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さらば、名探偵! 夜空に消えた 綾辻綸太郎の惨劇

【次回からのあらすじ】

虚数空間に建てられた、異形の館「本室直館」一一。

名探偵・綾辻綸太郎は、虚数空間に生成された自らの「陰」である殺人鬼・法月行人(ちょっと字面が地味)との最終対決において、あえてみずから法月の手にかかることにより、無限連鎖する殺人事件に終止符をうった。

だが、彼の命を代償とした解決に対し、読者からは、少なからぬクレームが寄せられた!

「いくら事件を終わらせたって、謎解きしないままに名探偵が死んじゃったら、本格ミステリとしての解決にならないでしょ。そんなの、今どき流行らない、バカミスだよ」などという、小うるさいマニアからの、本質をはずした注文である。

そこで、綾辻綸太郎は、時間を巻き戻して復活し、読者に「事の軽重」を説教するのであった。

「君らねえ、大切なのは事件を終わらせることであって、謎を解くことじゃないんだよ。そのくらいのこと、どうしてわからないの? ミステリばかり読んでるから、そういう世の中の現実からズレた人間になっちゃうんだよ。だからね、これはこれでいいのよ。このラストに涙するのが、まともな人間のすることなの。わかった? わかったら、感動して泣きなさい。一一ということで、私は非業の死を遂げるからね。たのむよ、ほんと」

バッタリと倒れる、名探偵・綾辻綸太郎。
ふたたび赤黒い悪夢。すでに、彼は息をしていなかった…。(※ 息を止めていたわけではない)

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(本篇省略)

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我ながら素晴らしいラストだと思う。さすがは、『名探偵の掟』などの「天下一大五郎シリーズ」を書いた、東野圭吾と同郷の作家である。
雰囲気が似ているのは、真似をしたのではなく、体質的に近いところがあったのであろう(大阪の人間やからね、知らんけど)。
これは将来有望。直木賞も夢ではないのかも知れない。

だが、文学賞なるものをもらうつもりなど、私にはない。各種の勲章もいらん。吾輩は、そんなものを欲しくて小説を書いているのではないのだ。

とは言え、直木賞を取らないと、笠井潔が難癖をつけてくれないかも知れない
曰く「あの作品は、本格ミステリとして、レベルが低い」

だが、私に言わせれば、笠井は「虚数空間における本格ミステリ」の意味をとらえ損ねている。単に、いま流行りの「特殊設定ミステリ」の一種だと思っているのだろうが、違う。それは違うのだよ。浅はかなり、笠井潔!

「虚数空間における事件」とは、事件が解決されたところ、謎が解かれたところから、逆方向に物語が生成されるのだ。時間が反転するのである。その意味が、笠井にはわかっていないのだ。

だが、それも致し方のないことなのかも知らない。
所詮、笠井の思考とは「スキー的思考」の域を出ないものなのだ。スキーが逆向きに雪の斜面を登っていく世界の論理が、笠井に想像できないのだ。『天使は探偵』ではなく『悪魔は犯人』なのだ。

それに、もう笠井は、スキーをやっていないのではないか?
たしか、作家を引退したら、スキーインストラクターになるとかならないとか言っていたが、なった様子もないようだから、もしかすると今の笠井は、偽者の笠井潔なのかも知れない。……そうか、彼もまた「虚数空間」からやってきた、笠井潔の「陰」でしかなのか! ああ、すでに、私が愛した笠井潔ではないのかも知れないのだ…。

しかし、結論を出すのはまだ早い。

「次回までのあらすじ」は書いたけれども、前回の物語は、これから生成されるのだ。

そこにこそ、最後の希望がある。太陽を直視する数秒に賭けるのだ!

生は暗く、死もまた暗い。
( ̄3 ̄)ピ〜♫(マーラー

(※ 本稿は、チャットGPTを使って、ちゃちゃっと書いたものではない)

次回に続く。

(2023年5月26日)

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(笠井潔ファン必読の隠れた名著)
(「天使」は比喩ではない。本物の天使が探偵。)

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