ハンドルネームは私の代わりにスティグマ(負の烙印)を引き受けてくれる

ネット上での名

私の長門志気という名前はネット上のハンドルネームだ。なので本名ではないという事をあらかじめ断っておかなければならない。

で、実は長門志気という名前での活動と、本名を使った個人的(プライベート)な活動を、私は明確に使い分けていたりする。というのも、私はリアル世界では自身の病気と障害者であるという事実を隠して暮らしており、唯一ネット上でだけ障害をオープンにしている、という事情があっ

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私と双極性障害②~スティグマからの逃避~

前回の記事では、
双極性障害について得られている基本的な知識について、
そして私自身の診断の過程について触れました。

今回の記事からは、
私が双極性障害と診断されてから、それをひとまず受け容れられるようになるまでのことを書きます。

どなたかの参考になれば幸いです。

双極性障害と診断されたとき

双極性障害と診断された2018年の夏、
医師に言われたことは、一言一句覚えているわけではありません

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コンビニ弁当と、「問題はそこではない!」

パパさん、肺の白い影を消すための抗生剤その他の点滴。
約6時間半、合計3本の点滴がなかなか落ちない。ずっとたいした運動をしないためもあって、お腹が空かない。
白血球の数値は、だいぶ上がってきた。

抗がん剤の治療をすると、ほとんど食べられなくなる。
そのため、抗がん剤が始まらないうちに、病院の担当医師や看護師さん達から

「クリーンルーム解除のあいだは、食べづらいものや苦手なメニューはあらかじめ断

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矛盾を減らせば流れが変わる

私は、「あなたにピッタリな自己啓発書を選んでオススメしましょう」というサービスを最近、始めている。私は本を読むのが好きな人だ。これは多分、経験値の話で子供のころから読んでいたからだと思う。そのかわり、人と関わることの経験値が少なすぎて、コミュニケーション能力に多くの課題がある。

 本が好きな私でさえ、本の数の多さは過ぎているように思う。自分の欲しい情報を探すのは大変だ。インターネットが普及した理

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誰かの役に立つ以前のセルフケアができてなかった頃-WRAPの実践を通してー

疲れているときや調子が悪く頭が朦朧としているとき、自分にピッタリな回復メニューがリストアップされていて、チョイスするときにはすぐ始められるようにアイテムも揃っている。心のこもった労わりのメッセージも添えられている。
 それらを自分自身が、弱っている自分へのギフトとして、自分が調子のいいときに準備しておけたらどうだろう。

わたしはメンタルが不調だった頃、様々なメソッドを学び実践していた。
CBT、

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生きづらさと偶然性について

「生きづらさ」と無数の半径5メートル

生きやすい。
そう言うひとはあまりいないけれど、自分については昔と比べて相当に生きやすくなったと振り返って思う。

「生きづらさ」について、毎日誰かが何かを言っている。

この言葉が使われるようになったのは確かここ20年くらいのことだったと思うけれど、このところ世の中を指した「生きづらい」という話題には枚挙に暇がなく、実際に生きる難易度が上がっていく世の中で

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スティグマの毒に抗うために――「スティグマ化もロマン化もしない」と決めた28年前の夜について

4月21日から23日にかけてBuzzFeed Newsに掲載された、岩永直子記者による入江杏さんインタビュー全3回を読んだ。当事者が語ることと、同時に、内なる他者を含むさまざまな他者によって、眼差され、語られることの狭間で、入江さんがいかに誠実に丁寧に思考し、内にこもらずに外へと活動を広げてきたかが伝わる内容で、その途方もない歩みを思って胸が詰まった。

入江さんから贈られた言葉

実は入江さんは

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困難を表現すること――個にとっての重みに辿り着くために

春の盛り。身近にある桜は、ほとんどが散り、咲き始めがゆっくりの幾本かが葉桜になっている。時は、新緑が眩しい季節に移りつつある。死んだ弟、水谷哲史の誕生日3月30日と命日4月27日に挟まれたこの季節は、いつも弟を思い出しながら過ごす。とりわけ、死の一週間ほど前に(ちょうどいまの時期だ)、入院中の精神科病院から一時帰宅していた弟と二人で実家の近くを散歩していて、新緑が春の陽射しに神々しいまでに光り輝い

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