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丸山「戦争」発言が浮き彫りにした三つの問題(その4 依存症)

▼丸山穂高衆議院議員の「戦争」発言について、

アルコール依存にかぎらず、依存症は「否認」の病である、という基本認識を維新は持っていたか。

〈松下政経塾出身の元官僚 北方領土で問題発言の丸山穂高衆院議員とは〉
毎日新聞2019年5月14日配信

〈丸山穂高(まるやま・ほだか)衆院議員は大阪府出身の35歳。東大卒業後、経済産業省職員、松下政経塾を経て、2012年の衆院選に大阪19区から日本維新の会公認で出馬して初当選。当選3回。

15年末に東京都内の居酒屋で飲酒した後、男性と口論になり、男性の手をかんだことがある。また、17年には、日本維新の会の衆院選敗北を巡って橋下徹元大阪市長と対立。橋下氏について「実質的に党内で逆らえない人だ」と述べ、いったん離党届を出したが、その後撤回した。〉

▼この、過去のお酒のトラブルについて、2019年5月15日、「女性自身」が次のような記事を配信していた。

〈15年末に東京都・大田区の路上で飲酒後に一般人ともみ合いになった末に、丸山氏は相手男性の手に噛みつくなどし警察沙汰に。その件について所属政党より厳重注意を受けた後に、Twitterでこんな発言をしていたのだ。

「丸山穂高です。先日の不始末について猛省と自重の決意として自主的に、禁酒宣誓書を今井幹事長へ提出してまいりました。あらゆるトラブルを予防するため、今後の議員在職中において公私一切酒を口に致しません。32にもなって汗顔の至りでございますが、未だ至らぬ自らを刻苦精励してまいります」(16年1月13日)〉

▼アルコール依存にしても、薬物依存にしても、ゲーム依存にしても、依存症といわれる病気は、「否認の病」といわれる。

日本維新の会は、このアルコール依存についての基本的な知識を持ち合わせていただろうか。丸山氏がアルコール依存の診断や治療を受けたのか知らないが、これまで受けていなかったとすれば、それは「否認の病」である可能性がある。

▼前号でも一言書いたが、丸山氏のやらかした問題は、彼の教育に携わった諸組織(西大和学園高校、東京大学、経産省、松下政経塾、日本維新の会など)にも構造的に埋め込まれた問題であり、日本社会のエリートと呼ばれる人々の共同体に、広く蔓延(まんえん)している可能性がある。酒に飲まれた情けない男たちの暴言、暴行。それらを「水に流す」習俗。強すぎる同調圧力。男尊女卑の傾向。

▼丸山氏の「戦争」発言報道は、結局「民主主義と教育」の問題に行き着くと思う。「民主主義と教育」、「マスメディア軽視のリスク」、「依存症の暴力」、これらの問題を浮き彫りにしてくれたところに、丸山氏の社会的価値がある。

(2019年5月30日)

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