江戸城英語通訳ガイド: kentasguide

プロの英語通訳ガイド。主に江戸城(皇居)を中心に観光ガイドしています。単なる観光ガイド…

江戸城英語通訳ガイド: kentasguide

プロの英語通訳ガイド。主に江戸城(皇居)を中心に観光ガイドしています。単なる観光ガイドではなく、日本の歴史まで深く説明できるガイディングをモットーとしています。ガイドや趣味のお城巡りを通じて得た気づきや記録などを綴っています。全国通訳案内士。日本城郭検定準一級。日本100名城制覇

マガジン

  • 日本史のあれこれ

    歴史好きな通訳ガイドが、(主に)日本史について、気づいたことを自由気ままに綴っています。観光ガイドとして、外国人に日本の文化・歴史を、よりよく説明する際のヒントになるな〜と思ったことを綴っています。

  • お城のあれこれ

    全国の城をめぐり発見したこと、気づいたことを自由気ままに綴っています。みなさまにも、お城の魅力を少しでも伝える事ができれば嬉しいです。

  • 江戸・東京のあれこれ

    江戸・東京の街歩きで発見したこと、気づいたことを自由気ままに綴っています。さらに江戸の町に興味を持ってもらえると嬉しいです。

  • 江戸城のあれこれ

    江戸城英語ガイドのメモ的なマガジンです。少しでも江戸城に興味持ってもらえると嬉しいです。

記事一覧

通訳ガイドのための歴史講座 〜松の廊下事件編〜 開催します!

通訳ガイドに必要なスキル 通訳ガイドにとって、語学力やおもてなしのスキルも大切ですが、僕は、最も大切なものは、「会話のネタ」だと思います。 会話のネタ=引き出し…

プロガイドのプライベート国内旅行:紫式部ゆかりの地巡り in 京都編

新年あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。 久しぶりの投稿となりました。2023年はインバウンドが戻り江戸城の英語ガイド業も再開し、久々のガイド…

プロガイドの東京観光:江戸城の歩き方〜二重橋編〜

二重橋に行ってきました。 「ザ・皇居」といえばこの風景というくらい、皇居を代表する風景です。また、皇居ランをされる方は、この桜田門付近を拠点とされる方も多いと思…

「丸の内•古地図歩き」開催しました。

11月19日(土)、天気にも恵まれ絶好の秋晴れの中、大人の遠足「丸の内・古地図街歩き」を開催しました。 スタートは東京駅。東京駅のストーリをお話しした後、古地図の簡…

プロガイドのプライベート国内旅行:「日本橋」編

東京・日本橋に行ってきました。 江戸時代から、日本の街道の起点となった「日本橋」。行かれた方も多いと思います。 僕は、全国通訳案内士の資格を持ち、普段、主に外国…

お城旅行記〜島原半島編① - 島原城〜

長崎県島原半島にある島原城に行ってきました。 残念ながら、天守は現存ではなく、昭和に復元されたものですが、それでもかつての天守を偲ばせる五層の見事な天守が復元さ…

外務省のプログラムで「日本のお城」について講演しました

先日、外務省が推進する対日理解促進交流プログラム(JENESYS)にて、「日本のお城」をテーマに約1時間オンラインで講演させていただきました。 このJENESYSですが、その名…

「東京」を語ろう!「大人の歴史講座」開催のお知らせ

英語を話すその先へその言語を好きな人も、嫌いな人も、グローバル化が進んだ現代の世を生きる日本人にとって逃れられない外国語=英語。TOEICの点数や、発音の綺麗さに注…

都内の城巡り - 渋谷城編

渋谷… 押しも押されもせぬ東京、いや日本屈指のショッピング街で、若者を中心に、新しい文化を発信する街。令和の世を生きる我々の多くはこのようなイメージをこの街に持…

江戸城ガイドの城めぐり:江戸城と鳥取城

少し前ですが、日比谷図書館で開催されていた「タイムトリップ 江戸から東京へ展」に行ってきました。 現在、日本の”首都”であり、今や世界有数の都市である東京ですが…

“アイコ“と日本人的価値観

突然ですが、みなさんは、いつ「じゃんけん」しますか?おそらく何か役割とか順番とかを決める時が多いかと思います。その場合、「引き分け」を意味する「あいこ」は不要で…

日本の文化・歴史を英語で話そう! 〜英語で「自国紹介」できる人材に〜

【「英語で自国紹介」の告知文です】 外国人との会話で、日本の文化・歴史・習慣を聞かれ、回答に窮した経験はないでしょうか? 英会話の勉強をしていても、自己紹介や教…

江戸城と皇居と二重橋

「皇居」といえばこの二重橋の風景です。 現在は、皇居の正門となっているのですが、江戸時代は江戸城「西の丸」の正門でした。 江戸城・西の丸江戸城で将軍が日々過ごす…

二条城の話

世界遺産・二条城。大政奉還が行われた場所で、江戸幕府終焉の地としても有名です。 しかし、この二条城。実は江戸幕府「始まりの地」でもあるのです。 徳川家康の征夷大…

本「能」寺の戦い

大河ドラマ「麒麟がくる」も今晩が最終回。どのような「本能寺の変」が描かれるのか楽しみです。 ところでこの「本能寺」今も京都に現存するお寺なのですが、今在る本能寺…

ペリーの交渉術

黒船来航。 江戸幕府の崩壊につながる、日本史の中でも大きなイベントの一つです。 アメリカが武力を背景に開国を迫ってきたと捉えがちですが、実は、ペリーも相当入念に…

通訳ガイドのための歴史講座 〜松の廊下事件編〜 開催します!

通訳ガイドのための歴史講座 〜松の廊下事件編〜 開催します!

通訳ガイドに必要なスキル

通訳ガイドにとって、語学力やおもてなしのスキルも大切ですが、僕は、最も大切なものは、「会話のネタ」だと思います。

会話のネタ=引き出しは、多く持っているに越したことはなく、引き出しが多いことがエクセレント・ガイドへの近道だと考えています。

「引き出し」は日本に関するあらゆる情報をカバーするので、日々の情報の蓄積は大変なのですが、最も、頭を悩間されるのが、歴史に関する

もっとみる
プロガイドのプライベート国内旅行:紫式部ゆかりの地巡り in 京都編

プロガイドのプライベート国内旅行:紫式部ゆかりの地巡り in 京都編

新年あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

久しぶりの投稿となりました。2023年はインバウンドが戻り江戸城の英語ガイド業も再開し、久々のガイドで嬉しい反面、バタバタした年でした。(ガイド復活についてはまた別の記事で書きたいと思います)

今回は、年末に将来のガイド業の研修も兼ねて行った京都旅行についてです。京都は壮大な歴史スポットなので、旅行する時は、何かテーマを絞らないと

もっとみる
プロガイドの東京観光:江戸城の歩き方〜二重橋編〜

プロガイドの東京観光:江戸城の歩き方〜二重橋編〜

二重橋に行ってきました。

「ザ・皇居」といえばこの風景というくらい、皇居を代表する風景です。また、皇居ランをされる方は、この桜田門付近を拠点とされる方も多いと思うので、歴史に興味のない方でも、この風景は、一度は見たことがある方も多いと思います。

京都からやってきた?伏見櫓

現在の二重橋は、皇居正門として使用されていますが、江戸時代、この場所は、「西の丸」と呼ばれ、主に前将軍が住む御殿がありま

もっとみる
「丸の内•古地図歩き」開催しました。

「丸の内•古地図歩き」開催しました。

11月19日(土)、天気にも恵まれ絶好の秋晴れの中、大人の遠足「丸の内・古地図街歩き」を開催しました。

スタートは東京駅。東京駅のストーリをお話しした後、古地図の簡単な読み方・解説を。

家紋が描かれたり、道は黄色で塗られたりと、とてもカラフルで見やすいのが特徴的です。実は、この家紋の意味や、家紋の向き、地図が「ある方角」を向いていることなど、古地図には、様々な秘密が隠されていて、その話をしてい

もっとみる
プロガイドのプライベート国内旅行:「日本橋」編

プロガイドのプライベート国内旅行:「日本橋」編

東京・日本橋に行ってきました。

江戸時代から、日本の街道の起点となった「日本橋」。行かれた方も多いと思います。

僕は、全国通訳案内士の資格を持ち、普段、主に外国人向けにガイドをしています。(今はコロナのためストップ。。涙)そんな僕が、日本橋について、面白いな〜と思った点を綴ります。(極力マニアックにならないように。。)

「日本橋」の文字の謎表題の写真にもある通り、堂々と掲げられている「日本橋

もっとみる
お城旅行記〜島原半島編① - 島原城〜

お城旅行記〜島原半島編① - 島原城〜

長崎県島原半島にある島原城に行ってきました。

残念ながら、天守は現存ではなく、昭和に復元されたものですが、それでもかつての天守を偲ばせる五層の見事な天守が復元されています。

なぜ「天守」を築くのか?多くの人は、この天守にお殿様が住んだと思われるかもしれませんが、城主は基本、御殿に居住し天守には住まなかったと言われており、城によりけりですが、例えば、姫路城などは、平時は武器庫として使用されていま

もっとみる
外務省のプログラムで「日本のお城」について講演しました

外務省のプログラムで「日本のお城」について講演しました

先日、外務省が推進する対日理解促進交流プログラム(JENESYS)にて、「日本のお城」をテーマに約1時間オンラインで講演させていただきました。

このJENESYSですが、その名の通り、日本の文化・歴史等を将来を担う世界の人材に向けて発信しているプログラムとなり、今回は、東南アジアのブルネイ国の学生に向けてのオンライン・ウェビナーでした。

広報文化外交と呼ばれているそうです。通訳案内士も広義の意

もっとみる
「東京」を語ろう!「大人の歴史講座」開催のお知らせ

「東京」を語ろう!「大人の歴史講座」開催のお知らせ

英語を話すその先へその言語を好きな人も、嫌いな人も、グローバル化が進んだ現代の世を生きる日本人にとって逃れられない外国語=英語。TOEICの点数や、発音の綺麗さに注力しがしですが、僕は、身につけた英語で「何を話すか」が最も大切だと考えています。

「自国紹介」の大切さ英語を話すとき、会話の相手は当然のことながら外国人です。相当気心が知れた外国人の友人であればまだしも、そこまで親しくない外国人と、例

もっとみる
都内の城巡り - 渋谷城編

都内の城巡り - 渋谷城編

渋谷…

押しも押されもせぬ東京、いや日本屈指のショッピング街で、若者を中心に、新しい文化を発信する街。令和の世を生きる我々の多くはこのようなイメージをこの街に持っていると思います。

「渋谷」その名前の由来ところで「渋谷」という名前ですが、これは、平安後期〜室町時代にかけて、「澁谷」氏の館があったことから由来しています。

かつての渋谷城に用いられたとされる石。今も、神社の敷地内に展示されており

もっとみる
江戸城ガイドの城めぐり:江戸城と鳥取城

江戸城ガイドの城めぐり:江戸城と鳥取城

少し前ですが、日比谷図書館で開催されていた「タイムトリップ 江戸から東京へ展」に行ってきました。

現在、日本の”首都”であり、今や世界有数の都市である東京ですが、明治維新の後、いきなり近代東京ができたわけではなく、やっぱり、そこには前政権=江戸幕府の都市計画があり、そのインフラ遺産のおかげで東京が誕生したんだなと改めて思いました。

江戸城を作った人々では、徳川幕府の本拠地である江戸はどのように

もっとみる
“アイコ“と日本人的価値観

“アイコ“と日本人的価値観

突然ですが、みなさんは、いつ「じゃんけん」しますか?おそらく何か役割とか順番とかを決める時が多いかと思います。その場合、「引き分け」を意味する「あいこ」は不要ではないか?と疑問に思ったことはないでしょうか。例えば、西洋であれば、コイントスが一般的ですがその場合も、選択肢は「表」か「裏」かの2択です。

「あいこ」は何故、存在するのか?そもそも不要なのではないか?一度疑問を持つと思考の回廊から抜けれ

もっとみる
日本の文化・歴史を英語で話そう!              〜英語で「自国紹介」できる人材に〜

日本の文化・歴史を英語で話そう! 〜英語で「自国紹介」できる人材に〜

【「英語で自国紹介」の告知文です】

外国人との会話で、日本の文化・歴史・習慣を聞かれ、回答に窮した経験はないでしょうか?

英会話の勉強をしていても、自己紹介や教材に沿った内容でのトピックを練習する機会はありますが、なかなか、日本の文化・歴史について英語でOutputする場は数ないかと思います。

しかし、外国人の関心があるのは、日本の文化・歴史、とりわけ日本人である”あなた”自身がどう考えてい

もっとみる
江戸城と皇居と二重橋

江戸城と皇居と二重橋

「皇居」といえばこの二重橋の風景です。

現在は、皇居の正門となっているのですが、江戸時代は江戸城「西の丸」の正門でした。

江戸城・西の丸江戸城で将軍が日々過ごす場所は「本丸」なのに対し、「西の丸」は、隠居した将軍、すなわち、引退した先の将軍の居所でした。

東京メトロ地下鉄千代田線に「二重橋前」駅がありますが、西の丸はこの二重橋前が最寄りの駅となるのに対し、本丸は次の駅=「大手町」が最寄りの駅

もっとみる
二条城の話

二条城の話

世界遺産・二条城。大政奉還が行われた場所で、江戸幕府終焉の地としても有名です。

しかし、この二条城。実は江戸幕府「始まりの地」でもあるのです。

徳川家康の征夷大将軍任官「征夷大将軍」=武家の棟梁として朝廷から認められることであり、鎌倉以降、実質、日本の統治者として認められ、中世〜近世にかけて重要な役職とされてきました。

江戸幕府を開いた徳川家康も、もちろん、この「征夷大将軍」に任官されていま

もっとみる
本「能」寺の戦い

本「能」寺の戦い

大河ドラマ「麒麟がくる」も今晩が最終回。どのような「本能寺の変」が描かれるのか楽しみです。

ところでこの「本能寺」今も京都に現存するお寺なのですが、今在る本能寺は信長時代の本能寺とは建物はおろか、場所も異なっていることをご存知でしょうか。

本「能」寺の歴史現在の本能寺は、鴨川に近く京都市役所付近に立地しているのですが、信長時代も含め、もともと本能寺は、現在の本能寺から約2.5km西・堀川通り近

もっとみる
ペリーの交渉術

ペリーの交渉術

黒船来航。

江戸幕府の崩壊につながる、日本史の中でも大きなイベントの一つです。

アメリカが武力を背景に開国を迫ってきたと捉えがちですが、実は、ペリーも相当入念に、日本文化や日本人の気質を研究していたことが分かっています。


2度来たペリー艦隊ペリーが初めて日本に来航したのは、嘉永6年 (1853) 6月3日。この時から、熾烈な開国交渉が始まった。と思いきや、この時はアメリカ合衆国大統領の「親

もっとみる