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オフェンスの動きの「原則」②
前回の続きになります。
前回は主にパス後のカッティング(最後はオフボールスクリーンの話になりましたが基本原則は変わりません)でしたが、今回はドリブル(ドライブ)に対するオフボールマンの動きの原則です。
① 基本原則は「ドリブル鬼ごっこ」
ドライブに対するオフボールマンの動きは「ドリブラーがこっちに来たら逃げる」のが基本となります。ウォームアップの時にやるドリブル鬼ごっこでキャーキャー言いなが
オフェンスの動きの「原則」①
モーションオフェンスが浸透していく中で、様々な動き方が指導されるようになってきましたが、中高生に指導するとどうしても「動き方」を「覚えよう」としてしまいます。そのため練習では動けても試合になるとグチャグチャになる…という人も多いです。
そこで今回は「パターン」ではなく「原則」で動くという話を書きたいと思います。※ その「原則」もチーム毎に異なることがありますし、残念ながら「原則」がバラバラのセッ
チームオフェンスとは。
戦術を理解するためのベースとして、そもそも「チームオフェンスとは?」という共通認識を持つことが大事だと思ったので、これを書きます。
イメージしやすいように数字で話をします。
1on1の時はオフェンスが有利なので、仮にプレイヤーAとプレイヤーBの能力が同じ(数値90)だったとしても、OFEに+補正、DEFに-補正がかかってOFE側が強くなります。
でも5on5の時は、DEF側はボールマンDEFを
ゾーンアタックの基本的な考え方
(初稿:2022年10月28日 21:18,改訂:)
1.基本的な考え
ゾーンアタック(ゾーンオフェンス)については前にも少し書きましたが、
ボールマンが有利に攻撃ができる場所というのは「あるDEFが直前まで居たところ」です。そのDEFが動いたことで、そのDEFが担当していたエリアが弱くなり、そのエリアを他のDEFがカバーするまでの時間に攻撃ができるかどうかが勝負です。
その「DEFが居な
モーションオフェンスの注意点:オフボールスクリーン編①
これ(FW編②)の続きになります。
前回の内容をちょっと復習します。
オフボールのカット(カッティング)は大きく分けて、
① ボールに向かうカット(≒ボールミート)
② ゴールに向かうカット(=ゴールカット)
③ ボールから離れるカット(フレアカット)
の3種類に分かれていて、それをいきなり選択する(相手DEFの隙を突く)やり方と、少し動いて相手DEFの反応を見て選択するやり方がある、という
モーションオフェンスの注意点:フレックス・オフェンス編
現代のモーションオフェンスの基本が詰まっているオフェンスがフレックスオフェンスです。これの原型は下のような形でした。
後に4アウトに変わり、パスの供給場所が高くなりウイングのカッティングが横からに変わりますが、基本的なコンセプトは変わっていないのが分かると思います。これで得点を狙うのが基本的な形です。
この最初のアタックが失敗しても、その飛び込んだ選手がスクリーナーになれば、同じアタックを繰り
2022トランジション~アーリーOFE③
↑これの続きになります。
・ドリブルハンドオフ(DHO)
前回のボールマン/トレイルのドライブアタックがDEFに遮られたり、準備が十分で無かった時には、ドリブルハンドオフ(Dribble Hand Off: DHO)へと切り替えます。
ただ、前回のトランジション・スクリーンの部分でも書きましたが、ドライブをするかもしれないという恐怖が無ければ(つまり「どりぶるはんどおふだよー」とバレバレの状
2022トランジション~アーリーOFE②
↑これの続きになります。
・ドライブアタック
最初の速攻でシュートに行けなかった段階で、トランジションからのアーリーオフェンスへと移行していきます。最初の攻撃はドリブルプッシュをしているボールマンのドライブアタックです。
・ポストフィード
ドライブアタックに行けなかった時に、リトリート・ドリブルをして横にスライドするとローポストへフィードできる場合があります。
・トレイルのドライブアタッ
2022トランジション~アーリーOFE①
・基本コンセプト
今期のアーリーオフェンスは、通称「マッカビ」と呼ばれるアクションと、ドリブルドライブ・モーション(DDMO)の組み合わせになっています。その切り替えの目安はペイントタッチ(ペイントエリア内にドライブやパスで侵入する)によるDEFの収縮の後、両コーナーやウイングにパスが飛んで、DEFのロング・クローズアウトが発生した時です。
・マッカビ・アクション
マッカビ・アクションとは2
モーションオフェンスの注意点:FW編②
1. 適切なスペーシングを保つ
" Offense is spacing, and spacing is offense. "
1990年代を代表する名指導者リック・マジェラスの言葉ですが、現代バスケはこの言葉に象徴されると思います。モーションオフェンスに限らず、適切なスペーシング(選手と選手の間隔、距離)は現代バスケの基本です。
では適切なスペーシングとは?という話になりますが、世間に出回っ
モーションオフェンスの注意点:FW編①
「フォワード(FW)」というのも幅の広い言葉で、チームの戦術スタイルによっては「2番(シューティングガード)」を含んだり、「4番(パワーフォワード)」がセンターに含まれたりします。
また、センターは別名「ビッグマン」と呼ばれますが、そのセンターを置かないシステムもよく使われます。「ビッグマンがいない」のでスモールラインナップとも呼ばれますが、高身長のフォワードの選手が状況に応じてセンター的な役割
Tagging Up
近年、NBAではオフェンスリバウンドの数が減少傾向にあります。それは3Pシュートは外れた場合に大きく弾むためにディフェンスがキャッチすると同時に速攻となってしまう可能性が高いためで、データ解析が進む中でオフェンスリバウンドに成功して得点する確率よりも、ディフェンスリバウンドからの速攻で失点する確率の方が高いことが分かってきたためです。
そのため、ディフェンスリバウンドからの速攻を防ぐことをまず最
バスケ用語の不思議さ
先日、ある人と話をしていて「…ん?」と思ったことがありました。話は「ディッシュ(パス)」についての話だったんですが、
私の用語理解は大御所Mike Mackayの解説がベースになっている(彼の解説にはところどころに用語の注釈が付いているので楽だったんです)ので「Dish = a bounce pass off penetration (ペネトレイト・ドライブから放つ、カバーDEFの下を抜くバウン
バスケのポジションの話
今日はちょっとバスケの歴史からスタートです。
9人制の時代
バスケットボールは当初は9人制で前衛(フォワード)、中央(センター)、後衛(ガード)の3つのエリアで攻防戦が行われるものでした。
そういう競技になった理由は、バスケットボールが作られたYMCAトレーニングスクールの体育館には、天井を支える柱が2本立っていたからです。
ホントです(リンク先はパリにある現存する最も古いバスケコート)