岸本 たくみ

1997【執筆・撮影】|コラム・フォトエッセイ・まとめ記事|https://lit.l…

岸本 たくみ

1997【執筆・撮影】|コラム・フォトエッセイ・まとめ記事|https://lit.link/en/tkm1212ampm

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【Z世代全集】市場を支配するZ世代のトレンド「20選」

※注) 総文字数20,000字を超える内容となっています。 大きく4項目( ”SDGs”、”ネオ・デジタルネイティブ”、”マーケティング”、”ライフスタイル”)で分けています…

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2024年5月22日 銀座にて

意思疎通について言うが、誰しも最初は、極めて率直で感情も丸裸なコミュニケーションを取っていたのだった。 嫌なものがあれば泣き叫んで拒絶し、不都合があれば人目をは…

岸本 たくみ
1時間前
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言葉の不感症

とあるシットコムを見ていた時 "It's relatable!" というフレーズに出くわした。 コンパクトにまとまる訳がパッと浮かばず、《relatable》をググってみたところ、「関わり…

心の筋肉とひとの暮らし

朝、日の差さない湿り気の多いベッドで目を覚す。 平日の11時だというのに、二段ベットの階下に横たわる同居人の一人は未だまどろみの中にいるようだ。 誰もいないリビン…

岸本 たくみ
1か月前
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ピュンとの会話

写真はいつか死ぬのかな。 ハッセルで撮った曲線滑らかな写真やフジの鮮やかな発色の写真も、全部ぜんぶがAIに取って変わってしまうのかな。 『これが私のオリジナルだ!…

岸本 たくみ
1か月前
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満ちた気泡

深く息を吸うと鼻の奥がキッと締まって、何かまずいものでも吸い込んだような心地になる。 瞬間、それが何一つ害悪のないものだと悟る。体中に、暖かで力強くほど走る気泡…

岸本 たくみ
1か月前
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心の筋肉

ヒトが食べたものは、咀嚼し粉砕され分解されて、必要な栄養分が吸収されて生きるための糧となっている。 人が抱く感情も、同じような過程を経て私たちの生きるエネルギー…

岸本 たくみ
1か月前
2

「誰も見なくとも、誰も関心を向けなくとも、ひたすらに何かをつくり続ける」

正直そんなこと、虚しくて無益で非生産的で自己満足的で、一体何のためにやるのか分からなかった。でも、今それはそれを生活の主軸に向けようとしているし、それを以てして生きていることを感じようとしている。

岸本 たくみ
2か月前

前髪を下ろした時

前髪を下ろした時、その日一日がどうも風変わりなものになる。 まず、どうしてか突然、割り箸を皮切りに環境トークに花が咲き、林業に興味をむけるきっかけがひょんと生ま…

岸本 たくみ
2か月前

おかねのはなし

大学の時分は、最低賃金スレスレの格好ばかりのバーのバイトバーテンダーだったわけで。どの年の私にも、たいした収入はなかった。 他にももう2店舗同じようなバーで掛け…

岸本 たくみ
2か月前
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予定の長さ、少年少女と大人のそれは

『来週末で』『明日に』『今日の夜から』 気のせいだろうか。どんどんと年齢を重ねるにつれ、決められる予定のスパンが短くなってきている。 友人と会うのは …1週間先の…

岸本 たくみ
2か月前

「どっかそのへん」の眼前

「眼前」という言葉に、どきっとする。 道を歩いているとき。机上で考え事をしているとき。ぼうっとタバコを吸っているとき。 その時、一体全体わたしはどこを見つめてい…

岸本 たくみ
3か月前

写真を「撮ることが好き」と「写真が好き」は全然違うようだった。

撮ってる時やその自分が好きな人のは、誰の目にも明らかな熱に充ち満ちてる。
でも写真好きのは、ホッカイロだ。
ずっと見なきゃその熱が分からない。それは、どこまでも上昇する沸点を持たない物質を孕んでるみたいだった。

岸本 たくみ
3か月前

新しいランニングシューズに足を通す。

立ち仕事にくたびれた足はその真新しいカタチに、捏ねてこねて型となる粘土のようにして段々と馴染んでいく。
すると規則正しくつくられた靴に揉まれ詰られ、走り方に左右とで差異があったことに気がつく。双子のようにしてリズム正しく動くこの足ですらも。

岸本 たくみ
3か月前
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風邪とお風呂

居ても立ってもいられず布団を出て階下に降りたはいいも、養生に努めるほかに別段することがある訳でもなかった。 医者の父親譲りで、下宿の誰か体調を崩すと真っ先に療法…

岸本 たくみ
4か月前
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台湾周遊と15本のブローニー

 パブロンとイブ。欲を言えばロキソニンがよかった。それからビオフェルミンも、有るか無いかでいえば絶対にあったほうが良かったと今になって気がつく。  ひょんなとこ…

岸本 たくみ
4か月前
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【Z世代全集】市場を支配するZ世代のトレンド「20選」

【Z世代全集】市場を支配するZ世代のトレンド「20選」

※注)
総文字数20,000字を超える内容となっています。
大きく4項目( ”SDGs”、”ネオ・デジタルネイティブ”、”マーケティング”、”ライフスタイル”)で分けていますので、必要な箇所だけ飛び飛びで読む方法をオススメします。

または、大小見出しで見やすく編集した以下の同じ記事を参照下さい 🙇‍♂️

⬛️ なぜZ世代を知るべきなのか『Z世代の姿を追い続けねばならない』

デジタルとリアル

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2024年5月22日 銀座にて

2024年5月22日 銀座にて

意思疎通について言うが、誰しも最初は、極めて率直で感情も丸裸なコミュニケーションを取っていたのだった。

嫌なものがあれば泣き叫んで拒絶し、不都合があれば人目をはばらず大声を上げ、反対に愉快な気分になると諄いくらいに肢体をともなって声を上げながらはしゃぎ回る。

それがいつからか、可笑しいことがあっても押し黙り、相手の機嫌を伺って自身の考えを述べるのを脇に据え置き、自らを、首肯せざるを得ない状況へ

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言葉の不感症

言葉の不感症

とあるシットコムを見ていた時 "It's relatable!" というフレーズに出くわした。

コンパクトにまとまる訳がパッと浮かばず、《relatable》をググってみたところ、「関わりを持ち得る / その経験などに類似性を見出し、理解や共感を催し得る」という定義が記されていた。しっくりこない。
日本語字幕を見てみると、『それ分かる〜!』とだけ訳されていた。

◾️

じつに4年ぶりに一人暮ら

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心の筋肉とひとの暮らし

心の筋肉とひとの暮らし

朝、日の差さない湿り気の多いベッドで目を覚す。

平日の11時だというのに、二段ベットの階下に横たわる同居人の一人は未だまどろみの中にいるようだ。

誰もいないリビングに降り立つ。
それについて取り立てて驚くこともなく、そういえば昨日はシャワーを浴びずにベッドに入ったことを思い出し、おもむろに浴室へ立ち入る。相も変わらずかびに塗れた壁の先から、西武線のけたたましい轟音と踏切のサイレンが響く。

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ピュンとの会話

ピュンとの会話

写真はいつか死ぬのかな。

ハッセルで撮った曲線滑らかな写真やフジの鮮やかな発色の写真も、全部ぜんぶがAIに取って変わってしまうのかな。
『これが私のオリジナルだ!』と思って撮る写真も、同じように?

なら何のために撮ろうか?
何を撮るために生きようか?

ただ一つそれを考え続けることだけが、あなたの写真を写真たらしめるのだろう。

満ちた気泡

満ちた気泡

深く息を吸うと鼻の奥がキッと締まって、何かまずいものでも吸い込んだような心地になる。

瞬間、それが何一つ害悪のないものだと悟る。体中に、暖かで力強くほど走る気泡が充ち満ちるために。

それを「春」と呼べるのが、どれほど心地の良いことか。

人が新たな場所へ舞い降りる。
愛し憎みそれでも向かい続けたなにかを離れ去り、未到の世界へ踏み入れる私的な世紀の瞬間。

惜別の念、希望の空気、寂寞の中の躍動。

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心の筋肉

心の筋肉

ヒトが食べたものは、咀嚼し粉砕され分解されて、必要な栄養分が吸収されて生きるための糧となっている。

人が抱く感情も、同じような過程を経て私たちの生きるエネルギーになっているのだろうか。

感情。

『心の筋肉』といわれ、ないものは『馬鹿だ』といわれる始末だ。
身体において精神が未熟だと馬鹿だといわれるけれど、肉体がなくても馬鹿だと言われないのはどうしてなんだろうか。

舌打ち一つ。棘ついた言葉一

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「誰も見なくとも、誰も関心を向けなくとも、ひたすらに何かをつくり続ける」

正直そんなこと、虚しくて無益で非生産的で自己満足的で、一体何のためにやるのか分からなかった。でも、今それはそれを生活の主軸に向けようとしているし、それを以てして生きていることを感じようとしている。

前髪を下ろした時

前髪を下ろした時

前髪を下ろした時、その日一日がどうも風変わりなものになる。

まず、どうしてか突然、割り箸を皮切りに環境トークに花が咲き、林業に興味をむけるきっかけがひょんと生まれた。
『嘘を吐くから今こんなのなんじゃないのか』と、決してネガティブなニュアンスでなく内省させられるような記事を目にする。
社用車をガードレールに擦ったのを事細かに確認しようとする先輩を横目に、素直に立派だと思っていることに気がつく。

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おかねのはなし

おかねのはなし

大学の時分は、最低賃金スレスレの格好ばかりのバーのバイトバーテンダーだったわけで。どの年の私にも、たいした収入はなかった。

他にももう2店舗同じようなバーで掛け持ちバイトをしていたけれども『同業種で同じエリアだからねえ』と各店のオーナーに告げられ、結局最初の最低賃金バーだけで大学時代の私の生活は支えられていた。
繁忙期の年末。アルコールで喉がへしゃげるほど飲んで働いて、月に10万円くらいが限度だ

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予定の長さ、少年少女と大人のそれは

予定の長さ、少年少女と大人のそれは

『来週末で』『明日に』『今日の夜から』
気のせいだろうか。どんどんと年齢を重ねるにつれ、決められる予定のスパンが短くなってきている。

友人と会うのは …1週間先の週末?
同僚との飲み会は … 数時間後の退勤時刻?
年イチの旅行なら … 2ヶ月先のゴールデンウィーク?

ずっと今より小さかった頃、夏休みはあっという間だった。
いつもそれが終わる頃には、もう次の夏休みのことを考えていた。
憧れていた

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「どっかそのへん」の眼前

「どっかそのへん」の眼前

「眼前」という言葉に、どきっとする。

道を歩いているとき。机上で考え事をしているとき。ぼうっとタバコを吸っているとき。
その時、一体全体わたしはどこを見つめているんだろうか。

目はその時、じつはカメラのように働いている。

どの場所ともいえない場所に、習慣と身体の構造から自然に身についた場所にフォーカスポイントを据えている。
それは『どっかこのへん』としか言いようのない場所で、でもそれは決まっ

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写真を「撮ることが好き」と「写真が好き」は全然違うようだった。

撮ってる時やその自分が好きな人のは、誰の目にも明らかな熱に充ち満ちてる。
でも写真好きのは、ホッカイロだ。
ずっと見なきゃその熱が分からない。それは、どこまでも上昇する沸点を持たない物質を孕んでるみたいだった。

新しいランニングシューズに足を通す。

立ち仕事にくたびれた足はその真新しいカタチに、捏ねてこねて型となる粘土のようにして段々と馴染んでいく。
すると規則正しくつくられた靴に揉まれ詰られ、走り方に左右とで差異があったことに気がつく。双子のようにしてリズム正しく動くこの足ですらも。

風邪とお風呂

風邪とお風呂

居ても立ってもいられず布団を出て階下に降りたはいいも、養生に努めるほかに別段することがある訳でもなかった。

医者の父親譲りで、下宿の誰か体調を崩すと真っ先に療法やら薬やらを教えてくれる親切な同居人が一人、黙々とモニターに向かって何やらタイピングしている。彼から散々控えろと言われていたタバコを忍んで吸ってから、リビングを見回してみる。

誰だか知らないが、浴室から脱衣所までのドアを開け放しにしてい

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台湾周遊と15本のブローニー

台湾周遊と15本のブローニー

 パブロンとイブ。欲を言えばロキソニンがよかった。それからビオフェルミンも、有るか無いかでいえば絶対にあったほうが良かったと今になって気がつく。

 ひょんなところから年末年始の10日間を台湾で過ごすことに決め、格安航空の往復旅費の相場が4~5万円のところ、大急ぎでチケットを買い求め3倍近い額を支払うことになった。それでも、年末ボーナスを銀行口座で眠らすくらいならと思っていたし、年の締めくくりと新

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