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業務用(プロフェッショナル向け)機器の技術を核に民生用機器にも別格の性能持たせている会社 その5.22 私の推したい会社 当たり前過ぎて意識しなくなっていること 

 私の推したい会社は、業務用(プロフェッショナル向け)機器の技術を核に民生用機器にも別格の性能持たせている会社です。

 その理由を一言で言えば、業務で使われる程最先端で信頼性が高い技術を民生用に昇華して日々の暮らしの中に活かせるからです。

今までの経緯
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 具体的には例えばソニーさん。

 その1.0では民生用の製品は皆さんの染みの少ない放送業務用制作機材に絞ってご紹介し、今後の期待感まで吐露させて頂きました。その辺りはこちらをお楽しみ下さい。

 如何でしょうか。街で見かけるソニーさんの製品とは全くの異なるプロフェッショナル向けの機能美を感じる製品群って素敵ですよね。
 このとんでもない高価な業務用製品向けの技術が民生用にもフィードバックされていると思うと、何かお得感を感じませんか?
 というオチでした。

 その1.1はソニー・インタラクティブエンタテインメントグループさん。研究所が手掛けた際物(きわもの)を民生用、しかもゲーム機という最も大衆ウケするプラットフォームにというお話でした。

 その1.2は、ソニーさんとCBSソニー(ソニー・ミュージックスタジオ)さんの話です。ソニーさんの民生用製品を元に、ソニーさんとCBSソニーさん(ソニー・ミュージックスタジオ)さんが業務用製品を共同開発され、余りの好評のためにその業務用製品は、今ではまるで民生用製品の様に販売されているという珍しいお話でした。

 その1.3は、業務用の可搬型テープレコーダーが、私的な演奏会や鉄道·自然等の生録音のニースに応える形で民生用製品に仕立てられ大ヒットしたというお話でした。その名はカセットデンスケ。

 その2は、鉄道や機械等に用いられる業務用の電気モーターが、家電として掃除機、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの民生品の心臓部として転用されるというお話でした。

 その3は、流体力学と誘導機技術(誘導電動機(モーター)・誘導発電機(発電機)ともに成り立つ技術)から始まり電力インフラやエレベーター等の業務用機器をしつつ、扇風機から始まりエアコン等の民生用機器へその技術を展開されているというお話でした。

 その4は、造船業から始まり鉄道車両、航空宇宙、エネルギー・環境、精密機械・ロボット分野等でプロフェッショナル向けのソリューションを提供されていて、その技術を二輪車、ATV(四輪バギー車)、多用途四輪車、パーソナルウォータークラフト「JET SKI®」といった民生品に生かされいる会社のお話でした。

 その5.00から連作で時計メーカーさんを推したく、その前フリとして時計の歴史をご紹介しました。

 その5.01は、時間軸は明治少し前辺り以降、地理的には日本に絞り今日的な時計の価値についてその背景を共有させて頂きました。

 その5.02は、鉄道網の発達と時計について振り返ってみました。

 その5.03は、義務教育の普及と時計について振り返ってみました。当たり前過ぎて意識しなくなっている程陳腐な内容ですが、網羅性という意味で抑えて執筆しました。赤面する程基本的な内容も恣意的に含まさせて頂きました。

 その5.11は商社として輸入時計の販売と時計修理を開業し、業務用製品と民生用製品をしたたかに糾(あざな)いながら時計の分野で世界的な地位を築いたセイコーグループさんにまつわる私的なエピソードのご紹介でした。

 その5.12は、セイコーグループさんの業務用製品と民生用製品を逆境をも成長の機会としてしたたかに糾(あざな)ってきた歴史を第二次世界大戦直後頃まで振り返ってみました。

 その5.130も、その5.12に引き続きセイコーグループさんの業務用製品と民生用製品を逆境をも成長の機会としてしたたかに糾(あざな)ってきた歴史を1960年代後半頃まで振り返ってみました。

 その5.131では、その5.130でご紹介したグランドセイコーというある意味で日本の時計産業のフラッグシップの製品とも言えるラインナップについてのエピソードをご紹介しました。

 その製造工房を見学する機会を得て感動…

 その5.14では、水晶時計。所謂クオーツ時計。電子化についての激動期のお話でした。

 その5.15は、読者の皆様も馴染みがある1990年代からの軌跡でした。

 業務用の技術と民生用の技術を上手くつむぎながら世界最高まで上り詰め、結局GPSソーラークオーツ時計と、機械式自動巻時計が時計分野での双璧のなったかと。

 その5.16は大好きなセイコーさんの業務用の極みたる鉄道時計スペシャルでした。

 その5.21は、生まれて初めての腕時計のお話でした。1ドル360円の時代LONGINESのAdmiral 5 star。

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 今回は、長期勤続祝で父が会社から貰った腕時計のお話です。何とも高度経済成長時代という感じを味わって頂ければと。

注意
 以下、昭和の高度経済成長時代の外資系サラリーマンの家庭のお話なので、受け取り方によっては鼻につく表現が有りましたらご容赦下さい。 

 父は外交官を目ざしていましたが、戦争、学徒動員等紆余曲折が有り外資系の石油会社に勤めていました。1ドル360円時代に就職していたので、驚くほどの収入が有った様です。その会社の勤続祝に腕時計を贈られました。それが

LONGINES 
ULTRA-CHRON 
Automatic

以下の写真のものです。

LONGINES 
ULTRA-CHRON Automatic

父が長期勤続祝で会社かる頂いた腕時計

何ともElegantでしょう。当然裏面には会社名、勤続祝で贈呈、父の名前が美しく刻印されています。

 因みにその父が小学生だった私にハワイ土産で買って来てくれたのが同じくLONGINESの Admiral 5 star

父が小学生だった私に
ハワイ土産で買って来てくれた

LONGINES
Admiral 5 star

1ドル360円時代に今思うと親子でLONGINESとは何とも粋な…

ねぇねぇ、でもどちらも優雅さが光って居ません?
Admiral 5 starのステンレスの縦スジもイケてない?

 近い時代のソニーさんのフラッグシップのブリアンプにも似たエレガントなデザインが…

SONY TAE-8450
アルミ削り出しの感じの凝ったエレガントなデザイン

LONGINESに似てませんか?
これも所有してます。
SONY TAE-8450
削り出しのエレガントなデザインの拡大

 ねっ 凄く美しいでしょう、というかエレガントでしょう。

(何方かウザって言いました?
すいません。しつこいって言ったんですね(笑))

 因みに父のULTRA-CHRON Automaticは、当時、銀座の老舗宝飾店であった審美堂さんが輸入されたもの。審美堂さんはもう憧れのお店で、大企業御用達。裏面には長期勤続記念の刻印が入っているという何とも贅沢な。
 父の勤めていた会社は、小売はせず民族系石油会社のグループ会社として精油までして後は卸専門。B to Bって奴ですね。美味しいとこ取りかなぁ。
 父は本社から独身時代は岩国に少し、本社に戻って、大阪にも少し、それからはずっと本社で総務部長を少ししてからから秘書室長という何とも贅沢な人生。役員は社長以外全てカリフォルニア、テキサス等の海外の方が占めていました。時計を頂いた時は既に秘書室長でした。この秘書という仕事、外資だと日本とは大分違うニュアンスの仕事なんです。なのでこのLONGINESもブランド選びはお手盛りだったのではと勘ぐってしまいます。(笑)
 この時計は生涯父の腕に着いていました。正に父の生き方のスタンス。

「買うなら良いものを買って大事に使いなさい。」

これを何時も口癖のように言っていました。それを生涯貫いたのだと本稿を執筆して改めて思い出しました。

 父がハワイで私にお土産としてLONGINESのAdmiral 5 sta買う時、LONGINESなら
「お子さんより長生きしますよ。」
と言われたそうですが、正に父の時計も私の時計も今は私の終活で子供の手に。つまり持ち主より長生きするどころか今のところ少なくとも3代は使えています。

 時計としての基本は耐久性を含めて最高でそれに

Elegance 優美さ

が加わったというのを証明してくれています。面目躍如。

 ですから民生用からスタートし、業務用も手掛けしかもElegance、優雅さにその特徴が有るブランドとして私の推したい会社なのです。

蛇足

 父の時計を輸入した何とも高度経済成長時代という感じの審美堂さん。1916年に時計商として創業され、主にオリジナル・ジュエリーや海外デザイナー・ジュエリーなどを取扱われていました。往年は、銀座など都内を中心として名古屋・札幌にも店舗を開設するなど事業を拡大されていました。しかしバブル末期に父が他界してから15年余り後、残念ながら宝飾専門店としての「銀座審美堂」さんは、2005年4月27日付で東京地方裁判所へ自己破産を申請し倒産されました。何とも寂しい限りです。しかし、LONGINESさん本体がTHE SWATCH GROUP (JAPAN) KKの1ブランドとしてとして日本に来られて以来、スイスへ送っての定期的オーバーホールはLONGINES日本さん経由になってしまっていましたから、その一端は私にも責任が有る様に思えています。

超蛇足
 物理屋としては機械式時計は扱いようがまだ有る。今は希少な時計屋さんが壊れた古い時計も大切に保管して部品取り様にしてくださっています。お金に糸目をつけなければ一品物で削り出して組み上げることも。
 でもクオーツ時計の半導体は、万が一半導体が壊れたら結構直しようが無いかと。半導体を一品物で引き受けてくれるところは中々無いかと。そのうちFPGAが進化して永遠にオーバーホール出来る時代が来るのかも。


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