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私が私であることの境界線は、「自力でトイレに行ける」ことだった。
消化器外科の病棟で35歳はダントツの若手だった。同じ部屋の人も80歳以上100歳未満の患者さんたちが多かったように思う。ふだん、会う機会の少ない人たちだ。当時在籍していた会社では35歳で中堅。下手したら年下が多い環境で日々、年上としての何かを背負っていたため、急に「若い若い!」と言われることが気恥ずかしかった。
私は4人床の部屋にいた。高齢の患者さんたちで認知症のあるひとが多かった。ふと隣のベッ
♯闘病レポ07[夜中の緊急オペ]。命の危険を宣告された先で”生きている”こと自体が価値だということを知った。
健康体だと信じてやまなかった私が手術を受けるに至ったわけですが。手術後に合併症となり、突然、「命の危険がある」と宣告されて、緊急手術をしました。死にそうだと思った時、そこにあるのは「無と恐怖」。身体の震えが止まらないのです。
そして、処置が成功した時、”ただ生きている”ことを泣いて喜んでくれる人がいることに気づきました。生きて存在するだけで価値があるよって言ってもらえた気がして。あとは、現在過去
#闘病レポ03[セカンドオピニオンと術前]。納得感は、不安と向きあう武器になる
膵臓を切る手術が決まって実施まで1ヶ月半ほど。突如不安に駆られて泣いたりしました。人生初手術、難易度も高い。病院や先生選び、手術方法、その後の生活…不安でいっぱいでした。手術後が想像できなくて先が見えなかったのです。ただその期間のなかで、不安との向き合い方に自分なりのコツがみつかりました。
治療への納得度と不安は反比例する。不安を減らすために、やってよかったことがあります。当時は整理できていたわ