サルカ

臨床疫学を勉強中の総合内科医. ミッションは「病院に患者さんの居場所を創る」こと. 患…

サルカ

臨床疫学を勉強中の総合内科医. ミッションは「病院に患者さんの居場所を創る」こと. 患者中心の医療とは何か?追求していきたいと考えています.

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    【内容】観察研究で因果推論を行う手法として着目されているMendelian Randomizationについて、教科書をもとに勉強したことをまとめるノートです。 "MENDELIAN RANDOMIZATION methods for causal inference using genetic variants 2nd edition"の内容を基にしており、教科書が手元にあるとより理解が進みやすくなります。 【頻度】不定期 【対象者】臨床研究、疫学、因果推論に関心のある方

記事一覧

Vanderweele先生の講演

Vanderweele先生への講演で若手研究者へのメッセージを見た 1)学び続けること 2)真実を追究すること 3)善を追求すること 4)限界を知ること 科学者に求められる謙…

サルカ
8日前

振り返り【緩和】

活動内容 火曜日 14:00-14:30 (ときに14:00-15:00) カルテ診によるカンファレンス コロナ禍でラウンドがなくなっていたが、今年度からラウンドが再開に ワーキング 月1…

サルカ
8日前
1

振り返り【医療安全】

昨年度から医療安全のチームに参画している。 卒後10年未満の若輩であり、observerのような位置づけであまり建設的な意見を出すことはできていない。 活動内容 ・病院内…

サルカ
8日前

友人と雑談

研究MTGのはずが、思わぬ方向に? 息抜き楽しかった ①マルチタスクは今日やったことノートで管理 これはわかる。やったことを可視化することで達成感出る。 方法は違うけ…

サルカ
9日前
1

ここから-高田真希選手

 NHKの番組でのインタビューで力強い語り口のバスケットボール日本代表キャプテン・高田選手に魅了された。  桜花学園に入学した高校生のときの挑戦、辛い経験からリバウ…

サルカ
10日前
1

遅発性Pompe病_原因不明の高CK血症の鑑別に!

原因不明の2型呼吸不全、高CK血症の症例 歩行可能なレベルだが呼吸不全が目立っていた Diagnosis of muscle diseases presenting with early respiratory failure. J Neur…

サルカ
3週間前
5

臨床と研究は両立できるのか?

プロフェッショナルの研究者として生きていく競争は激しく、研究にリソースを集中しなければ生きていくのは難しいと思う一方で、臨床経験がないと良いリサーチクエスチョン…

サルカ
3週間前
4

Q. 公衆衛生大学院で学んだことは臨床にどのように役立つのか?②

「公衆衛生は集団としての健康を考える学問」 ・目の前の患者さんだけでなく、集団の健康を考えるという視点で保健所や厚生労働省の役割に目を向けるようになった。 ・エ…

サルカ
3週間前
1

こんな自分でも役立てることはあるかも

今日は、学生時代の同級生である友人とZoomでお話する機会があった。 彼は学生の頃から勤勉で、試験の際には私を含む友人にまとめ資料を作ってくれた。彼のすすめで院内のE…

サルカ
1か月前
2

Q. 公衆衛生大学院で学ぶことはどう臨床に役立つのか?

A. 分かりやすい点では、臨床で分からないことがあったときの疑問の調べ方の精度が上がったことと、Top journal(4大誌)へ目を通す習慣ができたこと。 文献評価法(+文献…

サルカ
1か月前
6

SPHの特別授業の感想

2022/9/12に受講 【臨床医・総合内科医にできる臨床研究】 総合診療の領域で臨床研究のトップランナーとしてご活躍されていた先生で、総合内科フェローとして臨床を続けな…

サルカ
1か月前

初めて後輩の学会発表をメンタリングした

内科学会近畿地方会で専攻医の先生の学会発表デビューを応援した。 自分が発表者として応援していただいたことこそあれ、応援側に回るのは初めてだった。 また、自分が発表…

サルカ
1か月前
1

電子カルテのデータを研究用に使えるようにする

多施設の臨床研究でデータ収集の協力をさせていただいている。 診療情報部にご協力いただき、カルテのデータを出力いただいた。 複数のデータセットを結合して整理する必要…

サルカ
2か月前
2

メトヘモグロビン血症

メトヘモグロビン高値の症例を経験した。診断の治療のメモ 診断 ・原因不明のチアノーゼ、低酸素血症で疑う 先天性 と 後天性 後天性 ・薬剤性が多い ・硝酸を含む水や…

サルカ
2か月前

PSVTの診断と治療 (JAMA, 2024)

JAMA clinical reviewでPSVTが特集されていた。 疫学・3種類のタイプ_AT, AVNRT, AVRT ・AFL, AFも上室性頻拍の鑑別だがレビューの対象外 ・正確な有病率は不明だが、1000…

サルカ
2か月前

The book of why "「行動すること」を「見ること」に変える3つのルール"からfront-door formulaの導出を追う

因果推論の数式の意味を理解するのに骨が折れるため数式を追う。 書籍ではどのルールを用いたかのみ記載されているが、その意味を自分の言葉で書き下したことで少しfront-d…

サルカ
2か月前
2

Vanderweele先生の講演

Vanderweele先生への講演で若手研究者へのメッセージを見た
1)学び続けること
2)真実を追究すること
3)善を追求すること
4)限界を知ること

科学者に求められる謙虚な態度と姿勢に襟を正される思い
大家であっても謙虚に真実を探求すること
科学だけが人生のすべてではないこと
(well-beingの研究者だからこそ言える含蓄ある言葉)

大人になっても、おじさんになっても、いくつになって

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振り返り【緩和】

活動内容
火曜日 14:00-14:30 (ときに14:00-15:00)
カルテ診によるカンファレンス

コロナ禍でラウンドがなくなっていたが、今年度からラウンドが再開に

ワーキング 月1回 16:30-
社会的な事例も対象に

癌患者さんの困りごとを調査する質問票も開始となった

目標

緩和ケアの研修を受けていく
PEACEの指導者になれるように
コミュニケーション研修

振り返り【医療安全】

昨年度から医療安全のチームに参画している。
卒後10年未満の若輩であり、observerのような位置づけであまり建設的な意見を出すことはできていない。

活動内容

・病院内のラウンド 週1回、各所 月曜 11:00-11:20くらい
 薬品の使用期限がないか、危険な位置に物品が放置されていないか
 物品の整理整頓ができているか、モニターへの対応はされているか
 などチェックしていく。
 正直最初

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友人と雑談

友人と雑談

研究MTGのはずが、思わぬ方向に?
息抜き楽しかった

①マルチタスクは今日やったことノートで管理
これはわかる。やったことを可視化することで達成感出る。
方法は違うけどevernoteにちょっとしたことでも記録するようになってから研究へのモチベーションを維持しやすくなった。
タスク毎に分けずに、時系列で今日やったことを記録していく方が、自分の脳内を再現できる。(野口先生の「超整理法」や佐々木敏先

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ここから-高田真希選手

 NHKの番組でのインタビューで力強い語り口のバスケットボール日本代表キャプテン・高田選手に魅了された。
 桜花学園に入学した高校生のときの挑戦、辛い経験からリバウンドに活路を見出し全国的な選手に成長する過程、日本代表になっても新しい挑戦を続ける姿勢、バスケットボールに限らず幅広く人とつながりをもつ精神、どれも素晴らしく感銘を受けた。
#日記

遅発性Pompe病_原因不明の高CK血症の鑑別に!

原因不明の2型呼吸不全、高CK血症の症例
歩行可能なレベルだが呼吸不全が目立っていた

Diagnosis of muscle diseases presenting with early respiratory failure. J Neurol 262, 1101–1114 (2015). https://doi.org/10.1007/s00415-014-7526-1
より

四肢の筋力低

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臨床と研究は両立できるのか?

プロフェッショナルの研究者として生きていく競争は激しく、研究にリソースを集中しなければ生きていくのは難しいと思う一方で、臨床経験がないと良いリサーチクエスチョンが生まれないジレンマとどう戦うか?

You cannot have everything.
キャリア論の講義である先生がおっしゃっていたことだ。

大谷選手のような二刀流は不可能なのか?臨床しながら研究するモデルは作れるのか?優れた臨床医

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Q. 公衆衛生大学院で学んだことは臨床にどのように役立つのか?②

「公衆衛生は集団としての健康を考える学問」

・目の前の患者さんだけでなく、集団の健康を考えるという視点で保健所や厚生労働省の役割に目を向けるようになった。

・エビデンスで示される集団と、目の前の患者さんとの違いに目を向けるようになった。

・予測モデルでも、データで証明された集団における結果が他の集団でも当てはまるか考えるようになった。

・普段は病院に来る患者さんをみているが、そもそも病院へ

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こんな自分でも役立てることはあるかも

今日は、学生時代の同級生である友人とZoomでお話する機会があった。
彼は学生の頃から勤勉で、試験の際には私を含む友人にまとめ資料を作ってくれた。彼のすすめで院内のERの症候別勉強会に顔を出したり、研修医向けカンファレンスや東京GIMに参戦したりした。国家試験に直結しないが研修医になってから役立つ勉強ができた。優秀な人が多かったけど、彼は勤勉さや人柄の点で突出していて尊敬していた。すでに論文も沢山

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Q. 公衆衛生大学院で学ぶことはどう臨床に役立つのか?

A. 分かりやすい点では、臨床で分からないことがあったときの疑問の調べ方の精度が上がったことと、Top journal(4大誌)へ目を通す習慣ができたこと。

文献評価法(+文献検索法)の履修を通して、印象に残ったこと
 文献検索法、文献評価法の履修を通して、自分が臨床を通して感じた疑問について科学的な評価を行うためには手間がかかり、疫学の知識と素養が必要であることが印象に残った。例えば、以前から

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SPHの特別授業の感想

2022/9/12に受講
【臨床医・総合内科医にできる臨床研究】
総合診療の領域で臨床研究のトップランナーとしてご活躍されていた先生で、総合内科フェローとして臨床を続けながら社会人大学院生としてSPHに入学した自分にとって大変貴重なお話を伺うことができました。自分自身の現在の悩み、病院に貢献できること、自分自身のキャリア、の3点についての感想です。
1点目に自分自身のことについてです。私は今年から

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初めて後輩の学会発表をメンタリングした

初めて後輩の学会発表をメンタリングした

内科学会近畿地方会で専攻医の先生の学会発表デビューを応援した。
自分が発表者として応援していただいたことこそあれ、応援側に回るのは初めてだった。
また、自分が発表者のときは未熟な研修医・専攻医であったため、指導医の先生からあらかた発表症例や大枠を与えられてからのスタートで、登録も指導医がいつの間にかしてからのスタートであることが多かった。

今回のタイムラインとしては
2023年6ごろ経験した症例

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電子カルテのデータを研究用に使えるようにする

多施設の臨床研究でデータ収集の協力をさせていただいている。
診療情報部にご協力いただき、カルテのデータを出力いただいた。
複数のデータセットを結合して整理する必要がある。
この時、重複症例を削除したり、変数名を英語にしたり、外れ値をチェックしたりしてデータを整理する必要がある。
データの整理は最も骨が折れる地道な作業と言われるが、その意味がわかってきた。
大学院でデータマネジメントの重要性は口を酸

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メトヘモグロビン血症

メトヘモグロビン高値の症例を経験した。診断の治療のメモ

診断
・原因不明のチアノーゼ、低酸素血症で疑う

先天性 と 後天性

後天性
・薬剤性が多い
・硝酸を含む水や食べ物への曝露でも起こる

治療
軽症なら支持的治療
・メチレンブルー
・ビタミンC (補助的)

PSVTの診断と治療 (JAMA, 2024)

PSVTの診断と治療 (JAMA, 2024)

JAMA clinical reviewでPSVTが特集されていた。

疫学・3種類のタイプ_AT, AVNRT, AVRT
・AFL, AFも上室性頻拍の鑑別だがレビューの対象外
・正確な有病率は不明だが、1000人中1-4人程度と推定されている。小児も大人も。
・女性が67.5%, 50%が45-64歳
・高血圧、虚血性心疾患、心不全、心筋症、弁膜症、AF、SSSなどの背景心疾患がないPSVT

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The book of why "「行動すること」を「見ること」に変える3つのルール"からfront-door formulaの導出を追う

The book of why "「行動すること」を「見ること」に変える3つのルール"からfront-door formulaの導出を追う

因果推論の数式の意味を理解するのに骨が折れるため数式を追う。
書籍ではどのルールを用いたかのみ記載されているが、その意味を自分の言葉で書き下したことで少しfront-door formulaと仲良くなれたと思う。

それぞれ数式で
公理1.

$$
P(Y|do(X), Z, W) = P(Y|do(X), Z)
$$

公理2.

$$
P(Y|do(X), Z) = P(Y|X, Z)
$$

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