記事一覧
短編小説『ペーパードライバー』
『ペーパードライバー』
月曜日。日が暮れ始め、街の色が変わる。
"主婦"のタイムカードを押して、夕方が始まる。
時計を見て大雑把に逆算する。
夕飯は、食べたいものより、食べてないものから消去法で考える。
肉か魚か決まれば、あとは適当だ。
月曜日。駅近の大きなスーパーは冷凍食品が安い。隣接した薬局のクーポンもたしか期限内だったはずだ。
食材や日用品をまとめて買うとなるとやっぱり車が便利だ。
ほっこりお仕事ストーリー、『暇』が沢山読まれていて嬉しいです。読んでくださりありがとうございます☺️他にも色々お話を載せているので是非遊びに来てください🌙🐕
ショートストーリー『白い雪だるま』
『白い雪だるま』
今夜は雪が降ります。
テレビから聞こえる気象予報士の声を聞いて、
寒がりな私は張り切ってダウンコートを手に取った。
この前買った、白いダウンコート。
明るい色は似合わないと思っていた私だが、
今年は思い切って白を選んだ。
あの色も着てみたい。この色も着けてみたい。
そう思えるようになったのは、仕事が充実しているおかげかもしれない。
冬の楽しいイベントも、冬を彩るアイテムも、
ショートストーリー『サンタになった日』
『サンタになった日』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はーい、少し早いクリスマスプレゼントを今から返すぞー。」
期末テストが終わった開放感と、もうすぐやって来る冬休みに浮ついていた教室に、先生がわざと水を差す。えーとか、やばーいとか、あっという間に波紋が広がり、教室のあちこちが騒がしくなる。
テストの結果、冬休みの予定、塾の冬季講習、部活の練習、模試の日程、バイトの面接、ク
短編小説『お決まりの交差点』第1話
朝の身支度を整えたら、混雑する通勤電車を避けるために少しテレビをつけて時間をつぶす。 お決まりの番組のお決まりのスポーツ特集がやっている。昨夜はどうやらサッカーの試合があったらしい。毎日見る割には、誰が日本代表なのか覚えていないあたり、情報のためというよりは 出発時間の確認のために見ていると言っていいだろう。8時10分。よし家を出よう。
お決まりのルートで、まだ開店準備すら早すぎるショッ
短編小説『Mine』
柔らかな毛布でぬくもりを作りながら、朝日がのぞくまで語った二人の幸せな夢
冷えた私の手を握りしめながら”世界の愛”を教えてくれたこの狭い部屋で、私は今、熱を失った紙コップのコーヒーを中途半端な力で握りしめている。
「リカの好きなスイーツだから」とあなたが買ってきたスイーツを箱にいれてまた冷蔵庫に戻す。今はちょっと食べる気になれないから。
#オンライン展覧会
※SIX LOUNGEさんの『リ