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古書のこしょこしょ話④ 〜思い出と気づき〜
期待の新生活が始まった。しかし大学生活に気持ちが昂っていたのは最初の数日だけ。今では行きも帰りも座席を取り合う電車内で眼をこすっている▶︎その日は図書館で資料を読み漁っていた。気付けば21時。閉館を知らせるアナウンスが鳴る。僕は江古田から西武線で池袋に向かう。池袋では埼京線で赤羽に、赤羽で宇都宮線に乗り換える。2号車のクロスシートで、乗り換え時に自販機で買った熱いコーヒーを啜りながら、車窓に目を
もっとみる古書のこしょこしょ話③ 〜語るなら未来を…〜
歳の離れた人と会えば必ず「これからじゃん!羨ましいな」と言われる。私は返答に困り、「そうですね。頑張ります」とざっくり決意の言葉を口にする▶︎「昔は〜、私の頃は〜」という話もよく耳にする。その話の末尾には「恥ずかしいけど」がつく。その言葉を意識するようになったのがここ2年ほどのことだ。意識してみると、自分も後輩に使っていたことに気づいた。齢18の自分が発するその言葉に座りの悪さを感じた。そこで自
もっとみる悩みが個性に変わる時
〜15歳〜
母は僕が愚痴をこぼす度に言う。
「5年前の話だけどさ。(いじめられた)って帰宅後に開口一番愚痴るから、担任に相談したんだよ。そしたらね、(古書くんは普通の10歳です。周りの子たちの精神年齢が低すぎるんです。私も困るぐらい)って。」
15歳の僕は、教室の後ろ端の席で斜に構えているような生徒だ。10歳の頃から話が周りの人と合わないという悩みを抱えている。ゲームや流行り物の話はできるが、
古書のこしょこしょ話①
大地震、飛行機の接触事故、JAXAの月面着陸、指名手配犯の自白後の病死。歴史の一コマになるであろうこれらの出来事がたった一月で起こったことだとはいまだに信じられない▶︎今月は政治や芸能界、スポーツ界の多くのスキャンダルが世間を賑わせた。プロ野球オタクの私としては、埼玉西武ライオンズからFA権を行使していた山川選手を獲得する補償として福岡ソフトバンクホークスの甲斐野選手が放出されたものの、その過程
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