱う。
クリスチャン・ボルタンスキーは、日本国内でも著名な作家だ。

1990–91年、ICA-Nagoyaや、水戸芸術館で展示。
それ以降、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ

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ロバート・ライマンは、MoMAの警備員として働き、MoMAに作品が収蔵された。

ロバート・ライマンは、MoMAの警備員として働き、MoMAに作品が収蔵された。

ロバート・ライマン(Robert Ryman,1930-2019/US)
ミニマリズムのコンセプチュアル・アーティスト。モノクローム絵画の厳密なでリサーチでの制作で著名だ。ロバート・ライマンの代表的な作品は、ビニール、グラスファイバー、リネン(亜麻布)、ジュート(黄麻繊維)、壁紙など、さまざまな表面に描かれたが、ベースは白地の白に限られていた。

ロバート・ライマンの抽象的な絵画はイメージを作成し

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「美術を学ぶ人へ」(美術の教科書)についての解釈

「美術を学ぶ人へ」(美術の教科書)についての解釈



「美術を学ぶ人へ (美術の教科書) 」について、
反面、異論の多いのも確かだろう、それは、表象には、解答がないのだから、、それでも、小中学の美術には、成績がある、人(教師)がランクを付ける訳だ、そして、この書籍は、その教育の中で使われた。

>>「科学と芸術の違い」: 科学と芸術の違いはない。そして、作者には、学際(がくさい)というパラダイムも認識してほしい。
>>「科学技術」: 「科学技

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Zdneck Kosek:世界の所有者の天気図(アウトサイダーアート)

Zdneck Kosek:世界の所有者の天気図(アウトサイダーアート)

Zdneck Kosek:世界の所有者の天気図(アウトサイダーアート/アールブリュット)
ズドネック・コセック(Zdneck Kosek/Zdeněk Košek,1949- /チェコ):アウトサイダーアート/アールブリュットの作家。
ズドネック・コセック(Zdneck Kosek)は、当初は、タイポグラファー(typographer/書体デザイナー)と漫画家として働き、チェコの雑誌や新聞に似顔絵

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秘密の飛行愛好家チャールズ・デルシャウ(アウトサイダーアート)

秘密の飛行愛好家チャールズ・デルシャウ(アウトサイダーアート)

秘密の飛行愛好家チャールズ・デルシャウ(アウトサイダーアート/アール・ブリュット、そして、ビジョナリーアート)

チャールズ・デルシャウ(Charles Dellschau,1830–1923/US)
チャールズ・デルシャウは、アメリカの初期のビジョナリーアート(Visionary art/テーマが精神性・神秘性・幻視芸術)のアーティストだ。
図面、コラージュや水彩画等で、飛行機や飛行船を描いてい

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(#2)アウトサイダー・アート(アール・ブリュット)の定義の周辺(アウトサイダーアートとインサイダーアート)

(#2)アウトサイダー・アート(アール・ブリュット)の定義の周辺(アウトサイダーアートとインサイダーアート)

(#2)アウトサイダー・アート(アール・ブリュット)に定義の周辺。

それは、社会的には、「アウトサイダー」であっても、芸術と創造に於いては「インサイダー」かも知れないのだ。
そして、重要なことは、作家の個人的な人生と「作品」を混同してはならないと言うことだ。

そして、ルイ・ステー(ルイ・ステール/Louis Soutter, 1871 - 1941/スイス-アーティスト・ヴァイオリニスト)のよ

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(その2)「イメージと文化」その「物質と記憶」を考える。

(その2)「イメージと文化」その「物質と記憶」を考える。

7)アンリ・ベルクソン「物質と記憶」を簡潔に考える
アンリ・ベルクソン(Henri-Louis Bergson,1859-1941/仏-哲学者)1929年、ノーベル文学賞。
従来型の認識論の限界を超えた、実証主義の手法を取り入れた。
そこが、ベルクソンは生の哲学と言われる由縁かも知れない。それは、持続の相(外見)のもとで、直感により、生きた現実が把握される事になる。
先に、ポイントを述べると、物質

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(その1)「イメージと文化」その「物質と記憶」を考える。

(その1)「イメージと文化」その「物質と記憶」を考える。

1)現在、誰しも、社会生活を行っている者は、スマートフォンと言う「イメージの記録装置」を懐に忍ばせている。
「イメージと文化」にとっては、いわば理想環境だろう。(それは、アラブの春のような事象にも至る-外務省Vol.87 「アラブの春」と中東・北アフリカ情勢)

2)イメージの分類
目から、入る情報は、五感の中でも80%以上と言われる。
そして、そのイメージを鑑みると以下のような分類もできるだろう

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ジャン・デュビュッフェ(仏)とアールブリュット、その語源とロジック

ジャン・デュビュッフェ(仏)とアールブリュット、その語源とロジック

ジャン・デュビュッフェ(Jean Philippe Arthur Dubuffet, 1901-1985/仏)とアールブリュットの語源とロジックを考える。

ジャン・デュビュッフェは、フランスの画家/評論家であり、アンフォルメル(比較的激しい抽象表現/アクションペイント)の先駆者だ。
西洋美術の伝統的価値観を否定して、アール・ブリュット(生の芸術-幼児から精神障害者、原始世界に至る- 純粋な芸術的

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(今日の一枚)吉田カツの「Bahamas Mango」バハマブックから

(今日の一枚)吉田カツの「Bahamas Mango」バハマブックから

吉田カツ(Yoshida, Katsu,1939-2011/イラストレーター・画家・写真家)
鮮やかな色彩とエネルギッシュで大胆な筆致の描写は、人の目を惹きつけるものがある。

Bahamas Mango,1989 Acrylic on paper,480×677mm

略歴-吉田カツ
1939(昭和14)年、兵庫県に生まれ。
大阪美術学校(現、大阪芸術大学)デザイン科を卒業後、デザインの仕事に従

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(今日の一枚)Mr.バートレットの恋人たち

(今日の一枚)Mr.バートレットの恋人たち

精巧な石膏人形の制作して、人形の撮影(主に1936-1963)を行ったのアメリカの写真家・グラフィックデザイナー。
モートン・バートレット (Morton Bartlett,1909-1992/US)

(c)Morton Bartlett

その石膏人形は、1962年の「Yankee Magazine」の2ページの特集記事「Mr.バートレットの恋人たち」(9体)と発表はされたものの人に見せるた

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