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ドラマ『マンゴーの樹の下で ~ルソン島、戦火の約束~』と日本の加害責任
もう何度目になるのか、明日8月11日20時15分からNHKBSプレミアムで終戦関連ドラマ「マンゴーの樹の下で ~ルソン島、戦火の約束~」(2019)が再放送される。何度も再放送されているという事は、NHKがこのドラマの出来栄えに相当の自信をもっている事が伺える。
確かに安倍晋三が政権復帰後に築いた腐敗・不正・無能の「2012年体制」の下、政府の広報プロパガンダ放送局と化しているNHK地上波でこ
『正直不動産』~ファンタジーとコメディの衣を着せて不動産業界の闇に切り込んだ硬派の社会派ドラマ
「消費財としてのドラマ」と「生産財としてのドラマ」
あくまで私見ですが、ドラマには大きく分けて2種類あると思っています。ひとつは「消費財としてのドラマ」。それに対するのが、「生産財としてのドラマ」です。
前者は観ている間は面白くて楽しいけれど、終了した後には何も残らない、つまり何も生み出さない文字通り消費して終わりというドラマの事を指します。「消費財ドラマ」の多くは次のドラマ視聴などによって上書
全国民必見の社会風刺ドラマ「今ここにある危機とぼくの好感度について」
「今ぼく」は名門国立大「帝都大学」という架空の大学を舞台に、日本社会の様々なブラックな現実を切り取って痛烈に風刺したブラックコメディで、今のところ今年観たドラマのベストワンドラマ。
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
「社会派」と呼ばれる映画やドラマがほぼ絶滅状態の昨今、ブラックコメディの手法で果敢に社会風刺に挑んだNHK、さすがに「腐っても鯛」です。民放局だったら、大口企業広告を
秀作が多かった「2018年テレビドラマ」 ベスト20~『昭和元禄落語心中』『透明なゆりかご』『女子的生活』『獣になれない私たち』他
◆2018連続ドラマ・ベスト20
①結婚相手は抽選で(原作垣谷美雨 脚本関えり・香川嶋澄乃) ②昭和元禄落語心中(原作雲田はるこ 脚本羽原大介) ③透明なゆりかご(原作沖田×華 脚本安達奈緒子) ④女子的生活(原作坂木司 脚本坂口理子) ⑤この世界の片隅に(原作こうの史代 脚本岡田惠和) ⑥
海外SFドラマの金字塔② 『アウターリミッツ』(The Outer Limits)
冒頭、「これはあなたのテレビの故障ではありません。」という若山源蔵の有名なナレーションで始まる『アウターリミッツ』。
予算や30分ものと1時間ものという違いはありますが、脚本に重きを置いたロッド・サーリングの『ミステリーゾーン』と比べると『アウターリミッツ』は、明らかにビジュアル面に力を入れていました。 特撮も『ミステリーゾーン』よりずっと大掛かりで頻繁に使われ、宇宙人や怪物たち
ディストピア政治ドラマ『結婚相手は抽選で 』~「LGBT」「優生思想」そして「治安維持法」
日本では珍しいパラレルワールド政治ドラマ事前情報なし、原作未読で観始めたら、これがなかなかの問題作でちょっとびっくり。
深夜ドラマなので観ている人は多くないと思いますが、 結婚相手を政府が抽選で決めるという 「抽選見合い結婚法」 が施行されたパラレルワールド(並行世界)の日本が舞台の一種のディストピア政治ドラマ。 2018年の「第56回ギャラクシー賞 テレビ部門優秀賞」を受賞しています
海外SFドラマの金字塔① 『ミステリーゾーン』 (The Twilight Zone )とロッド・サーリング
1 『ミステリーゾーン』と『アウターリミッツ』
未だに語り継がれる往年のSFドラマシリーズの傑作と言えば『ミステリーゾーン』と『アウターリミッツ』が双璧であることは衆目の一致するところだと思います。
『ミステリーゾーン』が主に30分番組(第4シーズンのみ60分)、『アウターリミッツ』が60分番組という違いはありますが、ハードSFから怪奇SFまでサイエンス・フィクションの多用なジャンルを網羅した一
ブルース&ロックファンにはたまらない青春ノスタルジー・ドラマ『You May Dream 〜ユーメイ ドリーム』
放映時、見逃した方はこちら。
(※リンクのNO.2と3は、縮小画面。NO.1と2は多分重複があると思います。)
「シーナ&ロケッツ」を題材にしたNHKの福岡発地域ドラマ『You May Dream 〜ユーメイ ドリーム』(2018)は、私のようなブルース&ロック大好き人間には感涙ものの音楽ドラマでした。
登場人物たちが洋楽、特にブルースについて熱く語り合うドラマなんて、まさに前代未聞・空前絶後・