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写真というメディアを考える

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イメージ・コンテンツを制作する事は、視覚を通過して、人の心に問いかけることが一番のポイントだ。 人の心に問いかける事は、感性の同一性を得るということで、国境、時間という領域を超え… もっと読む
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#エッセイ

ピューリツァー賞-写真部門:2014年-ゴールを超えて

ピューリツァー賞-写真部門:2014年-ゴールを超えて

ピューリツァー賞-写真部門:2014年-ゴールを超えて
アメリカのピューリッツァー賞(Pulitzer Prize)の「特集写真部門」の2014年に受賞。

ゴールの向こうへ(BEYOND THE FINISH LINE)by josh haner/ New York Times

ボストン・マラソンで両足を失った青年の一年後 (The New York Times)

Jeff Bauman r

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ロバート・ライマンは、MoMAの警備員として働き、MoMAに作品が収蔵された。

ロバート・ライマンは、MoMAの警備員として働き、MoMAに作品が収蔵された。

ロバート・ライマン(Robert Ryman,1930-2019/US)
ミニマリズムのコンセプチュアル・アーティスト。モノクローム絵画の厳密なでリサーチでの制作で著名だ。ロバート・ライマンの代表的な作品は、ビニール、グラスファイバー、リネン(亜麻布)、ジュート(黄麻繊維)、壁紙など、さまざまな表面に描かれたが、ベースは白地の白に限られていた。

ロバート・ライマンの抽象的な絵画はイメージを作成し

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(今日の一枚)If Winter comes, can Spring be far behind ?

(今日の一枚)If Winter comes, can Spring be far behind ?

(今日の一枚)If Winter comes, can Spring be far behind ?
If Winter comes, can Spring be far behind ?  -Percy Bysshe Shelley
Paris.

*冬来りなば 春遠からじ

Photo -artoday

もう少しで、立春ですね。どうぞ、ご自愛くださいませ。

Zdneck Kosek:世界の所有者の天気図(アウトサイダーアート)

Zdneck Kosek:世界の所有者の天気図(アウトサイダーアート)

Zdneck Kosek:世界の所有者の天気図(アウトサイダーアート/アールブリュット)
ズドネック・コセック(Zdneck Kosek/Zdeněk Košek,1949- /チェコ):アウトサイダーアート/アールブリュットの作家。
ズドネック・コセック(Zdneck Kosek)は、当初は、タイポグラファー(typographer/書体デザイナー)と漫画家として働き、チェコの雑誌や新聞に似顔絵

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秘密の飛行愛好家チャールズ・デルシャウ(アウトサイダーアート)

秘密の飛行愛好家チャールズ・デルシャウ(アウトサイダーアート)

秘密の飛行愛好家チャールズ・デルシャウ(アウトサイダーアート/アール・ブリュット、そして、ビジョナリーアート)

チャールズ・デルシャウ(Charles Dellschau,1830–1923/US)
チャールズ・デルシャウは、アメリカの初期のビジョナリーアート(Visionary art/テーマが精神性・神秘性・幻視芸術)のアーティストだ。
図面、コラージュや水彩画等で、飛行機や飛行船を描いてい

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(その1)「イメージと文化」その「物質と記憶」を考える。

(その1)「イメージと文化」その「物質と記憶」を考える。

1)現在、誰しも、社会生活を行っている者は、スマートフォンと言う「イメージの記録装置」を懐に忍ばせている。
「イメージと文化」にとっては、いわば理想環境だろう。(それは、アラブの春のような事象にも至る-外務省Vol.87 「アラブの春」と中東・北アフリカ情勢)

2)イメージの分類
目から、入る情報は、五感の中でも80%以上と言われる。
そして、そのイメージを鑑みると以下のような分類もできるだろう

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イメージと文化「テレビ放送という時代の終焉」:2020年のマスコミを考える

イメージと文化「テレビ放送という時代の終焉」:2020年のマスコミを考える

・イメージと文化から、2020年の事象を考える(私的覚書)
「放送という時代から、Netの時代へ」
今年(2020年前半)、広告収入の上で、通信(Net)が、ついに放送を追い越した。それを決定づけるのは、スポンサーは広告だろう、そして、大手、電通の800億を超える赤字化へとなった。

そして、サイマル放送に、NHKに次いで、ついに民放も今年の後期から参入した。
それは、長くつづいた放送の時代の終焉

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映画「ある画家の数奇な運命」-ゲルハルト・リヒター(公開は10月2日-)

映画「ある画家の数奇な運命」-ゲルハルト・リヒター(公開は10月2日-)

映画「ある画家の数奇な運命」-ゲルハルト・リヒターの数奇なる半生について画がれているフィルムだ。

「ある画家の数奇な運命」(Werk ohne Autor):フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督
第91回アカデミー賞では外国語映画賞と撮影賞にノミネートされた。2018年製作/189分/R15+/ドイツ

現代アートの巨匠と言われるゲルハルト・リヒター(その手法は興味深い)をモデルに製

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視覚からの位相を考える

視覚からの位相を考える

ここで申しあげたい事は、イメージは、再構成された視覚だ。それは、絵画・芸術のそれだし、写真、映像のそれだ。
そのイメージが、芸術作品として提示された時、人は、その見解を芸術について、以前、教わった様々な先入観によって影響されるだろう。
美、文化、真理、形態、位置付け、好み・・・
先入観の多くは、過去の曖昧化・美化・神秘化となるのだろう。
それは、「現在は、客観的な事実ではなく、意識的なものである」

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ロイス・ワインバーガーの植物アートでの問いかけ

ロイス・ワインバーガーの植物アートでの問いかけ

ロイス・ワインバーガー(Lois Weinberger,1947-2020/オーストリア) 概念芸術のアーティスト・詩人、また、農業・園芸家だ。
そして、生態系や環境問題のあり方に揺さぶりをかけた作品を早期から制作していた。
芸術と自然に関する、新たな議論に大きな貢献している。
(例)ドクメンタX(documentaX kassel-1997):その内容は、放棄された列車のプラットフォームに、ヨー

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ロイス・ワインバーガー、生態系の問題点を作品化する

ロイス・ワインバーガー、生態系の問題点を作品化する

ロイス・ワインバーガー(Lois Weinberger,1947-2020/オーストリア) 概念芸術のアーティスト・詩人、また、農業・園芸家(植物アート)。
都市において、人間の構成してきた常識を覆す、それは、生態系や環境問題のあり方に揺さぶりをかけた作品だ。ただ、残念なことに、2020年4月23日、病(循環器)により逝去された、72歳だった。ご冥福をお祈りしたい。

ドクメンタX(1997)、ド

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ロバート・バリーの作品は観る側への問いかけ?

ロバート・バリーの作品は観る側への問いかけ?

ロバート・バリー(Robert Barry,1938- /US)
コンセプチュアル・アーティストとして、パフォーマンス、インスタレーション等。目に見えない多様なメディアを使用して、非物質的な芸術作品を制作している。
例えば、非視覚的であり、難解な主題に直面することを目的として、ロバート・バリーは、テレパシー(精神感応)、電波、目に見えないガス、言葉などのさまざまなメディアで、表象にアプローチをして

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