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セイのカクリツ:「多様“性”」に満ちた未来をいきる

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太古の時代、生物の「性」は一つのみであり、細胞分裂や株分けで自分のクローン体を増やすだけだった。そこから「メス」と「オス」に分化し、遺伝子交換によって生殖するようになったのは「多… もっと読む
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2020年1月の記事一覧

日本のジェンダー・ギャップが先進国最低になった背景 / 三浦瑠麗

日本のジェンダー・ギャップが先進国最低になった背景 / 三浦瑠麗

★前回の話はこちら。
※本連載は第9回です。最初から読む方はこちら。

 日本は2019年の世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップリポートで、過去最低で先進国のなかでも最低の121位という不名誉な地位に甘んじました。このランキングの点数のつけ方については様々な異論も出ましたが、どう考えても政界と経済界の女性リーダーシップ比率が低いのは確かですし、同じく豊かで専業主婦比率が高いはずのドイツの順位は

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「愛と性と存在のはなし」第5回 〔『ボヘミアン・ラプソディ』に見るマジョリティの希望〕 赤坂真理

「愛と性と存在のはなし」第5回 〔『ボヘミアン・ラプソディ』に見るマジョリティの希望〕 赤坂真理

 sometimes I wish I’d never been born at all.

 そう、まったく生まれないほうがよかった。
 影も形も。
 こんなに孤独なら。
 この世界に属せない、疎外感だけなら。
 存在するということの、まったき孤独。 
 孤独だから、誰かを求めるのか。
 求めても孤独。
 本当の望みなど、知らないほうがよかった。
 本当の自分をわかりたいだなどと。
 かなわない

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「愛と性と存在のはなし」第4回 〔草食男子とは誰か〕 赤坂真理

「愛と性と存在のはなし」第4回 〔草食男子とは誰か〕 赤坂真理

草食男子という誤認
「草食男子」という言葉がある。
 恋愛や性に消極的な男子、という意味に使われることが多いだろうか。元気がない男と同義にされるなど、ネガティブに使われることも多い。 
 そもそもは「草食動物のように優しく草を食んでいるような男子」というポジティブな意味でつけた、と、名付け親の深澤真紀は語っている。初出は2006年である。いずれにせよ、一時の流行語であることを超えて、今では定着した

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「愛と性と存在のはなし」第3回 〔#Metoo運動は何をめざしたいのか〕 赤坂真理

「愛と性と存在のはなし」第3回 〔#Metoo運動は何をめざしたいのか〕 赤坂真理

 女であるって生きづらいと思ってきた。

 生まれて死ぬまでホルモンに、体調から感情まで支配されて生きるようで、身体のリズムや変化は、不可抗力な自然からの介入で自分の思い通りになることは少なくて、セックスはいいものだけれど、セックスにまつわる負担は女に一方的に、圧倒的に、多くて。
 同じことやってるのに、不公平じゃない?
 と、権利以前のことで神を呪いたくなった、こともある。
 どこまでが不可抗力

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「愛と性と存在のはなし」第2回 〔男であることはなぜ辛いのか〕 赤坂真理

「愛と性と存在のはなし」第2回 〔男であることはなぜ辛いのか〕 赤坂真理

 年来、「自らの男性性への嫌悪」「男であることの罪悪感」を口にする男に出逢ってきた。

 わたしはこれを他のどこでもあまり聞かないし読んだことがなかった。
 わたし自身、聞いてよくわかったとは言えない。
 じっさい、何がそんなにつらいのかと思っていた。
 彼らは、変わった人たちではない。どちらかというと、適応的な人たちで、この「男性的世界」でほどよく成功しているように見え、しかも優しくて人当たりが

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「愛と性と存在のはなし」第1回 〔性的マイノリティは存在しない〕 赤坂真理

「愛と性と存在のはなし」第1回 〔性的マイノリティは存在しない〕 赤坂真理

「男/女」と単純に分類しがちな私たちの「性」というものは、本来とても繊細で、多様だ。それは少しずつ認識されつつあるが、いま私たちが性を語る言葉は、あまりに人々を分断し、対立させ、膠着させるものではないだろうか。各々が性を語るその言葉の前提は、確かだろうか。マジョリティだと自認するあなたの「性」が、本当はもっと複雑で、深淵なものだとしたら――。私たちの内なる常識に揺さぶりをかけ、いまだ誰も語りえない

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親フェミは臣道実践・皇道翼賛

私は「皇道主義フェミニスト」を自称するなど親フェミニズムの立場を取ってきた。(男子はフェミニストの主体ではないという見解を見て「親」という自称に落ち着いている。)

Twitter界隈を見てみると、「親フェミ」を名乗る男子には「そうすればモテる」みたいな下心丸出しの者も少なくない。そういう者は女子を「獲得」したいと思っているだけで本気で女性の人権を擁護する気は無いのではないかと思う。

反フェミニ

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アスリートとメイク

アスリートとメイク

先日の新聞でアスリートとメイクについての記事が特集されていました。
競技へのストイックさが求められ、精神論が根強く残るアスリートの世界では、メイクやおしゃれを楽しむことはタブーとされがちです。

本気になるイコール女を捨てること

絶対に化粧とかをしてはいけない雰囲気

選手たちは、こんな現実の中で自分を押し殺して競技に集中していました。

そんな中、大学などでメイクがパフォーマンスや心理状態にも

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「完璧な被害者」であることを求められるこの社会で

「完璧な被害者」であることを求められるこの社会で

広河隆一氏が、性暴力やパワーハラスメントを告発された問題について、昨年12月26日に公表された「デイズジャパン検証委員会」報告書に対し、私たちの団体、Dialogue for Peopleでも声明を発表しました。

まずは被害に遭われた関係者の皆さんが、少しでも心身ともに回復されることを願います。報告書では広河氏やデイズジャパンといった個人、個別の問題を越え、性暴力やパワハラの問題に対しての根強い

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女性の生きづらさが、日本を弱くする。

女性の生きづらさが、日本を弱くする。

自分の頑張りが
報われない理由が

自分の怠惰や
能力のなさならまだしも

それが

【差別】だったとき

あなたなら、どうしますか?

世の中には
多くの差別があって

とくに
ジェンダー差別においては

この国は

いまだに閉鎖的。

だから私は最初に

美容師、という職業を選びました。

美容師なら、
男性と肩を並べて働ける。

だから
迷わず、その道を選びました。

それでも
差別が無かっ

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「元始、女性は太陽であった」とは平塚らいてうの言だが、その根底には古代より女性や女神を中心とした日本の世界観と文化がある。
思えば拙作『ノートワールドサーガ』も「女神の世界創生」から物語が始まる。

男性原理と女性原理|kunotan https://note.com/kunotandesu/n/naa82253c54d3

夫婦別姓と各々の背景

夫婦別姓と各々の背景

夫婦別姓についてのいろいろな意見をTwitterでみていた。

例の「だったら結婚しなくていい」というヤジの話を聞いたときは、一瞬「何たる時代錯誤!」みたいに思ったのだけれど、こういうときにいつも「自分とは違う」と思って切り捨てないようにしようということも同時に思う。

そしてふと、自分はそうやって切り捨てないことが人として大事だみたいに思っていたのだけれど、べつに単純に、私には及ばない考え方にす

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note|野村俊介さんのnoteを読んで

note|野村俊介さんのnoteを読んで

先日、短い内容ながらハッとさせられるnote に出会った。野村俊介さんの「個体差」をテーマにしたnoteだ。

人間には持って生まれた個体差があるのだから、巷に溢れる情報に振り回されるのではなく、自分の個体を理解して、自分にあった方法を取るべきだ。そういったことが書かれている。

12時なると人がビルから一斉に出てくる野村さんの場合は、自分の個体差を理解しろ! というメッセージなのだが、僕の場合は

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少子化の原因を超長期トレンドでみたら、家族の多様性が不可欠なことが判明した

少子化の原因を超長期トレンドでみたら、家族の多様性が不可欠なことが判明した

ついにキタ。

2019年、日本人の国内出生数は86.4万人となり、初めて90万人を割りました。

永江一石さんもブログで書かれていますが、本当にヤバイ。

あと15年で九州と四国の人口分が消滅する日本。
この10年の人口減少は400万人だが、
これからの10年では800万人減り、
そのあとの10年では1000万人近く減る。

自分もだし、娘なんてもっと過酷な状況を生き抜いていかねばならんのかと思

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