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「くちなしの口づけ」ー詩ー

甘い香りが
部屋に 風のベールのように漂う
花瓶の くちなしの花は
白い ドレス姿で
首をうなだれている

あの人は
くちなしの 花束を持ち
少し 照れくさそうに
戸口 佇んでいる

私が 勢いよく
胸に 飛び込むと
あなたの 香りと
くちなしの 香りが
6月の 季節の
訪れを 教えてくれた

あなたの 口づけは
私を 深い霧の世界へと
導いてくれる
私は 霧に包まれ
湖上の舟に 乗っているような
揺れる夢に 身を任せる

くちなしの花の
開いている 日数は
ごく短く はかない
すぐに 白いドレス姿は
茶色の シミに
おおわれて しまう

窓を打つ 雨を
見つめながら
枯れた くちなしの花束を
握りしめて
あなたが ドアフォンを
鳴らすのを 今日も
待っている

最後まで 読んでいただきありがとうございます。
これからも お心をなごますような詩を投稿して
まいりますので、スキ、コメント、フォローなどを
いただければ 子犬のようになつきます🐱🐱🐱🐱

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