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ドイツの音大のピアノメソッド

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ドイツの音楽大学2校で約8年間学んだピアノメソッドの講義を思い出して書いたり、ドイツのピアノメソッドに関係したことを書いていきたいと思います。
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記事一覧

#良い日、悪い日

#良い日、悪い日

昨日のレッスンの時のこと。

生徒が何か不調らしくて、「悪い日が続くと、本当に落ち込みます。」と言ったんですね。

さて、、と。
それってスランプってことなのか、何か嫌なこと、解決しない悩みでもあるのか、、、?

そこはよくわからなかったのですが、悩みというとプライベートでデリケートな領域ですので、私から質問はせず、、。

でも、ふと思いついて
「年月って、いい日と悪い日が繰り返して過ぎていくよね

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ロッカーに眠っていた、ふるーいピアノの楽譜。

ロッカーに眠っていた、ふるーいピアノの楽譜。

ドイツのバイエルン州では2022/23の学年が7月末で終わるのですが、整理整頓の苦手な私は、もう今週から教職員ロッカーの整理を始めることにしました。

というのも、私のロッカー内には古い楽譜がドンっと積まれてまして。
絶対に、一度では家に持って帰れない量と重さ、、。(笑)

毎週ロッカーを開けるたび、「コレはよろしくない状態だなぁー。」と思いながら積まれたままの楽譜を見ていたのですが、ついに【片付

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ピアノのレッスンと言葉

ピアノのレッスンと言葉

日本で暮らしていた頃の私は、校則とか制服とかがずっと苦手な子供でした。

そうは言っても、もちろんまぁ大抵のことは守っていたわけですが、、。
でも、制服のリボンがしっかり結べていないとか朝からチェックされると「今日一日のスタートが台無しだよ!」なんて憤慨したものです。(笑)

でも自分がドイツの音楽学校で、初めて自分のクラスを持つようになった時、「ああ、【クラスの決まりごと】というものは必要なんだ

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ピアノ 初歩の初歩に注意すること(1)

ピアノ 初歩の初歩に注意すること(1)

これもお仕事を頂き、執筆しました。

初歩の初歩って、つまりド初心者の時に気をつけて欲しいこと、です。

「初歩の初歩に注意すること」って結構あるのですが、それらはもう、「頼みます、全部守ってください!」って個人的にお願いしちゃいたい程、大事。

何故かというと、後になればなるほど直すのが困難になるから。

私のところには、学校でもプライベートレッスンでも、編入してくる生徒さんがいるのですが、いく

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オンラインレッスン-ロックダウンでの思い出-

オンラインレッスン-ロックダウンでの思い出-

ドイツがコロナのロックダウン中だった期間、私のクラスもオンラインレッスンを余儀なくされました。

最初は生徒も私も慣れず、何週間かぎこちないレッスンが続き、対面式レッスンの気楽さというか温かさというか、「こんにちは〜!」「やぁやぁ、よく来たね〜!」というクラスならではのアットホーム感がどうしても出ないのが、なんとももどかしくて、、。

そのうち、「なるほど、オンラインレッスンというものはこういうも

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コンサートと思い出(2)

コンサートと思い出(2)

コンサートが終わってから、当時の思い出が一つ、また一つと記憶の彼方からひょっこり戻ってきました。普段の私は「過去を振り返るより前に進もう!」という人間なので自分でも意外でびっくりしたのですが、せっかくなので思い出したシーンなどを書いておこうと思います。

コンサートの後、楽屋に先生を訪ねて思ったことは、「先生、話し方も雰囲気も全く昔のまま、、。(笑)もう何年も会ってないのに、私たちが前回会ったのは

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アレクサンダーテクニックの研修

アレクサンダーテクニックの研修

今日は朝9:00から夕方の17:00まで、学校でアレクサンダーテクニックの研修がありました。

この写真、何やらお昼寝の用意かとも見えますよね?(笑)
でも、この光景は、床の上に仰向けになった姿勢で行われた実習の写真です。(笑)

ミュンヘン音大でもアレクサンダーテクニックの講師をしていらっしゃる先生をお招きして行われた特別研修だったのですが、午後は楽器を実際に演奏しながら、、の実習もありました。

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コンサートと思い出(1)

コンサートと思い出(1)

今晩は、ドイツで師事した1番最初のピアノの先生のコンサートに行ってきました。
そもそもコロナ禍以来、私はずっとコンサートに行っておらず、ちょっとよそ行きのお洋服を着てコンサートに行くなんて、3年ぶり。それに先生のコンサートも、、、前回聴かせて頂いたのはもう10年以上前(!)、、だったような、、、。

会場はミュンヘン郊外のルービンシュタインホール。もともとはスタインウェイハウスの建物の中にあったホ

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自己紹介と、このページの紹介をちょっと、、、。

自己紹介と、このページの紹介をちょっと、、、。

私はミュンヘン在住のピアニストです。

高校卒業後、渡独。
ドイツの国立音楽大学を2校卒業し、それぞれの大学でディプロム取得。
ディプロム取得後、大学院卒業。
ドイツ国家認定ピアニスト。
大学院在学中に、ドイツの某国立音楽大学の講師として働き始め、14年後に勤め先の学校をドイツの某市公立音楽学校に変えました。

現在、ドイツ音楽芸術家協会、バイエルン音楽芸術家協会、ミュンヘン音楽芸術家協会、ヨーロ

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卒業試験とくじ運(2)

卒業試験とくじ運(2)

ピアノメソッドの卒試を受ける学生たちの予想では、当たりくじは3〜5本。(本数の出処は不明。)残りのハズレくじは「答えのファクターが多岐に渡っていて、全部網羅して説明するのが面倒くさいハズレくじ」、「ピアニストとしての芸術的観点から考えると、必ずしも理論の定説とは一致しないので説明には要注意の大ハズレくじ」など、ハズレにもバリエーションがある、ということ。

ピアニストとしての芸術的観点というのは、

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レッスンの思い出ー忘備録1ー

レッスンの思い出ー忘備録1ー

ドイツでは、主に3人の教授に師事したのですが、どの先生もそれぞれの教えを補って、更に前へと押し進めてくれるようなレッスンでした。せっかくの貴重な教えですので、思い出すたびに書き留めておこうと思います。

練習は、どんな曲でもまぁ同じような経過を辿って上達していくのですが、学生時代の私の場合、曲が仕上がっていくにつれ曲のテンポもずんずんアップしていく、という習慣がありました。有名なピアニストと同じ速

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卒業試験とくじ運(1)

卒業試験とくじ運(1)

ドイツの音楽大学では、筆記試験と口頭試験がセットのように行われる教科もとても多く、マンハイム音楽大学のピアノメソッドの卒業試験にも口頭試験がありました。

出題範囲は、「最初の年の最初の授業からずっと」。(笑)

えええええええ!そんな膨大な範囲をどうやって一人一人試験していくんだろう、それってどれくらい長時間な口頭試験になるんだろう?と恐怖に怯えていたら、教授が「この試験はくじ形式です。」と説明

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