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Hint(まどろみ文庫)

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映画は心地よい洗脳だ

映画は心地よい洗脳だ

映画館で何百人が静かに大スクリーンに向かってじっと目を向け続ける、こんな異常な状況、よくよく考えたらおかしい。いやだから、映画館に行くのだ。心地よい洗脳を受けたくて。感動したり、泣いたり、映画は自分の感情をコントロールしてくる。洗脳されて、興奮して、おもしろかったなどと感想を書き連ねようものなら、そりゃあ監督はうれしいだろう。自分の作品でうまく洗脳できたのだから。

世界をより良く認識するために

世界をより良く認識するために

日々の忙しさに流されて生きていると、ふと自分が何を理解して何を理解できていないのか不安になる瞬間がある。そうならないために、きちんと理解できたことを言語化しておこう。いや、言語化できることが理解したことになるのか。世界を言語で理解することが、正しく世界を認識しているかどうかは怪しいが、やはり人間のコミュニケーションにおいて、言語の占める割合はいまだに大きい。ビジュアルを共有するコミュニケーションも

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【随想】ラジオ『オールナイトニッポン0(ZERO)』ヤーレンズ

【随想】ラジオ『オールナイトニッポン0(ZERO)』ヤーレンズ

M-1で、令和ロマンより個人的には好きだったヤーレンズ。
二人の口からとめどなく溢れ出る固有名詞の数々。
圧巻の連想ゲーム。
ただただ最高の時間でした。

【随想】小説『ハサミ男』殊能将之

【随想】小説『ハサミ男』殊能将之

ハサミ男読み終えた
正味2週間ほど
長く感じた
仕掛けには程々に驚いたがそれ以外の点では
あまり心に響くものはなかった
どんでん返し小説に飽きてきてしまったのだろうか
やはり
過程というか道中が大切だ
そう考えてみると
よい小説とはなんだろう
キャラクターが魅力的か
ストーリーが魅力的か
心理描写に共感できるか
世の理が描かれているか
そう考えると
魅力的な警察、探偵役は出てこなかった
そして主人

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【随想】小説『殺戮にいたる病』我孫子 武丸

【随想】小説『殺戮にいたる病』我孫子 武丸

とうとうね。
殺戮に至る病読みました。
いやーどんでん返し系の名作は一応一通り読もうと
去年から
十角館の殺人
葉桜の季節に君を想うということ
イニシエーションラブ
と読んできたけど、
これだけは躊躇していた。
体調が悪い時には読めない。
立ち読みしてそう判断した。
しかし
時期が来てしまった。
内容については
特に触れることができない。
一つ言えることは
文章がとても読みやすいということ。
癖が

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【随想】小説『満願』米澤穂信

【随想】小説『満願』米澤穂信

第27回山本周五郎賞を受賞した米澤穂信の「満願」を読む。
短編集である。
買ったのはだいぶ前だ。
米澤穂信という作家は、あまり聞き馴染のない言葉を使う作家なのだな。
梁、マタボール、及時雨、墨痕、矍鑠、筵、長押、林冠、隘路、眦、霏々など。
知らない単語が出てくると少し躓いてしまう。
海外小説や学術書で注釈を逐一読まないと分からない状態と同じだ。
するっと物語に没入できない。
意味がきちんと理解でき

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【随想】ドラマ『侵入者たちの晩餐』バカリズム

【随想】ドラマ『侵入者たちの晩餐』バカリズム

バカリズム天才だなぁと。
素直に感心してしまった。
コントやネタには、なかなかはまることがなかったけれど、
まさかバカリズムの本領が、テレビ脚本にあるとは思わなかった。
一時期の三谷幸喜や内田けんじや伊坂幸太郎のような作劇を彷彿とさせる。
しかも一人語りのナレーションという
自分のスタイルもある。
そのスタイルは他に類を見ない。
『ブラッシュアップライフ』は、その中で最高傑作である(他のドラマは見

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【随想】ドラマ『ロングバケーション』北川悦吏子

【随想】ドラマ『ロングバケーション』北川悦吏子

28年前の月9。
ようやくロングバケーション観終わった。
途中何話か見逃した。
たぶん結構いいところを見逃したような気がする。
瀬名と南がいつの間にか急接近していて焦る。
とにかく山口智子が素晴らしくて
木村拓哉は今の方がカッコいいんじゃないか、
松たか子はHEROの前にここで共演してたんだねキムタクと
竹野内豊はだいぶ野性味があった。
そういえば、登場人物たちの家族は一人も出てこなかったな。

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【随想】映画『千と千尋の神隠し』宮崎 駿

【随想】映画『千と千尋の神隠し』宮崎 駿

金曜ロードショー、
『千と千尋の神隠し』見ました。
2001年の作品。
まったく色あせていない。
宮崎駿の絶頂期の仕事。
画面の密度がはんぱない。
『君たちはどう生きるか』でもすごいと思ったが、
まるで比にならないくらいの完成度だった。
色合いも構図もディテールも
すべてが圧倒的である。
庵野秀明も新海誠も画が上手いと感じるが
宮崎駿の凄さは
人間の動きに対する暖かな眼差しにあると感じた。
例を挙

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【随想】映画『007』

【随想】映画『007』

第21作:カジノ・ロワイヤル(2006)監督:マーティン・キャンベル
第22作:慰めの報酬(2009)監督:マーク・フォースター
第23作:スカイフォール(2012)監督:サム・メンデス
第24作:スペクター(2015)監督:サム・メンデス

BSでやっていたので見る
『カジノ・ロワイヤル』は何度見たことか
なんだかんだ楽しい
サム・メンデスは『アメリカン・ビューティー』の監督か
ストーリーがどう

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【随想】映画『アウトレイジ』『アウトレイジビヨンド』『その男凶暴につき』北野武

【随想】映画『アウトレイジ』『アウトレイジビヨンド』『その男凶暴につき』北野武

やってやられての繰り返し
復讐の連鎖
暴力の連鎖
名ばかりの手打ちと落とし前
約束は破られるもの
裏切りはつきもの
人を見たら泥棒と思え
アウトレイジを初めて観た時
北野武は、TAKESHIS’、監督・ばんざい!を経て
自己言及、映画作りに迷走した後
振り出しに戻ってきたと感じた
たけしの処女作
その男、凶暴につきは、
深作欣二のピンチヒッターとしての起用だった
なのに、この時点ですでに
たけしイ

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【随想】ドラマ『真犯人フラグ』高野水登

【随想】ドラマ『真犯人フラグ』高野水登

『真犯人フラグ』は、2021年に放送されたテレビドラマ。
考察系ドラマのはしり『あなたの番です』の制作チームが再集結したドラマということもあって、当時もそれなりに話題になっていたと思うが、自分は第一話だけを見て見るのを止めてしまっていた。
なぜ見るのを止めたのか、あまり記憶は定かでないが、でも一話の最後にショッキングなクリフハンガーが用意されていて、その過剰な演出にちょっと引いてしまったというのが

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【随想】小説『1984年』ジョージ・オーウェル

【随想】小説『1984年』ジョージ・オーウェル

「1984年」を読んでいる。
ジョージ・オーウェルだ。
図書館で借りて読まずに返してから
10年以上の月日が過ぎた。
なぜ今になってまた読もうと思ったのか。
それはAppleのCMを見たからだ。
「1984」というAppleの伝説的なCMがある(これもまた古い)。
きっと何度も見ているのだろうが、あまり記憶にない。
それもそのはず。
「1984」の元ネタを知らないからだ(つまり記憶に残りにくい)。

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【随想】ドラマ『ブラッシュアップライフ』バカリズム

【随想】ドラマ『ブラッシュアップライフ』バカリズム

ブラッシュアップライフを見ている。
リアタイはできなかったが、再放送されるというので。
バカリズムの才能が爆発している。
お笑いよりドラマの方が向いてるんじゃないか。
俳優たちの演技力もさることながら
ガールズトークのシーンの台詞回しがえげつない。
本当にバカリズムが台詞を一言一句書いてるのだろうか。
作り物感、言わされてる感、嘘くささがない。
日常をそのまま切り取ってきたような。
つまり、とても

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