記事一覧
「ドン・キホーテ」備忘録
2024年4月11日から読み始める。
著者
ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラ(1547~1616)
前篇1
(4月11~19日)
長ったらしい序章。
ドン・キホーテの旅立ち。
宿屋にて大暴れの末、騎士叙任。
商人たちに戦いを挑み、ボコボコに。
村に戻って彼の親族や村人から介抱。
眠っている間に村人たちが彼の書斎から騎士道物語の類の本を焚書。
サンチョを伴い、再出発。
風車に戦いを挑み、
「ふたりの証拠」読書感想文
著者
アゴタ・クリストフ(1935~2011)
4月7日読み始め、4月10日読了。
あらすじ
悪童日記の続編。双子のうち、国境を越えたクラウスと、祖母の家に残ったリュカ。これは後者リュカの物語。
印象に残った人物
マティアス。まだ若い女性ヤスミーヌとその父親との間にできた子供。ヤスミーヌが妊娠中、それがバレないようコルセットをきつく締め続けたせいで、やや奇形気味。しかし頭脳は明晰。そし
「カフカ短編集」読書感想文
著者
フランツ・カフカ(1883~1924)
2023年末頃からかじり読み。3月25日くらいに読了。
訳者
丘沢 静也
感想
正直に告白すると、私はカフカの面白さをほとんど理解できない。「変身」は面白かった。ある日突然訪れる不条理。物事は解決に向かわず、悲劇に終わる。人間の闇の部分を淡々とした描写で表していく。いつまでも心に深く刻まれる話だった。
その後、城、審判を経て今回の短編集を
「月と六ペンス」読書感想文
著者
サマセット・モーム(1874~1965)
3月17日読み始め3月24日読了。
訳者
金原 瑞人
あらすじ
人生の半ばを過ぎて、突如家庭や仕事を捨て、絵を描くことのみに邁進し始めた男、ストリックランド。そして、腐れ縁のような形で彼にかかわっていく“わたし”。人間としては下劣極まりないストリックランドに何度も辟易する“わたし”だが、同時に彼の人間としての魅力にもはまっていく。
印象
中古文庫を買ったら高額だった話(ブロードウェイの天使)
月に一回、高知の蔦屋書店に行くのが習慣となってんだけど、そこで変な本を発見しました。
その本は本棚の下の方にあって、表紙を正面に向けてはいるものの、色あせている上にボロボロのビニールに包まれていて、そこはかとなく「放置された感」を漂わせていました。
手に取って裏表紙を見ると、右隅に「定価280円」。バーコードなし。そしてビニールの表面には「中古915円」のシール。
中古? TSUTAYAな
「われら」読書感想文
著者
エフゲーニー・イワーノヴィチ・ザミャーチン(1884~1937)
2月27日読み始め3月5日読了。
訳者
松下 隆志
あらすじ
地球を〈単一国〉が統治するようになって1000年。そこでは、「数学的に誤りのない幸福」が強制され、多くの国民は喜んでそれを受け入れていた。物語は宇宙船インテグラルの建造技師Д(デー)ー503の記録という形で綴られている。
Дは模範的な〈単一国〉の国民だ
ゴリオ爺さん読書感想文
著者 オノレ・ド・バルザック(1799~1850)
1月23日読み始め2月4日読了。
印象に残った人物
ヴォ―トラン。ギラギラした感じがたまらない!長ゼリフがめちゃくちゃかっこいい!!
あらすじ
ヴォケール館という長期滞在者向けの安宿を舞台に、人間味が強すぎる人たちがぶつかり合う物語。
タイトル通りに「ゴリオ爺さん」が主役というわけではなく、同じヴォケール館に住む貧乏学生ラスティニャッ
若きウェルテルの悩み(ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ)読書感想文
題名からイメージしていた内容は、おそらく青年であられるウェルテルくんが、愛だの恋だの自己実現だのに苦悩する、まあ、爽やかな青春小説のようなものだと思っていた。
ところがどっこい!
ドロッドロ。
ウェルテルが恋したロッテにはアルベルトという許嫁がいるんだけど、そんなことにはお構いなしに足繁くロッテのもとに通うウェルテル。自分のロッテに対する想いは兄妹愛のようなものだと思いこませ、ロッテが結婚
「『ボヴァリー夫人』をごく私的に読む」(芳川泰久)を読む
紆余曲折を経て読了に漕ぎつけたフローベールの「ボヴァリー夫人」。
※詳細は下の記事をご参照ください。
この「ボヴァリー夫人」という壁を乗り越えるべく、訳者の芳川泰久さんの解説本を読んでみました。ひとことで言うと、とても面白い! 自由間接話法という独特な文体を、できる限り原文に忠実に訳そうとした芳川さんの意図、そして苦労がこの本で知ることができました(まあ、「ボヴァリー夫人」のあとがきと重複す