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今月のイチオシnoteクリエーター

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月末に1名、これぞ!というnoteクリエーターさんを表彰して1000円サポート&紹介するコーナーの候補作と受賞作たち。 心を揺さぶる名作として、世に広めたい!と思わされたnot… もっと読む
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2019年8月の記事一覧

今月のイチオシnoteクリエーター(2019年8月)

今月のイチオシnoteクリエーター(2019年8月)

月末恒例、勝手にオススメのnoteクリエーターを表彰して褒め称えて1000円サポートするコーナーが今月もやってまいりました。

過去の受賞者さんや候補作品はこちらのマガジンをどうぞ。惜しくも選ばれなかった候補作もイチオシ揃いです!

条件として...

・note内で初めて知った人
・noteでのフォロワー数が1000人未満
・実際にお会いしたことがない人を優先

という3つの条件で選んでいます。

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8分間のサマー・トレイン #あの夏に乾杯

8分間のサマー・トレイン #あの夏に乾杯

いつもと同じ夏が、過ぎ去ろうとしていた。

量販店で買ったマキシ丈ワンピースが暑さで足にまとわりつく。

結婚して10年、娘を産んで6年。ここ数年は、8月の終わりに実家に滞在するのが恒例となっている。私と娘が3日ばかり早く帰省するスタイルで、夫は後から合流。もちろん和平協定のもと、義実家に行くときは役割を交代する。

神奈川県の真ん中に位置する実家の周辺は、正直なんにもない。暇を持てあまして、3駅

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消えない泡 #あの夏に乾杯

消えない泡 #あの夏に乾杯

北の夏は短い。

盆だというのに吹き込む夜風は涼しく、虫の声も秋を感じさせる。リビングの窓の網戸には、大きな黒い虫が張り付いて離れない。蛍光灯の光に引き寄せられてか、夕飯のカスがこびりついた皿の山に用があってか。

「おい」

テレビの前の父親に目を向ける。むっくりとした猫背のラインに、グレーのTシャツがぴったり張り付いている。野球観戦後そのままのチャンネルで垂れ流されるCMでは、最近人気の俳優が

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実家が全焼した話

実家が全焼した話

こんにちは。
実家が全焼したサノと申します。

今回は僕のアカウント名の由来でもある、
実家が全焼した話をします。

僕の実家が全焼したのは小学生の時です。
ご近所さんの寝タバコが原因でした。

家も、家具も、服も、写真も、
全て燃えて無くなってしまいました。

とはいえ元々貧乏だったので、
全焼した時の悲しみは
それ程大きくありませんでした。

むしろ父にとっては、
中途半端に半焼にされるより

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『忘れられない一杯』は覚えていない【小説】

『忘れられない一杯』は覚えていない【小説】

「今度のフェスで乾杯しましょう!」

音楽好きの間では、良く使われるセリフだと思う。SNSが普及してからこっち、「顔は見たことがないけれど、趣味は同じ。いつ繋がったのかわからないけれど、ネット上では普通にしゃべる」、そんな不思議な関係の人が沢山できた。
そして、同じジャンルの音楽が好きでつながった人とは、参加するライブやフェスがかぶることが多々ある。そういう時に「会いましょう!」と言うのではなく、

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夏生まれに贈る、全力ビール

私の夫は夏生まれだ。

あまり夏生まれらしくない貧弱な体をしているが、肌はしっかりと黒い。ついでに体毛も濃いため、なんだか暑苦しい。

夏になると、ついハグも短めになるし、彼が座った後のソファは、じっとりと不快な温もりが残る。眠るときはうんと離れて眠りたい。

それでも、結婚10年を過ぎて、大切に思う気持ちは変わらない。彼以外の人間と生活できる自信が無いため、たとえ輪廻しても死ぬ気で追

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編集者になりたくて就活してた話

編集者になりたくて就活してた話

男友達のリツイートで
めちゃくちゃ可愛い子の写真が
TLに流れてきたと思ったら
だいたいがAV女優で困惑しています。
どうも、ぺこちゃんです。

タイトルがド直球。

ちょうど1年前
とにかく編集の仕事がしたかった私。
リクルートスーツを着て
何度も第1志望の出版社に
試験を受けに行く日々。

出版不振だのなんだの騒がれてたが、
毎月のバイト代をはたいて
何冊も何冊も
大好きなファッション誌を

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