記事一覧
レズビアンな全盲美大生 読ー9 独白
6日目
世の中どうなってるんだクソ。ママは色んな所へ連れて行ってくれるけどちょっとの説明の外にでっかい世界があるのははっきり分かっている。
騒音・喧騒・会話。全て大きすぎるよ。
お空があるって?
夜はお星さまが輝くって?
分かるよ、天球に張り付いているんだよね。
星座があって神話があるんだよね。
神話は昔の話だから全部物語なんだよ、分かってるよ、ママの話も全部物語だ。
外のざわ
レズビアンな全盲美大生 読ー8
5日目
昨日の先生の嵐は面白かったが、今日は日常だ。作品を作るでもなく二人は狭い部屋でまったりしている。晴眼者はそれぞれの作品作りで忙しいんだろう。好き物の集まりだから四六時中熱中しているのだろう。でも全く作品を作らない生徒もいると聞く。大海に放り出されて方向を見失っているのかな。突然海が荒れる。
「僕がここに居ても邪魔じゃない?」
我がミューズに一応聞いておこう。5日目ともなると鬱陶しく思
レズビアンな全盲美大生 読ー7 教授先生
4日目
昨日の名残で若干気まずいが、彼女たちはもう忘れているようだ。そんなことは無いはずだが動作には一切出ない。晴眼女子に比べより秘密な空白部分を埋めて満足しているのかな。
ぶっ飛んだ美大生は時折面目躍如な記事があるけど、ひっそりな二人がひっそりとぶっ飛んだことをしただけか。
切なる知識欲の発露と理解してあげよう。
作品を見せてあげるとアトリエに連れていかれた。ここで描いていたのか。Dア
レズビアンな全盲美大生 読ー6 実験台
3日目
捉え所のない煙に巻かれている感じは全体的には惹かれる。短い契約だが引き込まれようが半端なく、過去人生にも無かったからこれは仕事では無いなと全勤しそうな私が居る。
「ヌードモデルをやってその後変わったことはありますかお嬢様方」
半端ない衝撃を与えた張本人たちは、無防備にくつろいでいて、10年来の付き合いかと思ってしまう。
「別にー」
「ちょっと誘われたよ」
お嬢様を平然と受け入れてお嬢
レズビアンな全盲美大生 読ー5 少し生立ち
「君達ヌードモデルになるために美大生になったわけじゃないだろうし、そもそも全盲の美大生って理解できない。説明することは可能?」
「ヌードモデルで4年間過ごしても良いんだけどね」
「それで単位がもらえればね」
ほんとにはぐらかしだ。
「モデルの部屋に出入りできて鼻の下が伸びた?」
そう思ったのは確かだから図星だ。
「そもそも君たちはいつどこで知り合ったの」
「どこでって、決まってるでしょ、特別支
レズビアンな全盲美大生 読ー4 ヌードデッサン
部屋に一気に音が溢れ、ザワザワ、ギシギシ、ズル、バタン、各々我を張って収集のつかない学生オーケストラの演奏前のようだ。
徐々に高揚した雑音はサーと収まりヌードデッサンの準備は整ったようだ。
お願いします、と声がかかった。
なんだ!
激しい驚きの顔が攻撃的に襲う。
二人が説明する。
目つきは変わらないが口は抑えている。
まず美憂が助手らしき人の片袖を摘んで消えた。美憂は向こう側の椅子
レズビアンな全盲美大生 読ー3 ヌード
2日目
翌日は駅で待ち合わせだ。8月末から続く長い長い秋梅雨がようやく終わり天気が安定してきたと感じる11月から12月中旬までの短い秋、ファッションも安定して街は秋服に埋もれている。
8時に3番バス停に来て、と言われている。どんな風に通学するのか観察しようと少し前に着いて、どちらから現れるかキョロッキョロしていると、横断歩道に二人が見えた。
自然に人込みに立ち止まり周りと同じに渡り出した。白