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オタクパパの映画レビュー

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2021年10月の記事一覧

無駄なタイムトラベルもある〜バック・トゥ・ザ・フューチャーとドラゴンボール〜

無駄なタイムトラベルもある〜バック・トゥ・ザ・フューチャーとドラゴンボール〜

ここでのタイムトラベルはメジャーな物語上の現象を題材に書きました。科学的、SF高尚的に厳密なものではありません。

物語のタイムトラベルには大きく2種類ある。一つは単一の時間軸上で行われるタイムトラベル。
主人公が過去に戻って起こした行動によって未来が変わるというもの。
もう一つは時間軸が増えるタイムトラベル。

主人公が過去に戻って行動を起こすと、そこで分岐点ができて新しい未来が生まれる。
新し

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ジェンダーと人種差別に興味がある人のための『デューン』講座

ジェンダーと人種差別に興味がある人のための『デューン』講座

SF小説『デューン 砂の惑星』が映画化されるのは二度目だ。
一度目は1984年。当時新人監督だったデビット・リンチによるもの。
賛否両論まっぷたつのカルト映画だ。僕は『賛』側です。

1984年の『砂の惑星』と、2021年の『砂の惑星』。
見比べると当時と現代のジェンダー観や人種観が違って面白い。
先に述べておくが、僕はだから1984年版はダメなんだなどというつもりはない。

当時の映画は当時の時

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未来宇宙なのにハンコ文化だから映画『デューン 砂の惑星』はドキドキする

未来宇宙なのにハンコ文化だから映画『デューン 砂の惑星』はドキドキする

映画デューンについてどこから書こうか迷ってる。映像として素晴らしかったのは大前提で。
今回、再発見したことは西暦10191年の世界が徹底的にアナログだったこと。AIやコンピューター、ロボットが一切ない。

計算と記憶は人間の脳で全てする。
乗り物の操縦も全て、人間によるレバーとスイッチ操作。タッチパネルすらない。
タッチパネルでの操作は間にコンピューターはさんじゃうからね。

スターウォーズではコ

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旅したければ映画館に行け〜砂の惑星観光ガイド〜

旅したければ映画館に行け〜砂の惑星観光ガイド〜

エンドロールが流れ切っても僕はしばらく砂の惑星から帰ってこれず、席に身を沈めていた。
金曜午前の映画館、封切り日の1回目の上映。
IMAXシアターで『デューン砂の惑星』を見てきた。

これはSF映画に興味のない人に向けた記事です。
SF映画に興味のある人、デューン…ああ、聞いたことあるよ、って人は絶対見に行きますからわざわざお勧めしません。
え?見に行きますよね。当然。

映画館で僕は完全に旅をし

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22年ぶりに見たマトリックスは「答え」ではなく「問い」の映画だった

22年ぶりに見たマトリックスは「答え」ではなく「問い」の映画だった

映画『マトリックス』のネタバレが含まれるかもしれませんが、気にせずに読んでください。

2021年にマトリックスを見るとびっくりする。
1999年の公開当時に見たとき以上にびっくりする。
マトリックスの新作を見る前に復習する必要なんてない、って記事を書いたけれど撤回します。

マトリックスを初めて見たのは25歳の時。
ヒットの規模や世間の評価に比べて、僕の評価は低かった。
ああ、電脳世界と人間の話

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カリオストロの城のルパンを父親として見たら膝がびちゃびちゃになった

カリオストロの城のルパンを父親として見たら膝がびちゃびちゃになった

昨日の記事の続きです。
カリオストロの城のルパンは50歳。引退を決めていたけれど偽札からクラリスの記憶が蘇って引退を先延ばしにした。
クラリスに対しての立ち振る舞いは父親としてのもの。クラリスを救うためにカリオストロに行き、クラリスを自立させるために去った。

という解釈をもって劇場に行き、十何回目かのカリオストロの城を見ました。

なんということでしょう。映画を見て気づいたこと。
この解釈には矛

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カリオストロ城でのルパンは50歳の父親

カリオストロ城でのルパンは50歳の父親

2021年10月1日から『ルパン三世カリオストロの城』が全国の劇場で上映されている。
これは初日に観に行くっきゃない!
と、映画館に出かける前に、1年前の記事をリニューアル公開してから。

映画の冒頭は、カジノから大金を盗み出すルパンと次元の姿から始まる。
さっそくの違和感だ。
ルパン三世って現金を盗むようなチンケな泥棒だったっけ?誇り高き怪盗ルパンの孫でしたよね。

彼が狙うのは常に世界で一つだ

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