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第三十七話 八つ面の渡部
「コーヒー買って来ていいか?」
岸のヤツが言った。
二日酔いもだいぶ収まってきたようだが、まだ本を読むほどではないらしい。
今日はもう配達は終わった。あとは帰るだけなんだがコーヒーなら帰ってから淹れてくれればいいんだが今すぐに飲みたい何かがあるんだろう。
「ああ、ドトールでいいか?」
「ああ」岸は指で目頭を押さえながら答えた。
オレたちは間違っても缶コーヒーなんか飲まない。
岸に言わせれば缶
第三十六話 誰が佐河を殺したの?
「関本さーん、鑑識呼びますよぉ?」
「いや、待ってくれ」
「自殺でしょう?」
「木下、もう一度大家に話を聞いてきてくれるか?」
「またですかあ!?もう三回も聞いてるじゃないですかぁ、すげえイラついてますよ大家さん。さっさと鑑識呼びましょうよぉ」
「いいから聞いてこい!全部だぞ!」
木下と呼ばれた刑事は舌打ちをして部屋を出て行った。
何かあるはずだ。
関本はきつい便臭のする老人の死体から距離を取り
第三十五話 山葵を食うと死にかける男は玉子巻きがお好き
キンキの寿司はマジで美味かった。
キンキってあんなに美味いんだな。
道路にいた連中は(やっと離れてくれたか)という顔でオレを見ていた。
どうせ寿司の味なんかわからないくせに!と思うのは良くないな。
キンキの寿司の味なら道路で飲んだくれている外人連中よりオレの方が分かっている自信はあるが、冷静に考えるとオレは一人前の寿司を出されても食えるのは半分くらいだからな。山葵が入っていなくてもだ。
それならこ
第三十四話 The rolling stones that won't stop until Go To dies.
金の問題じゃない。山崎。アレは大事な酒だったんだよ……。
オレと和さんの様子がおかしかったから?和さんの機嫌を取るためにアレを、山崎を開けちまったってのか・・。違う、機嫌が悪かったのはオレの方だったんだぜ。
アレは、山崎はあの女が買って来てくれたんだ。しょっちゅう海外に連れまわされていたのに安い給料で買って来てくれた大事な酒なんだ。でもあの女の名前が思い出せない。
いや、オレはあの女を思い出しち
第三十話 パーティー
念のため和さんに連絡をしたが足りない物は特にないとのことだった。
そう、和さんは大事な結婚パーティーの直前になってから「すまん!アレが足りないんだ!」なんてことを言う人じゃないからな。あんなに小さくて貧乏外人どもを相手にしているような店なのに和さんは本当にしっかりしているし、抜けてるところなんて一つもないしいつも正しいし、なによりメシが美味い。
夕方になり陽が落ちて外が暗くなる頃にオレたちは和さ
第二十六話 照間瑠衣が狙う者。
瑠衣は息も絶えだえに全身で呼吸しているかのようだった。
田中が可愛い仔犬の、先ほどまで田中が入っていたそこに触れた。
瑠衣がその手をピシャリと叩いた。田中は素直に手を引っ込めると瑠衣はその腹部に残る田中の体液を指で拭った。
それを自分の唇に塗りたくり舌で軽く舐めると田中に向き直りキスをせがむように唇を突き出した。田中はそれに答えそっと唇を重ね、瑠衣がしたようにその唇を舌で舐めた。
精液と瑠
第二十五話 田中彼方と照間瑠衣
田中は瑠衣の耳にキスをした。
瑠衣は身体をビクッと奮わせ少し田中から身体を離した。
田中は両手で瑠衣の胸を包みこんだ。
瑠衣はまた田中の胸に顔を埋めたがそれ以上の抵抗はしなかった。
田中は瑠衣の小ぶりな胸を優しくなで続け、時折その突起を指で挟んだりした。
そのたびに瑠衣が小さな声を漏らす。
田中は瑠衣の胸を撫で、持ち上げ軽く揉み続けてから小さな乳首をその指で摘んだ。
瑠衣は思わず仰け反る