OHO KANAKO

写真が好きな人。 https://www.ohokanako.com/

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記事一覧

叶わない

彼に会えるとき、彼のためにメイクして、彼のために服を選んで、彼のためにハンドクリームを塗って、そういう自分を作る。 でも口約束は叶わなくて、会えなかったときすご…

OHO KANAKO
1日前
16

やっと一区切り

おととしの10月から今の職場で働いているが、介護・福祉未経験のゼロからのスタート、右も左も全く分からずただ障害のある利用者さんたちの温かい眼差しに導かれて仕事を続…

OHO KANAKO
4日前
16

幸せだった。

昨日は実務者研修の医療的ケアの授業で、経管栄養と胃ろうの実習だった。前日夜中まで勉強して、朝も自信なくて動画見ながら学校向かって。でも福岡弁の講師の先生が面白お…

OHO KANAKO
10日前
16

祭りのあと

京都から家に帰ると、キッチンには元夫が作ったハヤシライス、味噌汁、五平餅、フレンチトーストが並んでいた。電子レンジの上にはわたしの好きなブランドのハンドクリーム…

OHO KANAKO
13日前
14

不真面目になろう。

夜のうちに這い出たミミズが高く上がった日差しに灼かれていく。伸び切った植物たちは所在なさげにこうべを垂れる。蝶や蜂が花から花へ精を出して働いている。春の中弛み。…

OHO KANAKO
2週間前
19

揺れる。

久しぶりに長男のサッカーの試合を観に行った。そのあとはピラティス行ったり買い物に行ったり、長男と1日を過ごした。ストレスになってる過密スケジュールといったん離れ…

OHO KANAKO
3週間前
24

自分のための夢、人のための夢。

朝、散歩していると20代の頃、色んな国を歩いていたときを思い出す。サハラ砂漠でオレンジ色の夕陽が沈むのを、ガンジス河の夜明けに小舟の上から小さなキャンドルとマリー…

OHO KANAKO
3週間前
19

生き方を変える

夕暮れ時、満開の色とりどりのつつじの花が美しい。久しぶりに落ち着く時間を持てている。雑草が伸び切った田畑の中のレンゲが風に揺れている。暑くもなく、寒くもなく、中…

OHO KANAKO
4週間前
14

ただ手が繋ぎたかった。

一週間。夜はくたくたになるまで笑って喋って働いて、朝、目が覚めると涙が出てくる。自分が何に泣いているのか分からないけど、何かを失っているという喪失感だけが続く。…

OHO KANAKO
4週間前
56

乗り越えられない。

元夫と最後に旅行に行ってからひと月以上が経つ。今朝、月々の養育費が振り込まれていた。何時間も話し合いをして、ちゃんと考えてほしいと言った甲斐虚しく彼からの返事は…

OHO KANAKO
1か月前
31

写真のセレクト

「写真をどうやって選んでいますか?」 デジカメはシャッターが無限に押せて、まぁ押す手を止めなければ何枚でも撮れます。 そして、ストレージやHDDをしっかり用意すれば…

OHO KANAKO
1か月前
30

味方って何?

「世界中が敵になったとしても、俺はかなちゃんの味方でいるからね」 18歳、大学生のとき、住んでたアパートの近くのスナックでバイトをしていた。自衛隊の基地があったた…

OHO KANAKO
1か月前
20

写真と私の存在証明。

見たい過去写真を探していて、スマホのカメラロールをスクロールしていると殆どが子どもたちの写真だらけで。たまに私の寝てる姿を子どもが撮った写真が出てくる。いつも私…

OHO KANAKO
1か月前
16

ひとりにしないで。

3月9日 駅で待ち合わせをした。自分が先に着くの分かってたから、わざと少しホームで時間を潰してから改札前の花屋さんに行った。わたしがいなくて慌てて探していた彼を見…

OHO KANAKO
1か月前
22

第二の人生

なんだか吹っ切れてきた。 元夫に子どもと女を天秤にかけられて逃げられたことも、好きな人に相手にされないことにもどうでも良くなってきた。 大事なこと、考えることもっ…

OHO KANAKO
1か月前
14

いつかは諦めないといけない

徒歩5分の小学校から校歌が聴こえてくる。 昔、在校生だったから今でも2番まで歌詞を覚えている。親の別居で四年生までしか居られなかった。卒業シーズン。もうすぐ春休み…

OHO KANAKO
2か月前
20
叶わない

叶わない

彼に会えるとき、彼のためにメイクして、彼のために服を選んで、彼のためにハンドクリームを塗って、そういう自分を作る。
でも口約束は叶わなくて、会えなかったときすごく自分自身が虚しくなる。

彼に会った。服可愛いね、て言ってくれて、髪も肌もきれいだねって言ってくれて、いい匂いだねって、彼のために作った自分にぜんぶ気付いてくれる。そばにいると満たされて、幸せで、心地良くてたまらない。多幸感。
先の見えな

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やっと一区切り

やっと一区切り

おととしの10月から今の職場で働いているが、介護・福祉未経験のゼロからのスタート、右も左も全く分からずただ障害のある利用者さんたちの温かい眼差しに導かれて仕事を続けられてきた。
知識も経験も何もなかったから、分からないところをどうにか学ばねばと介護士の初任者研修から学び始めた。それが一年前。
写真のことならスルスル頭に入るけれど、朝から夕方まで机に座って授業を聴いたり、数少ない休みの日に一日中人と

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幸せだった。

幸せだった。

昨日は実務者研修の医療的ケアの授業で、経管栄養と胃ろうの実習だった。前日夜中まで勉強して、朝も自信なくて動画見ながら学校向かって。でも福岡弁の講師の先生が面白おかしかったからあっという間に試験もパスできた。

「おほさんは、なんでそんなにメール打っとんの」
「職場の同僚の相談乗ってるんです」
「じゃあ生活相談員としてなんぼか取らなあかんね」

授業にはベトナム人の若者も参加していて、たどたどしい発

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祭りのあと

祭りのあと

京都から家に帰ると、キッチンには元夫が作ったハヤシライス、味噌汁、五平餅、フレンチトーストが並んでいた。電子レンジの上にはわたしの好きなブランドのハンドクリームがラッピングして置いてある。朝、冷蔵庫を開けると元夫が買ってきた物が目に入る。胃が痛む。何も食べられず仕事に向かう。

日帰りで長男と京都に行った。
去年、次男三男と大阪・京都に弾丸旅行に行きったとき、清水寺の大舞台から見た夕陽を長男に見せ

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不真面目になろう。

不真面目になろう。

夜のうちに這い出たミミズが高く上がった日差しに灼かれていく。伸び切った植物たちは所在なさげにこうべを垂れる。蝶や蜂が花から花へ精を出して働いている。春の中弛み。

今日は夜勤だ。朝の散歩を終えて、昼食と夕食を作り午後には家を出る。日差しが強くなってきたので、散歩の時間を夕方に変えようか。
世間はゴールデンウィーク。近所の神社に飾られた色とりどりの鯉のぼりが壮観だった。
退院してからも喉の炎症が完全

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揺れる。

揺れる。

久しぶりに長男のサッカーの試合を観に行った。そのあとはピラティス行ったり買い物に行ったり、長男と1日を過ごした。ストレスになってる過密スケジュールといったん離れて、ゆっくり休日を過ごした。朝は私が疲れてコタツで寝てしまって、ユニフォームの洗濯終わってなくて長男と大げんかしたんだけどね。

喉はずっと治ったり戻ったりを繰り返す。
抗生剤飲むとすっと良くなった気になるけど胃腸をやられてしまうから飲んだ

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自分のための夢、人のための夢。

自分のための夢、人のための夢。

朝、散歩していると20代の頃、色んな国を歩いていたときを思い出す。サハラ砂漠でオレンジ色の夕陽が沈むのを、ガンジス河の夜明けに小舟の上から小さなキャンドルとマリーゴールドの花が揺れて流れていくのを。インドネシアの朝市で、バイクの後ろに乗ってコーヒーを買いに行く。チェンライの夜の祭りで皆で笑ってビールを飲んだ。バルト海を見にサンドイッチを持って電車に乗った。ただただ色んな街や村を歩いた。

人々がど

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生き方を変える

生き方を変える

夕暮れ時、満開の色とりどりのつつじの花が美しい。久しぶりに落ち着く時間を持てている。雑草が伸び切った田畑の中のレンゲが風に揺れている。暑くもなく、寒くもなく、中庸。地面を覆う椿の花、用水路を流れる水の音。すべてがあっても何も自分を圧迫するもののないゼロ地点。
たとえば登山の時、登れば登るほど、酸素は薄くなって息は苦しくなる。波打ち際にいれば海の底に水中の世界を感じる。そんな上も下もない平らな場所。

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ただ手が繋ぎたかった。

ただ手が繋ぎたかった。

一週間。夜はくたくたになるまで笑って喋って働いて、朝、目が覚めると涙が出てくる。自分が何に泣いているのか分からないけど、何かを失っているという喪失感だけが続く。
駅の改札口を見ていると、たくさんの人が流れ出てくる。待ち合わせの相手を探していても、わたしはこの中の誰とも恋に落ちないなと思う。

17歳の冬。
ほんの少しの間だけ付き合った恋人がわたしは大好きだった。高校の文化祭の日、祖母が亡くなった知

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乗り越えられない。

乗り越えられない。

元夫と最後に旅行に行ってからひと月以上が経つ。今朝、月々の養育費が振り込まれていた。何時間も話し合いをして、ちゃんと考えてほしいと言った甲斐虚しく彼からの返事はなかった。子どもたちと会うことをしないのであれば、養育費だけ一括で払って、縁を切ってほしい。「分かりました」そう言って頭を下げていた彼は、こちらの要求を飲むことをしないだろう。

心の支えがない。忙しくすることでしか埋められないが、忙しくす

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写真のセレクト

写真のセレクト

「写真をどうやって選んでいますか?」

デジカメはシャッターが無限に押せて、まぁ押す手を止めなければ何枚でも撮れます。
そして、ストレージやHDDをしっかり用意すればこれまた無限に保存できます。
失敗した写真を消したり、おっ、コレは良いなという写真を選んだりして枚数を削ったりしてる人もいるんでしょうか。

最近は暗室に入る機会が年に3回くらいになってしまったのでフィルムやってますと威張れないのです

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味方って何?

味方って何?

「世界中が敵になったとしても、俺はかなちゃんの味方でいるからね」

18歳、大学生のとき、住んでたアパートの近くのスナックでバイトをしていた。自衛隊の基地があったため金曜の夜はよく自衛隊員が飲みに来ていた。その中には熱心に口説いてくる男もいて、そんなセリフを言っていた。どういう意味だろうと思考を巡らせたからか、相手の名前も思い出せないのに言葉だけハッキリと覚えている。

昨日から入院している。

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写真と私の存在証明。

写真と私の存在証明。

見たい過去写真を探していて、スマホのカメラロールをスクロールしていると殆どが子どもたちの写真だらけで。たまに私の寝てる姿を子どもが撮った写真が出てくる。いつも私の周りには子どもたちが纏わりついていて、私は一人でいることなんてなかった。写真をやりに暗室行ってるときくらいだったかな。もう一人にして、と叫びたくなるくらい寝ても覚めても子どもたちがいた。

今は私が仕事から帰ってきても、子どもたちはすぐ寝

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ひとりにしないで。

ひとりにしないで。

3月9日
駅で待ち合わせをした。自分が先に着くの分かってたから、わざと少しホームで時間を潰してから改札前の花屋さんに行った。わたしがいなくて慌てて探していた彼を見つける。
黄色い花がたくさんあった。

魚貝類系のパスタが食べたいとのリクエストに、線路沿いのスペイン料理のお店に案内してくれた。昔、付き合い始めの時に一度だけ来たよね。本日のおすすめランチをふたつ頼んで、ふたりで分けて食べる。添えてあっ

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第二の人生

第二の人生

なんだか吹っ切れてきた。
元夫に子どもと女を天秤にかけられて逃げられたことも、好きな人に相手にされないことにもどうでも良くなってきた。
大事なこと、考えることもっと他にあるだろう、と。マイナスな気持ちに引っ張られている時間が無駄な気がしてきた。

「あなたは強いから平気でしょ」
そんなことないよ。ふざけるな。強くないよ。でもやらないといけないんだよ。だから顔を上げて目をしっかり開けて、笑うんだよ。

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いつかは諦めないといけない

いつかは諦めないといけない

徒歩5分の小学校から校歌が聴こえてくる。
昔、在校生だったから今でも2番まで歌詞を覚えている。親の別居で四年生までしか居られなかった。卒業シーズン。もうすぐ春休みが来る。

心が常に痛い。
音楽を聴いて紛らわしている。
月曜から職場復帰した。新しく診断…撤回書を書いてもらって、急激に症状が回復したため仕事できる状態にあります…と。
一カ月も二カ月も家にこもって薬漬けになっていたら確実に鬱になると思

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