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Suiのオブジェクトベースモデルを理解する
はじめに以前に、Xでこんな感じでSuiの技術解説をしたのですが、後で見直せるように残した方がいいなということで、ここを有効活用していこうと思います。
だいたいはXの内容と同じですが、多少手直ししてる部分もあるので、一度読んだ人ももしよければ読み直していただけると嬉しいです。
1.Suiは資産を単なる数字ではなくリソースとして扱うことができる1-1.資産をリソースとして扱うとはどういうことか?
オストロムから持続可能なコモンズ的DAOを探る
1,はじめに
Web3カルチャーにおいて、徹底的なパーミッションレスや真の分散化は神聖なものです。ですが、現在のWeb3で本当に完全な分散性を獲得しているのはごくわずかなプロジェクトのみと言えるでしょう。
そして、それは最近僕がリサーチを進めてるDAOにも言えることです。先日書いた『持続可能なDAOのガバナンスシステムを考察する』でも触れていますが、持続可能なDAOのガバナンスシステムを構築する
ブロックチェーンで自己主権型アイデンティティを実現するPolygon IDの解説
前提:ブロックチェーンで個人情報を扱うことの難しさ
ブロックチェーン技術は、その透明性と改ざんの難しさから、革命的な技術として認知されています。しかし、一方でその透明性がプライバシーの問題を引き起こす場合があります。具体的には、ブロックチェーン上の取引情報は公開されており、このアドレスと個人のリアルな情報を関連付けられてしまうと、その人の取引履歴や資産状況が広く公に知られるリスクがあります。
デジタルアイデンティティの相互運用を可能にするプロトコルRarimoの概要
1,はじめに
デジタルアイデンティティはオンライン上のコミュニケーションを行う上で重要な役割を果たしていますが、今後はオンラインだけでなく、オフラインを含む様々な場面で自身を証明するものとして普及し、僕らのデジタル体験を向上させるものとして期待されます。一方で、中央的な企業や行政によるID管理に対する懸念があることも確かであり、そのような背景からWeb3の文脈で議論が増えているのがSSI(自己主権
Web3時代の身分証明の在り方 DID/SSI/VCの概要
1,はじめに
Web3のアイデンティティ領域は今後成長が見込まれる分野として期待されています。基本的には自身の個人情報を第三者に渡さずに自分自身で管理していこうというビジョンがあり、様々なところで議論が進められています。それを実現するために重要な下記の3つの概念について解説します。
・DID(Decentralized Indentity:分散型ID)
・SSI(Self sovereign i
Web3×環境問題を考える 二酸化炭素吸収量の測定における現在地
1,はじめに
二酸化炭素(以下CO2)吸収量の測定は、環境対策全般における重要なテーマです。しかし、この取り組みは専門知識を要するため小難しく、社会一般的にあまり注目されることさありません。また、CO2吸収量測定と言っても目的や、森林、海洋、農地といった地域特性ごとに最適な測定方法が異なるため、その方法は多岐に渡ります。このような背景から、気候変動問題に興味はあるけど、そこで何が行われてるかはよく