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素日記

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子どもと夫と仕事とそれ以外ぜんぶ
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はたらく中年ともらえるパン

はたらく中年ともらえるパン

年明け1月4日、出勤のための電車の乗客はいつもの3割といったところ。

豪快に新聞を広げて立ち読んでいる紳士がいる。もしかするといつもは周りに当たらぬよう折に折り畳んで読む新聞を堂々と車内で広げるというのは、この人の正月明けの楽しみなのかもしれないな、と考えてみたが、床に置かれたカバンが開いていて中に空になったハイボールの缶が入っているのが見えたのでただ気が大きくなってるやつかと思い直す。

年末

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変わる日々

変わる日々

職場のトイレのドアは閉めるとはずみで必ず一度バウンドし、それを押さえてから鍵をかける。
一連の動作音が高頻度で「ドン・ドン(ドアのバウンド音×2)・チャ(鍵)」と「ウィウィルロックユー」のイントロになる。
そして個室にいる私の心ではフレディが拳を奮い歌いあげたりする。

ということが年内にもっとも書きたいと思っていたことで2023日記は気が済んだ。

前回の書き物から2ヶ月近くが経過して、note

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こうやって東京の子が

朝の子ども番組を見ていた次男が「あぁ、上野か」と言った。

動物園の開演前準備の歌が流れていて「うえのどうぶつえん」と大きく画面に映し出されたところだった。

「上野か」の言い方が、昔馴染みで、勝手知ったる土地を久しぶりにメディアで見た大人のようで「ほほぅ」と思った。

この夏、彼は3回上野に行った。
・東京都美術館のマティス展
・科学博物館の海展
・西洋美術館の無料公開日
その度に秋葉原駅のミル

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このなつのこ

このなつのこ

「お父さんが世界で1番大事なのは扇風機」
この夏、我が家で流行ったフレーズ。
その後に「長男くん、次男くんはその次です」と続く。これだけ抜き出すととんでもないモラハラ親父だな。
しかしこのフレーズが出ると、子どもらはキャ〜とはしゃいで「なんだとぅ〜!」とポカスカお父さんへの攻撃に出る。そして攻撃することによりさらにお父さんランキングが「扇風機、さらにセロハンテープの次」と下がる。そしてまた「なんだ

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ボンおわり

夫が五山の送り火中継をYouTubeで見ていた。
テレビを子どもらが使いたいから変えていい?と聞くと、スマホで見るからもういいよ、との返事。

山に字の火が燃えてる(だけの)やつ、スマホにしてまで見るんだ。
と思い、素直にそれを伝えたところ「ばあさん初盆やしな」と。

京都の人だ。ほんまの京都の人が家にいる。

お盆の時は、家にお寺さんがきて、おばあちゃんがメロンやらマスカットやら八百屋に注文して

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母10

母10

ははじゅう、ははてん。
はなてん中古車センター(言いたいだけ関西人)
母親となり10年目に突入した母の日。

最近は通勤路での独り言日記ばかりでまるで日々整っているかのようだが、私の毎日はちゃんとドタバタとしている。

長男4年生、次男2年生。
我が家は子らがYouTubeを見てる時以外、ずっと騒がしい。いや、長男に至ってはYouTubeを見ていてもガタンゴトン(電車音再現)などやかましい。という

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あの世とこの世

あの世とこの世

すっかり正月も明けて通常運行の日々、夫のばあちゃんが亡くなった。
1920年(大正9年)生まれ、今年の6月で103才になるところだった。

小学生で奉公に出てリアルおしん生活。日露戦争で金鵄勲章をもらった父親がその恩給で闘鶏にはまり身代を持ち崩した。婿を取って家業(仕出し)を立て直すため奮闘。神社のお祭りで巻き寿司をリヤカーで売りに行きヤクザに追いかけられた。息子を凄腕料理人にして料理屋としての看

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年末点描的なやつ

年末点描的なやつ

東京に来て初めて持った自転車を処分した。
私のも夫のも10年近く乗っておらず、うっそうとツタが絡まりラピュタの何かみたいな佇まいになっていた。

その跡地にサンタが子らの自転車を持ってきたが、枕元には鍵の入った小さな小箱があっただけのため謎解きのような展開となり、早朝からすっとぼけつつ会話にヒントを織り交ぜるスリリングなクリスマスだった。
チキンは美味かった。焦げたけど。

***
先週ここまで書

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過渡期すら過ぎているのか

過渡期すら過ぎているのか

日曜に次男と映画を見に行った。
金曜ロードショー内のCMで、ディズニーの最新アニメ映画『ストレンジワールド』です!不思議な世界の冒険譚で絶賛上映中!と言っていたので、横にいた次男に行くかい?と問うたらめずらしく素直にうんと言った。

その時見ていた『天使にラブソングを』はTVでやっていると必ず見てガハハと笑ってちょっと泣いたりする好きな映画だ。
長男はなんども「これあと何分あるの?」聞いてきたので

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noteこわい

noteこわい

会わないとだんだん疎遠になって、次会う時なに話せばいいかわからないからますます積極的に会わなくなる、そんな関係が私とnoteとのこの一ヶ月。
特に書くことがないんだよね、、という言い訳も「そもそも書くほどのない日常をうれしそうに書いてたのがあなたなのでは?」とすぐ自分に論破されグゥのね。

家族は元気で、仕事は刺激的で、世の中は灰色ながら進む。
書かなくていい文章が書けないことにうっすらとした罪悪

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大きいのと小さいのの秋

大きいのと小さいのの秋

3メートル先を歩く人から「プッ」と音がした。
おならだな。歩きおならだ。
瞬間、不快というより新鮮な気持ちになった。全くの赤の他人のおなら音を聞くというのはとても非日常な出来事で、でもそれは聞き馴染みのあるサウンドで、そのギャップが新鮮感覚を生み出したんだな。

すっかり秋ですな。
次男は夏に「この冬はずっと半袖半ズボンにする」と宣言していたのに、朝の気温が20度を切った途端、寒い寒いコタツを早く

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思い出もととのい

思い出もととのい

家の子どもがもれなく小学生になって初めての夏休みが終わった。
長男は支援級のため、これまた我が家初の普通級夏休みの宿題を目の当たりにし、朝顔の観察や毎日コツコツやらなくてはいけない一行日記など「これぞ夏休みの宿題だぞ」というラインナップに親子そろってびびった。

次男はどこで知ったのか「アメリカの学校は夏休みが3か月もあるうえに宿題がないんだ。どうしてここはアメリカじゃないんだ」と言いながら、夏休

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旅と夏と

旅と夏と

子らが夏休みに入ってすぐ、鹿児島に行ってきた。鹿児島はとてもよい。
うまいし、きれいし、よい。
ちょっとだけ行った宮崎もよかった。
うまくてきれい。

学生時代仲の良かった友人実家(ビビるほど広い寺)に泊めてもらい、広さというのは心の余裕にもなるのだな!と冷たくて涼しいからと廊下でゴロゴロする長男を優しい目で眺めた。
ここに君が転がってるなら私はあちらを通るね、と。

我が家なら秒で「邪魔だよ!」

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とはいえ日記は書きたいものだ

とはいえ日記は書きたいものだ

この前、納豆チャーハンがわかった。
本当は「納豆チャーハンを見切った」と言いたいぐらいなんだけど、この世のどこかにいるであろう納豆炒飯ガチ勢の何かに触れそうなので自重する。

コツは「よく炒めること」とレシピに書いてあったら、本当によく炒めること。要するにプロの言っていることに忠実にすればよい。
パラパラで臭みも抑えられ、旨みと味が凝縮された美味い納豆チャーハンになるよ。

この夏、次男が7歳にな

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